今回の記事は「知らないあなたは損しているかもしれない!? IELTS のスピーキング採点基準」について解説していきたいと思います 。
この記事を読んでいる方の中には、
- 何回IELTSのテストを受けてもスピーキングのスコアが伸びない
- IELTS のスピーキング対策をしたいけど、何から手をつけたらいいかわからない
と悩んでる方も多いと思います。
結論からお伝えすると、IELTS のスピーキングのスコアを伸ばすたった一つのポイントは、 IELTS が公表している採点基準をちゃんと意識して話す、です。
この採点基準を意識せず闇雲に喋ったところで、IELTS のスピーキングのスコアはなかなか伸びません。
この記事をお読みいただくと、
- IELTS のスピーキングの採点基準にどんなものがあるのか
- 自分がなぜ スコアが伸び悩むのか
- 具体的にどんなことをしていけば 点数が伸びていくのか
ということをイメージできると思います。
IELTSの採点基準 Band Descriptors

出典 https://assets.cambridgeenglish.org/webinars/ielts-speaking-band-descriptors.pdf
こちらが IELTS の採点基準表で、Band Descriptors と呼ばれるものです。
評価基準は全部で4つ。
- Fluency and Coherence(流暢さと一貫性)
- Lexical Resource(語彙力)
- Grammatical Range and Accuracy(文法の幅と正確さ)
- Pronounciation(発音)
縦軸が バンドスコアになっていて、1~9まであります。各バンドスコアに「これぐらいできるとこれぐらいの点数が取れますよ」という目安が具体的に書かれています。
特に英会話に自信がある方、留学経験者、帰国子女の方がこの罠に陥りやすいです。
「試験で結構しゃべれたな」と自信があったけれども、蓋を開けてみるとスピーキングのスコアが全然伸びてない、という現象はこのような理由から起きます。
それでは一つずつ解説してきます。この記事では 4.0~6.0までの3つの幅を見ていきます。
Fluency and Coherence(流暢さと一貫性)

一つ目の基準が Fluency and Coherence(流暢さと一貫性)です。
図2の左側は各バンドごとの目安(英語の原文)です。右側の日本語は私なりにポイントを交えた解説・超訳になります(※翻訳ではありません)。
- Band 6.0 :繰り返しや言い直し、ためらいが時々あるが、十分な量と詳細を持って話すことができる
- Baned 5.0 :通常は 会話の流れを保つことができるが繰り返しは 言い直しがあり 話し続けようとするとスピードが落ちる。
- Band 4.0 :途切れや沈黙なしに会話を続けることができず、頻繁な繰り返しや言い直しがある。スピードも遅い。
Band 4.0 まで下がると沈黙が発生するということです。
つまり 4.0~6.0 の違いは何かというと、
- 十分な量を話せているか
- 自然なスピードか
- 沈黙がないか
スピードは話す物理的なスピードと、面接官から質問されてパッと答えられる反応速度も含みます。
両方のスピードが全体的に遅かったり、沈黙が長く続いてしまうと Band 4.0 まで下がってしまうということです。
また Coherence(一貫性)の方は次の点が見られています。
- 幅広い接続詞が使えているか
- ディスコースマーカー(論理を示す道標語)が使えているか
接続詞は文と文をつなげる時に使う when や if , becauseなどです。ディスコスマーカーは、論理を示す道標語で、接続し同様文と文をつなぐための単語や語句になります。
特定の接続詞やディスコースマーカーを使いすぎてしまったり、難しいことを言おうとすると流暢さが落ちてしまうとBand 5.0 になります。
Band 4.0になると、接続詞が簡単なもの(and, but, or, soなど)ばかりしか使えない状況です。
どんなに ペラペラ大量にしゃべっても、全ての文と文が and や so といった簡単な接続詞で繋がれていたり、毎回同じ言い回しのパターンを使っているとスコアが下がってしまうということです。
そして最後にこれがとても重要ですが、大きな声ではっきり話しましょう!
大事なのはペラペラ話せる印象を与えること。IELTS のスピーキングはわざわざ対面で行います。面接官も人間ですので、「ペラペラ話せます!自信あります!」という印象を与えるのもとても大事だと思います。
Lexical Resource(語彙力)

続いて二つ目は Lexical Resource(語彙力)です。
- Band 6.0 :テーマについて十分話すだけの幅広い語彙がある。おおむね正しく言い換えられる。
- Band 5.0 :身近なテーマとそうでないテーマについて話せるが、語彙は限られている。言い換えようとするが時々ミスがある。
- Band 4.0 :身近なテーマについては話せるが、そうでないテーマでは基本的な意味しか伝えられず、言葉の選択もほとんど間違ってしまう。言い換えはほとんどない。
語彙力のポイントは深さよりも広さです。
IELTSは パート1〜3まで全部を通して幅広いトピックが質問されます。どんなテーマが来てもある程度語れるような語彙力が必要です。
もし日本語で聞かれても困ってしまうようなトピックがきた時は、正直に 全て答えようとするのではなく、
「考えたことがありません(Well, I have never thought about it)。」
など、考えたことがないトピックに対しても答えられるような語彙力を磨いておきましょう。
また、パラフレーズを制すものは IELTS を制します。
IELTS はスピーキングに限らず全技能においてパラフレーズが超重要!
Grammatical Range and Accuracy(文法の幅と正確さ)

三つ目は Grammatical Range and Accuracy(文法の幅と正確さ)。
- Band 6.0:単文と複文を混ぜながら話すことができる。間違いはあるが理解に支障はない。
- Band 5.0:ある程度の正確さで基本的な構文は使えるが、複分構造を使おうとすると間違いが発生し理解に支障が出る。
- Band 4.0:単文を使って基本的なことは話せるが複文は滅多にない。間違いが多く 誤解を与えてしまう可能性がある。
単文や複文というキーワードが出てきますが、単文は一文に主語・述語が1組のものを言います。
複文は主語・述語が2組以上あり、かつ従属接続詞や関係代名詞などで結ばれた文を指します。
文法のポイントは、正確さを気にしすぎないこと。
多少ミスをしてもOKです。それよりも Fluency (止まらない、言い直さない)が大事です。
文法の項目はライティングの採点基準にもありますので、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事もぜひご一読ください。
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Pronounciation(発音)

四つ目は Pronunciation(発音)です。
- Band 6.0:幅広い発音の特性(強調、かたまり、リズム、抑揚、リンキングなど)を使える。多少の間違いはあるがおおむね理解することができる。
- Band 5.0:Band 4.0の項目を全てクリアし、Band 6.0のプラスの項目もいくつか 備えている。
- Band 4.0:発音の特性は限定的。発音の間違い(母国語の影響、リズム、子音の使い方、イントネーションなど)が多く、聞き取りが困難な時もある。
括弧でくくった部分は私が勝手に書き足しました。
そもそも発音はどんな点が見られているかというと、日本語の影響が少なく英語らしく聞こえているか。
英語らしさとは、強調、かたまり、リズム、抑揚、リンキングなど英語独特の発音の特徴を抑えているということです。
まとめ

上記に IELTS スピーキング評価基準の各ポイントをまとめておきました。
Band descriptors を知ってテストを受けるのと知らないので受けるのでは、スコアが全く変わってきます。 ぜひ日頃からこれらのポイントを意識して練習してくださいね!