こんにちは、Ringo です。
今日は英語が全く話せなかった純ジャパの私がどんな風に英語が話せるようになったかについて書きたいと思います。
留学から帰国後2005年頃の TOEFL iBT のスピーキングスコアは 24でした。それから約15年経った現在のスピーキング力は IELTS で8.0(TOEFL換算だと26-27)を保っています。
あくまで独学でしたが、振り返ってみると意外に理にかなった方法で喋れるようになった気がするので、参考にしていただければ幸いです。
英会話力ゼロからのスタート
今では日常でも仕事でもほとんど不自由なく英語を話せるレベルですが、留学するまでは普通に日本で生まれて日本で育ったので、英会話力ほぼゼロからのスタートでした。
典型的な日本人のように、文法やリーディングは得意だけどしゃべるのは苦手。学校の授業で外国人の先生と話す時以外、英語をしゃべる機会は皆無でした。
中2の頃に家族で行った海外旅行では、緊張と恥ずかしさから機内食の「チキン プリーズ」しか喋れなかったのを覚えています。
まずは挨拶から始めるしかない
留学してすぐの頃
そんな状態ですから、留学してすぐの頃はとにかく「挨拶を返す」のが精いっぱい。
死ぬほど聞かれる “How are you?” に対して、最初は “I’m fine, thank you. And you?” と教科書で習ったまんまの回答を言うだけ。
しかし、滞在して1週間くらい経った頃
と気づきます。大体みんな “I’m good.” とか “Good.”と答えている。
さらには、
ということにも気づきます。
「How is it going? って聞かれたら、fine でいいのかな?みんなは何て答えているんだろう?」「What’s up? なんて聞いたことない。絶対「何が上?」って意味じゃないことだけは分かるぞ…でもなんて答えたらいいんだろう。」
こんな疑問が生まれ、まわりのネイティブがどんな風に答えているかを観察し始めました。それまではどう答えていいのかわからないので、ただ笑顔を返してテキトーにごまかしていましたが、
こんな風にして、一日の中で最も頻度の高い挨拶から徐々にレパートリーが増えていきました。さすがに挨拶くらいできないと、会話を始めることすらできないですからね。
ちなみに “What’s up?” という超ネイティブっぽいフレーズを初めて知ったときは、調子に乗って What’s up? を使いまくる日々。
でも実は What’s up?って、私のような地味な日本人の女の子が使うと超不自然。周りからは「この子、見た目と言葉が全然合ってないなー」と思われていたと思います。
そんな風に恥ずかしい思いをすることもありましたが、言葉は間違いを恐れていたら習得できません!間違いを恐れずどんどん話していきましょう。
挨拶の次に最もきかれる質問
次に最も聞かれる頻度が高かったのが “How was your day? “
学校から帰るとホストファーザーに狂ったように聞かれるので、「そんなに毎日話すことなんてないわー!」と内心逆ギレしてた時期もありました。
もちろん彼は私の日々の出来事を詳細に知りたいというわけではなく、この “How was your day? “はコミュニケーションの一言目なんですよね。日本語に直せば「おかえりー」とか、「お疲れさまー」に近いかもしれません。
適当に “Good, how was yours?(うん、まぁまぁ。あなたは?)”と切り返せばいいのに、そんなことを知らない当時の私は、毎日必死でその日の出来事を話す練習をしていました。
前日の夜、まだ到来してもいない明日の出来事をでっちあげ、日記に書いた和英作文を暗記する。それを鏡の中の自分に向かって、ブツブツ練習するのです。
でもこの毎日の “How was your day?” 責めのおかげで「今日は友達とランチに行った」とか、「英語の授業が難しかった」とか、一日の出来事の説明力はみるみる上達したと思います。
最初の3カ月で最も話したトピックは「自分」と「日本」
留学して最初の3カ月は、本当に辛い3カ月でした。何より友達を作るのがこんなに難しいとは知らなかった。
