海外で働く覚悟が決まったら、次は何をするべきか。おそらく多くの方が実際の求人を探し始めるのではないでしょうか。

海外で職を見つける方法の一つに、人材紹介会社を利用するという手があります。

実際、私が働いていたシンガポールでは(現地採用組の)ほとんどが人材紹介会社を利用していました。私自身も日本の人材紹介会社に登録し、そのままその会社のシンガポール法人に就職するという道を辿りました。

そこで今回は、求職者&営業の両方の立場を経験した私が内情を少しだけバラしつつ人材紹介会社を使うメリット・デメリットをご紹介したいと思います。

すでに飽和状態の日系人材マーケット in シンガポール

本題に入る前に、今シンガポールの人材マーケットがどうなっているか、少しだけお話します。

日本で人材紹介会社といえば、リルートのリクナビNEXTとか、インテリジェンスのDODAとかが有名ですよね。

人材紹介会社は転職エージェントなどとも呼ばれます。転職を希望する人に、非公開の求人などを紹介してくれるありがたいサービスです。(「人材紹介会社って何?」という人はこちらに詳しく載っています。)

いわゆるこういった日本の人材紹介会社は、海外、特にアジア各国に猛烈に進出しています。私がいたシンガポールなんて、人口500万(東京都の人口の半分以下)の小さな島国で、日本人人口は約3万人にもかかわらず、日系エージェントがうじゃうじゃいました。

シンガポールに住む日本人なら必見のWebサイト『シンガポールお役立ちウェブ』の求人欄を開くと、日系エージェントが15社ほどズラズラーっと広告を載せています。

まだまだ売り手市場が続くシンガポールでは、求職者が断然有利です。要は、求職者よりも求人数の方が多いので、仕事を選べる立場にいるってことです。

なので人材紹介会社に登録さえすれば(よっぽどの事情がない限り)求人の紹介は来るでしょう。シンガポールだけでなく、おそらくタイ、ベトナム、インドネシアあたりは似たような状況だと思います。

 

海外就職の際、人材紹介会社を利用する5つのメリット

(1)お金がかからない
一番目にあげるメリットかは置いておいて、とりあえず無料なので登録しておきましょう。

一般的には3社くらい登録しておくと良いと言われます。異論なしです。

どこのエージェントか良いかは、正直国によって異なります。日本では有名な大手エージェントも、海外では後発でブランドの認知度もなし、ということは多々あります。

日本の大手=現地で強いとは限らないのです。後発で認知度がなければ、持っている求人数も少ないはず。。もし調べられれば、そのエージェントが扱っている求人数で規模を確認してみましょう。

 

(2)キャリアカウンセリングに乗ってくれる

一番のメリットはこれだと思います。というか、これであるべきです。

これまでの人生を一緒に振り返ってくれ、将来の希望を聞いてくれ、それならばこんな仕事、こんな会社、こんな働き方はどうですか?とアドバイスしてくれる。素晴らしいサービスじゃないですか!利用しない手はない。

 

(3)効率よく情報(求人やビザや生活文化など)が収集できる

ネットで調べられる便利な時代ですが、やはり一番効率が良いのは”人に聞く”こと。求人情報はもちろんのこと、現地の生活や文化について、また現地で働く先輩として色々なアドバイスをくれるでしょう。

海外に慣れていない人にとってみれば、航空券の買い方や携帯電話の使い方、ネットへの接続方法、バスやタクシーの乗り方、治安など全てを自力で調べるのは大変な労力です。

何の人脈もないところから、無料で相談できる先輩が出来るなら、とってもお得だと思います。

 

(4)実際に色々な非公開求人を紹介してくれる
こちらも当たり前のメリットですが、海外では特に恩恵を受けられるのではないかと思います。

日本ではダイレクトリクルーティング(企業が直接自分たちで採用する)とか流行ってきましたが、海外にある日系法人はまだまだ自社だけで採用をする余力がありません。

ですから、多くの日系会社が「人材紹介会社さん、後はお願いね」と採用の仕事をまるっと投げてきます。

したがって、一般の求人広告サイトに載っている募集は数が少なく、自力で仕事を探すのは結構難しいかもしれません。
※外資系企業の日本人ポジションを狙う場合は事情が違います。

