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英語が出来るようになるためには、どうすればいいですか?」と聞かれることがある。しかし「こうしたら確実に英語が出来るようになりますよ」という回答を、私は持ち合わせていない。

ただ留学中や海外就職中に、多くの英語学習者に接するうちに、英語が伸びる人と伸びない人には明らかな違いがあるとわかるようになった。

その違いはたった一つ。英語を学ぶ姿勢である。

 

英語習得に近道はない

冒頭の質問に対して、私は次のように答えている。

「英語に触れる量をとにかく増やすことです。英語のシャワーを浴び続けて3ヶ月もすれば、相手が何を話しているか、大体分かるようになってきます。話せるようになるにはもう半年は必要じゃないでしょうか。英語習得に近道はありません。

すると反応は二つに分かれる。

毎日続けて9ヶ月ですか…。そうですよね。近道なんてないですよね。」と言う人。

え!?そんなにかかるんですか?早く伸びる方法とかありませんかね?」と聞いてくる人。

さて、どちらの方が英語が伸びるだろうか。

 

残念ながら後者の発想をする人は、本物の英語力はいつまでたっても身につかない。というより、英語に限らず何かの能力を本当に伸ばすことは難しいんじゃないかと思う。

 

例えば先ほどの質問の続きで、「聞き流すだけの英語教材でも良いので、毎日続けることがポイントです」と答えてみる。

すると「ただ聞き流すだけの英語教材はやってみましたが、意味が無かったです」と言ってくる。こういう人に限って「毎日聞いたけど」と言いながら実際は週3回くらいしか聞いてなくて、しかも1ヶ月も続けないうちに「効果がなかった」と判断している。

当たり前だが、そんなやり方で短期間で身につくほど、英語習得は甘くない。おそらく何かを「習得」した経験が今まで一度もないのだろう。何かを本気で習得したければ、おのずと時間がかかることを知らないのだ。

 

 

ハウツー本にすがりつく甘さ

3ヶ月で英語が劇的に伸びる、たった3つのポイント!」みたいなキャッチコピーの記事や本を見かけるが、その類のメソッドを使って英語が出来るようになった人に出会ったことがない。

確かにTOEICやTOEFLなど、試験英語の点数を伸ばす攻略法はある。

しかしそれは英語が出来るようになるための道ではなく、あくまで試験英語に強くなるための攻略法だ。TOEICの攻略法を使って勉強しないよりはした方が多少英語は伸びるだろう。しかし、そうした勉強法だけでは英語が出来るようにならないのは、多くの方が実感済みではないだろうか。

ちょっと厳しい意見かもしれないけど、「ハウツーを使って、楽して英語ができるようになりたい」という根性そのものを叩き直す必要があるのだ。

こうして楽に英語を伸ばしたいと考える人に限って、目的が定かでないことが多い。

何のために英語を勉強するのか強い動機が無いから、ついつい自分に甘くなる。こういう人はいくら英語を勉強しても、英会話教室に通っても、プチ語学留学しても、英語が劇的に伸びることは期待できないだろう。

 

 

語学習得の最短の道は地道な努力

中1で本格的に英語を勉強し始めて、もう20年近く経つ。20年勉強してきてつくづく思うが、語学習得の最短の道は地道な努力である。

私の場合、高校で留学したことが英語力を伸ばす大きな要因だったことは間違いないが、留学をすれば誰でも英語ができるようになるわけではない

例えば毎日大量に課せられる宿題。アメリカの高校の教科書はタウンページみたいな大きさと厚さなのだが、それを明日までに30ページ読んでこいと言われる。

一文の中に何個も初めて見る単語があり、それを全て辞書で調べる。意味を書き込み、文法の知識をフル動員して理解しようとする。1ページ読み終えるだけで2〜3時間かかる。

何度も心が折れて泣きそうになる。だけど、泣いたところで宿題が終わるわけではない。

ただひたすらに予習と復習を繰り返す。そうした努力を積み重ねていくと、ある時ティッピング・ポイントみたいなものが訪れて、一気に英語の全体レベルが上がっていくのである。

 

このような話をすると「もともと努力家だから続けられたんでしょ?努力できるのも才能の一つ。私にはできない」と思う人もいるかもしれない。

だが私の場合、「もともと努力家だったから英語の勉強を続けられた」のかどうか、正直わからない。どちらかといえば飽き性だし、恥ずかしながら、英語以外に長続きしたものは他にない。

ただ言えるのは、英語を勉強することによって忍耐力がついたということだ。

 

まとめ

そういえば新卒一年目の時、テレアポがうまく出来なくて心が折れかけた(というか折れた)時があった。その時先輩から「大島さん、英語と一緒だよ」と言われた。

「ある日突然英語が話せるようになったわけじゃないでしょ?テレアポも一緒。最初からうまくなんて話せないけど、毎日少しでもかけ続けることが大事なんだ。そしたらある日急に取れるようになるから」と説明してくれた。

少し強引なこじつけではあるが、私は妙に納得し、無事テレアポを続けることができたのだった(そしてアポイントも取れるようになった)。

英語を本気で学んだことの副産物は、忍耐力だけではなかった。何かを習得するのはそんな簡単じゃないし、まず量を追いかけることが必要だ、と自然に理解できるようになっていたのである。

 

世の中には英語学習に関するハウツーが溢れている。ただどこかで聞いた事があるように、すぐに役立つものはすぐに役立たなくなるハウツー信仰は、本物の英語力を身につける機会を自ら捨ててしまっているようなもの。とても勿体ないと思う。

簡単に英語力を伸ばしたいと思うのならば、安易に英語を学ぼうとする、その姿勢から見直す必要があるのではないだろうか。

 

 

1985年生まれ 東京都出身

経営コンサルティング会社へ新卒で入社。その後シンガポールの現地法人へ転職し採用業務に携わる。日本人の海外就職斡旋や、アジアの若者の日本就職支援に携わったのちフリーランスとして独立。現在は開発コンサルタントとして国際開発援助やソーシャルビジネス支援に従事。