今回はIELTS のライティング Task1棒グラフ(bar graph)について、グラフの見方や必須語彙、表現について紹介いたします。
前回までの記事で、IELTS Task1の学習計画、円グラフ、折れ線グラフについてポイントを解説してきました。
棒グラフは折れ線グラフと似ている点がたくさんあるので、正直新しいポイントは2~3個しかありません。グラフの見るべき箇所が多少違うだけで、分析の仕方は基本的に折れ線グラフと一緒です。
一方、円グラフや折れ線グラフの記事では書ききれなかったイントロダクションの書き方やパラフレーズのコツなどがあります。本日はそちらを紹介したいと思います。
- IELTS ライティング Task 1 のグラフ分析が苦手な方
- イントロダクションがうまく書けない方
- 棒グラフに使える表現を知りたい方
上のどれかに当てはまる方は、本記事を参考に練習してみてくださいね。
棒グラフの見方と分析の仕方
棒グラフの見るべきポイントは5つ
棒グラフの見るべきポイントは全部で5つあります。
1. | グラフのタイトル |
2. | 縦軸と横軸 |
3. | 各棒グラフの一番高い/低いところ |
4. |
棒(Bar)間の差異が大きい/小さい項目 |
5. |
総数(量)が一番多い/少ないところ |
棒グラフは折れ線グラフと似ています。見るべき場所は多少変わりますが、注目すべきポイントは基本的に変わりません。
棒グラフのタイトルと軸
まずは問題文と一緒にグラフのタイトルをしっかり確認しましょう。見落としている人が多いですが、イントロダクションを書く際に使えるネタ(単語)が転がっていることが多いです。
今回であれば “Sales Volumes (in units)” (売り上げ規模)です。”in units” とは「単位は個数」という意味です。細かいですが、単位までしっかり確認する癖をつけましょう。
つづいて縦軸と横軸を見ます。縦軸は売上の単位、横軸には「水着、サングラス、ジャンパー、ジーンズ、コート」と、項目が5個並べられています。
棒グラフの一番高い/低いところ
次に棒グラフの一番高いところと低いところに〇印を付けます。
今回は青い棒グラフが summer、オレンジ色の棒グラフが winter の売上個数です。一番高いところ=一番売れているということですね。
Winter: High -> coats / Low -> swimwear
〇印だけでなく、こんな風にメモを取っておくと、実際に書く時に助かります。
棒グラフ同士の差異が大きい/小さい
次に棒グラフ間の差異が大きいところと小さいところを見ていきます。
例題では水着とコートの差が大きく、ジャンパーとジーンズの差が小さいですね。
当たり前と言っては当たり前ですが、夏に売れるものと冬に売れるものは差が大きいけど、ジャンパーやジーンズのような商品は季節を問わず売れているということが分かります。
こんな風に分析することも出来るのですが、IELTS Task 1 では、このような分析や意見は不要です。なんでかよく分からないのですが、とにかく書いちゃいけないらしいんです。
総数(量)が一番多い/少ない
最後に全体としての特徴を探していきます。そのためには総数(量)に着目すると良いです。
例題では、夏と冬を合計して Jeans の売上数が一番多いですね。逆に一番小さいのはジャンパーで220個、次いでサングラスで 225 個となります。この場合、ジャンパーとサングラスの間にはあまり差がないので、今回は目立って総数が大きいものだけに注目します。
なぜかといういと、Task1の overall では主要な情報だけピックアップすることが求められるんでしたよね。つまりあれこれ盛りすぎではダメなのです。
何を書いて何を書かないのか。要らない情報は切り捨てる覚悟も大切です。
棒グラフのイントロダクションの書き方
棒グラフの分析が終わったら、イントロダクションに移りましょう。
イントロダクションでは、その図が何を表しているか、端的に述べるんでしたね。いってしまえば「問題文」の書き換えです。
例題では
The graph below gives information about the seasonal sales volume for five categories at a certain UK shop in 2018.
