今でこそ年間100冊以上本を読むが、社会人になるまで本を読む習慣はなかった。学生の頃は多くても年に10冊程度。それも大学の授業で課される課題図書。自分からすすんで本を買って読んだ記憶はあまりない。
そんな私が、社会人になってたった1年で、年間100冊以上読むようになった。この習慣は社会人9年生になった今でも続いており、1週間に1~2冊のペースで本を読み続けている。
年間読書量たった10冊の人間、いかに100冊を超える読書習慣を身につけたのか。そのポイントは以下の4つだ。
- 読書目標を1カ月ごとに設定する
- 本屋に行く回数を増やす
- ルールに縛られない
- 自分の課題に紐づけて読む
読書目標を1カ月ごとに設定する
私が入社した経営コンサルティング会社では、月に10冊以上本を読むというノルマがあった。しかも読んだ本のタイトルとそこから何を学んだか、週報に書かなければいけなかった。
それまで本を読む習慣がなかった人間にいきなり月10冊の目標は高い。しかも毎月だ。
正直とても辛かったが、何しろ毎週週報に書いて報告しなければいけない仕組みだったので、強制的に本を読むはめに。
1冊でも目標数に届いていないと、上司から赤字でコメントが入る。まるで小学校の先生とのやりとりのようだが、結果としてこれで読書の習慣がついた。
もし「とにかく沢山本をよめるようになりたい」ということであれば、月10冊は妥当なゴール設定だと思う。
とはいえ人によって「沢山」の感覚は異なるだろうから、最初は月5冊でもいいと思う。月5冊を12カ月続ければ、年間で60冊の本を読み終えることになる。
ここでのポイントは、年間目標ではなく月間目標に落とし込むことだ。何なら週間でもいい。週1冊読めたか、読めなかったのか、週末に振り返ってみる。
読書でも日記でもダイエットでも何でもそうだが、目標を達成するコツは、大きな目標を達成するための小さなマイルストーンを設定することだ。
本屋に行く回数を増やす
「月10冊本を読むぞ!」と決めたのに、その目標を立てたことすら忘れてしまうことがある。
目標を達成するためには、その目標がなるべく目に入るような仕組みをつくるのが効果的だ。
とても簡単な方法は、本屋に行く回数を増やすこと。タイトル買いやジャケ買いでもいいので、読みたいと強く心惹かれた本はその場で購入するのも手だ。
実際、初めの内は期待を裏切られるような本を買ってしまうこともあるが、読む量が増えていけば、自然に良い本かどうか、判別がつくようになる。
図書館でも良い。とにかく本に触れる機会を増やすことが大切だ。
ルールに縛られない
巷に読書術は溢れている。もれなくこの記事自体も、読書術である。
だからこんなことを言ったら身も蓋もないが、そんな読書術は無視してしまって構わない。
「線を引いたらダメですか?」「飛ばし読みはダメですか?」と、本の読み方を気にする人がいる。
ルールに縛られて読めなくなってしまったら本末転倒。だから、 どんな本をどんな風に読むかは、自分で勝手に決めていい。
ちなみに私がコンサルタントとして働いていた時は、ビジネス本しか冊数にカウントしてはいけなかった。しかしこれは明らかに偏った考え方である。
世の中には小説や漫画など、ビジネス本以外にも素晴らしい本がたくさんある。小説なんかは、ビジネス本以上に真実を鋭く切り取っていたりする。最初はとにかく自分が読みたい本を読むのが大切だと思う。
その時の自分の課題に紐付けて読む
どんな本を読んだらよいかわからない、という人がいる。
本を読む目的にもよるが、もし何かの知識を吸収するのが目標であれば、その時の自分の課題に紐づいた本を読むことをお勧めする。
例えば営業で成果が出ていないなら、マーケティングやテレアポ、傾聴力や話し方に関する本を読む。成果が出ない理由が営業力ではなく、時間の遣い方ならタイムマネジメントの本を読む。
悩みが切実なほど、吸収率は高い。あっという間に読破してしまうだろう。
まとめ
読書に限らず何かを習慣化したければ、まずは無理のない範囲で毎日続けることが大切だ。
いきなり100冊を目指すのではなく、まずは週1冊を目指す。週1冊が習慣化してきたら、2冊に増やしてみる。
読むのが億劫になるような難しい本ではなく、気軽に、興味のある本から手に取ってみる。
多読の道も、初めの一冊から。ルールに縛られず、本がもたらす楽しみをただ純粋に楽しんでもらえたらと思う。