友達を作るためには「面白いやつ」と思われる必要がある。特に変わった特技など無かった私は、やっぱり会話力を上げて友達と話せるようになりたいと強く思いました。
そこで挨拶以外のネタを仕込むことに。ずばり「自分の身の周りのこと」と「日本文化」。ものすごくありきたりのテーマです。
一通り自分の生まれ育った街や、趣味、特技などが話せるように練習しました。日本文化は、日本のファッションやアニメについて聞かれることが多かったです。
たまに「日本はなんでそんなに cool なものを作れるんだ?」とか、「アメリカと日本の文化で違うところってなに?」とか、とんでもなく難しい質問を投げかけられることも。そんな抽象度の高い質問はもちろん即答できないので、質問を持ち帰っては一人夜な夜な自主練に励んでいました。
聞かれる頻度の高い順から話せるようになる
こう振り返ってみると、私が英語が話せるようになるために取り組んでいたことは次の2つに要約できます。すなわち、
- 出くわす頻度の高いテーマから始める
- 質問に対する回答を事前に作文し、暗記して練習する
むしろそれ以外の特別な取り組みは何もありません。これを繰り返す内に、自然と話せるようになっていったのです。
あえてポイントを上げるなら、単純な作業ではありますが、ものすごい回数をこなしたということ。
最初の How are you? だけで言えば、一日10回くらい実践の機会があります。一日の出来事にしても、ホストファーザー、ホストマザー、ホストシスター、友達一人に話して計4回。これを毎日繰り返すのです。
スピーキングの試験勉強で話す力は上がるのか?
これまで何十冊と英語の勉強本・資格対策本を読んできましたが、スピーキングに関して英語の猛者たちは、一貫して同じことを言っています。それはつまり
大量にアウトプットを繰り返す
いきなり話せないなら事前に準備する必要がある。そして準備した文章が滑らかに口をついて出るくらい声に出して練習しろ、ということです。
まさに私が夜な夜な鏡の前で行っていた作業です。
例えば IELTS のスピーキングでは、Part1で自分や身の回りのこと、Part2である出来事や現象、ある人などについての具体的描写、Part3で抽象度の高いテーマについて話すことを求められます。
これらは全て、わたしが最初の3カ月でぶち当たってきたトピックとまるかぶりしています。
ということは、IELTSのスピーキング対策は英会話力ゼロの人が留学先で会話力を磨くステップとほぼ同じと言えるのではないでしょうか。
TOEFL のスピーキングも同様です。(一部リスニングとリーディングを統合して要約するというスーパー難易度の高い問題もありますが、)最初の質問では自分の身近なテーマについて聞かれます。
つまりIELTS や TOEFL のスピーキング用に「試験対策」することは、英会話力を愚直に伸ばすことに直結しているのです。
スピーキングで最も大切なこと
日本にいながらスピーキング力を伸ばしていくのは至難のわざだと思います。
例えオンライン英会話でネイティブと話す機会を増やしても、全然聞き取れないし、話せないし、向上している気が全くしない。やる気は落ち、代わりに焦りと不安がつのっていくだけ、という方もいると思います。
でも大丈夫。みんな同じ気持ちでいます。
「英語がペラペラしゃべれてすごいな~」と見える人も、最初は同じような挫折と絶望を感じていたはず。
それでも諦めずに挨拶のような基本的なところから始め、自分の言いたいことを英作文して暗記して、練習して、実際に話してみて、思ったようにはうまく話せなくて、また練習して、また誰かに話してみて…を繰り返して徐々に話せるようになるのです。
そうしている内に話せるトピックがだんだん増えてきて、相手とのキャッチボールの回数も増えてくる。「あれも話したい、これも話したい」という気持ちが膨らんで、話すこと自体が楽しくなってくる。
私は、この「誰かに何かを伝えたい」という強い動機と、「話すことが楽しい」と思う気持ちがスピーキングで最も大切なことだと思います。
最悪話すことが楽しいと思えなくても、いざ留学が始まれば、強制的に話さざるを得ない環境になります。