shared-img-thumb-elly853_tosyo15191241_tp_v

いつものミーティングで、あるメンバーの議事録が目に止まった。

A4のページ半分くらいに、びっしりと文字が書かれている。私はその一応文章らしき日本語の羅列を読んだが、何を言いたいのかさっぱりわからなかった。

この文章を書いた人物は有能な若手で、非常に仕事ができる。人の話を熱心に聞き、的確なアドバイスをくれる。

 

なので今回出てきた文書 ーつまりは彼の意見ー を読んだとき、正直、いつものキレキレなコメントとのギャップに違和感を覚えた。

「まあ仕方ないですね。〇〇さんは話す人だから。

師匠が言った。

師匠はよくこの「話す人」「書く人」という言葉を使う。話すと書くとで、どちらのコミュニケーションがより得意かという意味である。

コミュニケーションは一般的に、読む・聞く・話す・書くの4つに分類される。読む・聞くがいわゆるインプットで、話す・書くがアウトプットだ。

我々は普段、ごく自然にこれら4つを組みあわせてコミュニケーションをとっているので、どのコミュニケーション方法が一番得意かなんて、よほど意識しない限りわからない。

 

しかし、自分が最も得意とするコミュニケーション方法を知らないことは、自分の仕事の仕方を理解していないということで、つまりは仕事の成果に大きなダメージを与える。私がそのことを明確に意識するようになったのは、師匠に「大島さんは絶対に読む人ですよ」と指摘された時からである。

 

ドラッカーいわく、世の中には「読む人」と「聞く人」の二種類が存在する(※1)。どちらが得意かは、仕事の仕方かつ、理解の仕方に直結している。

仕事の仕方について初めに知っておくべきことは、自分が読む人間か、それとも聞く人間かということである。つまり、理解の仕方に関することである。世の中には読み手と聞き手がいること、しかも、その両方であるという人はほとんどいないということは知らない人が多い。

冒頭の「話す人」か「書く人」かという議論はアウトプットの仕方に着目したものであるが、「読む人」か「書く人」かという議論は、インプットの仕方に焦点を置く話だ。

 

ちなみに私は自分のことをずっと聞く人、話す人だと思っていた。営業として人の話を聞くのが好きだし、セミナー講師として人前で話すのも楽しかった。

 

ところが師匠は、私の読書量と文章から、「絶対に読む人、書く人です」と言い切った。師匠にそこまで断言されると、なんの根拠もないけど、なんとなく自分は読む人、書く人なのかなと思えてくる。

 

そうして自分を含めた世の中の人を、聞く人/読む人なのか、話す人/書く人なのかと観察していくと、面白いことに本当にハッキリ特徴が見えてくる。

いつも面白い話をしてくれる経営者のブログがめちゃめちゃつまらなかったり、普段は無口な友人が送ってきたメールが不意をつくほど感動的だったり。

「なんでこの社長、話は面白いのにブログがつまんないんだろう」という疑問も、この人は話す人だからか、とすんなり納得がいく。

 

ちなみにこの社長のように話すのが得意なら、情報発信はセミナーや講演を通して行なったほうがいい。無理してブログに時間を費やすよりも、よっぽど成果がでるだろう。ドラッカー曰く、これは個性であり、今更矯正しようと思って変わるものではないらしい。

また、もしあなたが書くのが得意(あるいは話すのが苦手)なら、日報やメールでの報連相をしっかり行う。もちろん、対面でのオーラルコミュニケーションを全くなくすべきとは言わないが、自分は「書く人」だと上司に予め認識してもらうことは重要だ

最も得意なコミュニケーション手段を理解しておいてもらうだけで、あなたの弱みばかりみられることはなくなり、強みを生かした仕事が回ってくる。

 

人は弱みによって成果を出すことはない。いつだって強みに着目すべきだ。

では強みとは何か。それは決して仕事の中身(what)だけではない。仕事の仕方(how)にも得手不得手がある。

自分が最も得意とするコミュニケーション方法を知るだけで、あなたの仕事はグッとやりやすくなると思う。

※1

 

1985年生まれ 東京都出身

経営コンサルティング会社へ新卒で入社。その後シンガポールの現地法人へ転職し採用業務に携わる。日本人の海外就職斡旋や、アジアの若者の日本就職支援に携わったのちフリーランスとして独立。現在は開発コンサルタントとして国際開発援助やソーシャルビジネス支援に従事。