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(※この記事はBooks & Appsに寄稿したブログを編集したものです。)

報連相は仕事の基本である。

しかし「報連相は好きか」と聞かれたら、おそらく「苦手だ」「面倒くさい」と思う人の方が多いだろう。

以前研修講師をしていた時も、受講生からは最も人気のないテーマの一つだった。逆に上司からは、部下に最も受けさせたい研修の一つだった。

なぜ部下と上司の間には、報連相に対する認識にこんなにも乖離があるのだろうか。

 

かくゆう私も、新人の頃は報連相が苦手だった。

「報連相をしろ」と言われたが、それは上司が部下を都合よく管理するための理由付けだと思っていた。

だから、人から管理されるのが嫌いな私は、必要最低限の報連相しかしなかった。

 

しかしその判断がとんでもなく”損な行為”だったと気付いたのは、初めて部下を持ってからのことだった。

 

 

報連相の大切さを教えてくれた2人の部下

私は二人の部下を持つことになった。

一人はやたら報連相をしてくる部下。もう一人は、全く報連相をしてこない部下。

 

前者は、決して報連相が上手いわけでない。

私が会社に戻るなり「ちょっといいですか?」といってコートを脱ぐ隙も与えず報連相をしてくる。話も冗長で、報告なのか、連絡なのか、相談なのか、結論がよくわからない

しつこいくらいに報連相してくるので、「私に相談する前に、まずは自分の頭で考えたの?相談に来るなら、自分の意見を持ってから来ること」などと突き放したりもした。

しかし「すみません。次から気をつけます」と素直に頷かれてしまっては、相談に乗るしかない。

「ちょっといいですか」が「ちょっと」で終わることはほとんどなく、そこから1時間くらい相談に乗ることもざらにあった。

けれど、いくらタイミングが悪くても、いくら報連相の中身が薄くても「この子は仕事熱心だな」と感心することの方が多く、ついつい熱血指導をしてしまった。

 

上司も人間。頼られるのは嬉しいものだ。

熱血指導のおかげかどうかはわからないが、彼女はどんどん成長していった

 

上司は不安でしかたない

一方で報連相の苦手な部下は、上手い下手の問題ではなく、とにかく報連相自体をしてこなかった

彼に対する一番の悩みは「今どのような状況か全くわからない」ということだった。

 

上司は自分が最前線で仕事をしているわけではないので、常に現場で仕事が進んでいるのか気になって仕方ない

 

極端な話、状況がつかめるのであれば、別に成果が出てなくても良い。仕事が予定より遅れていても良い。とにかく状況が把握できれば、対策が打てるからだ

 

しかし、報連相がなく状況がつかめなければ、常に不安がつきまとう。

だからこそ上司は「報連相をしろ」とあんなにもしつこく言ってくるのだ。

 

また報連相が少ないということは、会話が少ないということ

部下に対しては常に公平を心がけていたが、やはり報連相の多い部下と比べると、コミュニケーション量は圧倒的に少なかった。

何に悩んでいて、何につまづいているのか把握することができず、私はうまく指導ができなかった。

 

結果的に、この二人の成長速度には大きな差が生まれてしまった。

 

年度終わりの人事面談で、彼はこんな風に言っていた。

「仕事は一人でやるものだと思っていました。それが僕の大きな勘違いだったんですね。」

 

報連相の本質は上司から信頼を得ること

報連相とは、他の言葉で言えば「上司とのコミュニケーション」だ。

言葉の選び方や、報告するタイミング、相談する内容などを考えながら、上司とともに仕事を円滑に進めていく。報連相は、実はコミュニケーションの総合芸術ともいえる高度なスキルなのだ。

そんな高度なスキルを持っている部下を、上司は高く評価する。

また、一度「この人には仕事を任せても、きちんと報連相してくれるから大丈夫だな」と思わせることができれば、いちいち仕事の進捗を管理されることはなくなる

逆説的だが、報連相をしたくないという人ほど、報連相をした方が良い理由はここにある。

 

このような話をすると、「別に仕事ができれば報連相をしなくても良いのでは」と思う人もいるかもしれない。確かにそういう考え方もある。

 

しかし誰かと一緒に組織で働く以上、相手の気持ちは考えた方が物事はうまく進む。上司に媚を売る必要はないが、上司を不安にさせる部下には、おそらく仕事は回ってこないだろう。

結局は、一緒に働いていて安心感がある部下が信頼されるのだ。

 

報連相の本質は、上司から信頼を得ること。

もしあなたが上司に管理されたくない、自由に仕事を進めたいと強く思うのならば、今日から報連相を徹底してみてはどうだろうか。

 

 

1985年生まれ 東京都出身

経営コンサルティング会社へ新卒で入社。その後シンガポールの現地法人へ転職し採用業務に携わる。日本人の海外就職斡旋や、アジアの若者の日本就職支援に携わったのちフリーランスとして独立。現在は開発コンサルタントとして国際開発援助やソーシャルビジネス支援に従事。