外資系はLinked Inとか、現地のジョブポータルや自社サイトを使って結構募集かけています。

 

(5)良いコンサルタントに出会えば、その人のおかげで内定が出るかもしれない(何なら良い条件で)
キャリアコンサルタントは一応(?)プロです。応募者の性格や能力を見極め、代わりに企業へアピールしてくれます。

求職者の中にはすごく良い人なのに、自分をアピールするのが下手だったり、アピールする箇所を間違っていたり、自分を全く客観視することができず、お門違いな求人に応募していたり。。。

そんな惜しい!人材をうまく微調整して、応募者本人に代わって企業に営業をしてくれます。面接で失敗したとしても、第3者の立場から企業側へフォローを入れてくれます。

おまけに給与アップの交渉までしてくれたりします。あぁ、何て素敵なサービスなんでしょう!

 

人材紹介会社を利用する際に知っておくべき2つのこと

とまぁ、ここまで利用するべきメリットを書いてきましたが、良い話には裏があります。裏というか、お互いがWin-Winになる仕組みがあるということです。

(1)キャリアコンサルタントはあくまでその会社が持つ求人しか扱えない
メリット(4)で書いた通り、海外における日本人向け求人情報はほとんどが非公開求人。

つまり、人材紹介会社が情報を握っています。雇う側である企業からすると、人材エージェントは多くても2〜3社で十分ですので、特定の人材紹介会社にのみ情報を伝えます。すると何が起きるのか。
冒頭でお伝えした通り、現在日系のエージェントが多すぎるため、裏では熾烈な求人獲得争いが起こっています。ただでさえ日本人の求人なんて少ないのに、その少ない求人を数十社の日系エージェントが奪い合います。

それはそれは結構しんどい営業合戦です。皆さんが登録した会社の営業力が弱小の場合、扱っている求人数が少なく希望の職に就けない可能性が高まります。

もしくは他の人材紹介会社が扱いたがらない、いわゆるブラック企業や就業環境が厳しい企業の求人ならば持っているかもしれません。

そして、(プロじゃない)キャリアコンサルタントは必死で勧めてくるでしょう、、、なぜなら彼らにも成果を出すというミッションがあるからです。

 

(2)コンサルタントが情報を操作することもできる

私が出会ってきたキャリアコンサルタントには、基本的に人が好きで、本当に心の底から求職者のキャリア形成に役立ちたい!と思っている人が多いです。

しかし、彼らにも毎月”目標達成”というノルマ、、、いや、ミッションがあります。人材紹介サービスは基本的に成功報酬型なので、内定が承諾された時点で売上が上がります。

ということは、売上成績がまずい時は必死でマッチングを図ろうとします。本来は求職者に取って一番の選択肢を提示するのが役目なのに、今月の売り上げ欲しさに新規求人の紹介を控えたり、この会社で手を打ちましょうよ、と無理やりクロージングがあるとかないとか。。。

とにかく彼らにも事情があるので、やたらと内定承諾を勧めてきたりとか、むやみやたらに面接を急かしてくれば、何か裏の事情があるのだろう、と思っていいかもしれません。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?後半は人材サービス業界の裏側の話もありましたが、結論、人材紹介会社はうまく利用した方が良いと思います。

ちなみに私はエージェントを利用して、スピード感のある海外就職を果たすことができました。海外で働くなんて、一生に一度あるかないかの大きな決断です。情報はあればあるほど有利ですので、ぜひうまく活用してみてください。

1985年生まれ 東京都出身

経営コンサルティング会社へ新卒で入社。その後シンガポールの現地法人へ転職し採用業務に携わる。日本人の海外就職斡旋や、アジアの若者の日本就職支援に携わったのちフリーランスとして独立。現在は開発コンサルタントとして国際開発援助やソーシャルビジネス支援に従事。