とあります。主に書き換えた方が良いのは赤く太字にした部分。次のようにパラフレーズすることができます。
元の単語 |
パラフレーズ例 |
gives information |
show, compare, illustrate, indicate など |
five categories |
different types of items five items: swimwear, sunglasses, jumpers, jeans, and coats (5つの項目を全部書き出す) |
Seasonal | by season, in the different seasons, in summer and winter, depending on the season など |
Sales Volumes | the volume of sales, how many units, how often people buy, how many items are sold など |
一番単純なパラフレーズのやり方は、名詞や動詞を同じ品詞の類語に置き換えること。例えば category → item に、give information → provide data などです。
次に可能であれば、形容詞を副詞に置き換えたり(seasonal → by season)、数量を how much, how many など how を使って書き換えるよう練習してみてください。
この方法は比較的簡単なうえに、語数が稼げるのでお勧め。とはいえ、how を使った文章は間接疑問文など文法の正しい理解が必要です。
棒グラフの Overall で書くこと
棒グラフの overall で書く内容は、グラフの見方の3~5番に当たるところです。繰り返しですが、overall は主要な特徴だけを選びとり、細かい数字は入れません。
例題で具体的にみると、
- 夏は水着が一番売れて、コートが一番売れていない。一方冬はその真逆である。
- 売上数の差異が小さいのはジーンズとジャンパーである。
- 年間を通して最も売れているのはジーンズである。
これらの内、最低2点について触れられていれば十分です。
もっとシンプルにも書けるのですが、あえてややこしく書いてみました。2文で51語になっていますが、それだと少し長いと思います。主要な情報を2つに絞り、文章自体はもっと短くても大丈夫です。
IELTS は英語能力を測る試験なので、積極的なパラフレーズやレベルの高い語彙・表現が使えることは、じゃんじゃんアピールしておきましょう。
ボディパラグラフの必須語彙や表現
最後に詳細について記すボディパラグラフの表現を見ていきます。
具体的な数値の書き方はすでに、円グラフや折れ線グラフの時に基本フレーズを紹介しているので、今日は棒グラフに出てきやすい表現とすぐにちょい足し出来る副詞をご紹介します。
range from A to B / within a range between A and B
「AからBまでの幅がある」「AからBまでの範囲内で」という意味です。棒グラフでは変化の幅を表すことがよくあります。「幅がある」という動詞としても、「~な幅で」という名詞としても使えます。
例:”The age group ranged from elementary school to university students.” (年齢別グループは小学生から大学生にまたがっていた)
on a scale of A to B
「AからBの段階で」という意味です。こちらも幅を表す表現で、scale という単語を使っています。
例: “X graded each country on a scale of 1 to 10.” (Xは各国を10 段階で評価した)
between the ages of A to B / ages A to B
年齢を表す時の表現です。棒グラフでは、項目に「10~20歳」のように書かれているときがあります。この「10~20歳」を、ひとまとまりの名詞としてどう書いていいのか悩んでいる人も多いと思います。筆者もそうでした。
サンプルアンサーには ” ages 10 -20″ と書かれていることが多く、他の英文でも自然に使われているみたいです。心配な人は “the ages of 10-20” と書いた方が安心でしょう。
いきなり “10 – 20” と数字だけ書かないように注意してください。
about / approximately / roughly / nearly
「大体~」「おおよそ~」で、数値がハッキリとわからないときに使います。
例題のように縦軸に目盛りはあるけれどハッキリとした数がわからないときは、ぜひ使ってください。
slightly above / just over / just under
同じくハッキリとした数はわからず、「ちょっとだけ~より上(下)」と言いたい場合は、このような表現が使えます。
例:”The rate for America was just under 10%.”
組み合わせ問題にも取り組む
円グラフ、折れ線グラフ、棒グラフは似ている部分がたくさんあります。図表の形は違えど、分析方法や表現はほぼ同じです。
まずは各グラフの書き方をマスターして、慣れてきたら組み合わせ(combination)問題にも挑戦してみてくださいね。
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