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小さい頃から

「何事も継続が大事よ」

と、うちの母は言っていた。

一般的によく聞くセリフだし、確かにそうなんだろうなーとは思うんだけど、あんまり好きな言葉ではなかった。なぜなら「何かを続けること」が私はとても苦手だからである。

 

よく言えば好奇心旺盛。やりたいと思ったことは、とにかく実行してみる。

小さな話ではあるが、酵素が体に良いと聞けば発酵食品を食べてみたり、体幹を鍛えたほうが痩せやすいと聞けばヨガ教室に申し込んでみたり。

興味を持ったことを始めるまでのフットワークは軽いのだが、いずれも長くは続かない。

もうちょっと大きなところで言えば、一つの組織に永く所属することも出来ない

小学校、中学までは義務教育という強烈な統制力によって所属することができたが、高校からは2年単位で学校を変えながら大学院まで進学した。

社会人になってもそれは変わらなかった。

新卒で入った会社だけは、石の上にも三年という周りの大人の言葉を信じて、唯一3年3ヶ月在籍することができた。それでも次の職場からは1年単位で転職し、ついには会社員として働くことすら続けることができなかった

こんな自分には、もう呆れるしかない。

おそらく私のDNAには「継続」という要素が組み込まれていないのだ。お母さんごめんなさい。私はお母さんのお腹の中に「継続」という大事な落とし物をしてきてしまったみたいです。だから何も続かないんです…(あれ? もしかしてお母さん、そのことに気づいていた? だからあんなに口すっぱく言ってたの…?)

 

「私、悪くない。遺伝子のせいだから。」

強引に自分を納得させようとしていた半ば、そういえば最近一つだけ続いている行為があることに気付いた。

 

文章を書くこと、である。

このブログにしろ、他のメディアへの寄稿にしろ、書く行為は比較的続いている。

といっても、毎日書いているわけではないからそれって継続していると言えるの? と言われたら、ハイすみません、私の継続のレベルが低すぎてごめんなさい、これくらいで勘弁してもらえませんか、となるので、ここでは一旦続いているということにしておく。

まあ、今こうやってこの瞬間もブログを書いているわけだが、誰かに命令されて書いてるわけではない。あくまで自発的に書いている。

こんなしょうもないブログに見えても、それなりに時間はかかっている。書くことでお金も生まれないし、このブログを読んだ誰かから、そうだ、大島さんに執筆を依頼しよう! と即座にビジネスが生まれるわけでもないから、合理的に考えればあまりメリットはない。

でも、なぜかブログだけは続いている。しばらくサボっていたとしても、やはりまたPCの前に戻り、何かしら書き始めてしまうのだ。

 

私は久しぶりに嬉しかった。

文章が上手いねって褒められたとか、大島さんのブログのおかげでやる気が湧きましたってメッセージが飛んでくるだとか、そんなんじゃなくて(もちろんそれは超絶嬉しいけど)。

もっと手前の、自分が続けたいと思えるものに出会えることができたんだ、私でも続けたいと思うものを持ち得ることができるんだ、という事実が純粋に嬉しいのである。

自分は何をやっても長続きしない根性なしの人間ってわけじゃなかったんだ。自分が続けたいと思えるものに出会ってなかっただけなんだ、と妙に安心した。

 

もうちょっと正確に言うと、書く行為だけは長続きするという事実に、気づいていないだけだった。

小学生の頃から異常にノートをとるのが好きだったし、高校生の頃から日記もつけていた。

就活の時も、1ヶ月でCampusのノート5冊を使い切るほどとにかく何でも書いていた。社会人になってからもメモを取る癖や、ぐちゃぐちゃな思考をぶちまけただけのノートであっても、先輩からよく褒められていた。

自分としては物心ついた時から当たり前のようにしていた行為だから、あまり気にも留めていなかった。むしろみんなそんなもんだと思っていた。

 

「大島さん、それは違います。書くのは大島さんの強みなんですよ。強みを仕事に生かしなさい。」

 

お世辞だとしてもいい。そんな風に先輩に自分の強みを見出してもらったことを、ものすごく感謝している。

 

そこからだろうか。継続に対して、前よりも素直に向き合えるようになった。

 

 

 

1985年生まれ 東京都出身

経営コンサルティング会社へ新卒で入社。その後シンガポールの現地法人へ転職し採用業務に携わる。日本人の海外就職斡旋や、アジアの若者の日本就職支援に携わったのちフリーランスとして独立。現在は開発コンサルタントとして国際開発援助やソーシャルビジネス支援に従事。