スピーキングの点数アップを妨げる“英語以前”の問題と改善策について

IELTS に限らず 、TOEFL、英検、TOEICなど、どの試験を受けるにしろスピーキングのスコアが上がりにくい方にはある共通点があります。

それは英語以前の話し方心構えの問題です。

「流暢に話そう」とか「ネイティブが使う表現を取り入れよう」といったことを意識するずっと前の段階で「英語力の前に見直すべき点がたくさんあるよ!」という生徒さんが少なくありません。

そこで今日は、スピーキング・スコアが上がりにくい人に共通する英語力以前の問題についてお話し、簡単な改善策も併せてお伝えしたいと思います。

 
Ringo
スピーキングに苦手意識のある方は、自分に当てはまる項目がないかぜひ確認してみてくださいね。

英語以前に見直すべき項目7つ

さっそく結論から言うと、これまで見てきた生徒さんに共通する英語以前の問題点は以下の7つです。

  1. 声が小さい
  2. イヤイヤしゃべっている
  3. 焦ってしゃべろうとする
  4. インプットが少ない
  5. 目が中心の勉強
  6. 日本語でも意見を言うのが苦手
  7. ネイティブらしさにこだわる

どうでしょうか。当てはまる点はありましたでしょうか。

1~2は話し方の問題、4~5は勉強の仕方、6~7は心構えについてです。早速一つ一つの項目について解説していきたいと思います。

話し方の問題

1.声が小さい

英語力以前の問題ランキングだんとつトップが声の小ささです。

英語だろうと日本語だろうと、面接という場において声が小さいのは致命的。単純に声が小さいと、何を言っているか聞き取れないですもんね。せっかく良いことを言っていても面接官が物理的に聞き取れなければスコアも上がりません。

また声が小さいことのデメリットはもう一つあります。

声が小さいと英語らしい発音にならず、発音の評価点が下がってしまうのです。日本語は口先だけ動かせば発音できる言語ですが、英語は息の出し方や発声の仕方が異なります。しっかり口を動かしたり、腹式呼吸、胸式呼吸を組み合わせたりしないといけません。すると必然的に声量は大きくなるはずです。

こんな単純な話ですが、自分の声が小さいと気づいていない人が意外に多くいます。声の大きさをチェックするには、誰かに指摘してもらうのが一番早い。

もし周りに英語の得意な友達がいれば頼んでみる。その時は内容云々ではなく、声の大きさのみを判断してもらいましょう。友達に頼むのが恥ずかしければオンライン英会話の無料体験などで確認してもらうのも良いと思います。

周りの人にお願いして、まずは自分の声量をチェックしよう。

2.イヤイヤしゃべる

ぼそぼそしゃべっていると「あれ?この人は私とコミュニケーション取りたくないのかな?」というネガティブな印象を面接官に与えてしまいます。

実際わたしの生徒さんで、目を合わせず嫌そうに話している方がいらっしゃいました。理由をきいたところ「スピーキングが嫌いすぎて話したくないんです」という答えでした。

「英語に自信がなくてついぼそぼそ話してしまう」、「英語を話すのは好きじゃないけど仕方なく試験を受けている」など、人によって理由は様々。しかしそうした消極的な心の内は、表面にも現れてしまうんですね。

IELTSの評価基準に明確な記載はありませんが、” attitude(話す姿勢)” は確実に見られています(英検の面接では評価基準に謳っています)。どれくらいスコアに響くかは断言できませんが、イヤイヤしゃべるのが良い印象を与えないことだけは確かです。面接官も人間ですから。

自信がない方はとにかく練習を繰り返す。実際に声を大きくするには腹式呼吸を練習したり、口をいつもより少し大きく開けるだけで変わってきます。

話すのが好きじゃない方は、「IELTSのスピーキングはたった20分で終わる!」「試験の間だけ俳優になって、完璧な外国人を演じてやる!」などと割り切っていきましょう。

attitude”は見られている。背筋を伸ばして口を大きく開けて話そう。相手の目を見るのが苦手なら、相手の眉間を見つめよう。

3.焦ってしゃべろうとする

これはある程度英会話に自信がある人に多い特徴です。ペラペラしゃべれると思われたいがゆえに、話すスピードが速くなる。ナチュラルな速さなら良いのですが、スピードを意識するあまり焦って話しているように見えてしまうのです。

私も昔はそうでした。速くしゃべれたらカッコイイなという安易な理由から、とにかく弾丸でしゃべり続けることを意識していた時期があります。

話している内容自体は大したことなく、ボキャブラリーのレベルも低い。なんだかませた小学生が大人を真似しているような話し方だったと思います。当然そんな話し方ではスコアは上がりません。

速く話そうとして逆に詰まってしまうとマイナス評価。慣れれば fluency は自然と付いていきます。焦らず落ち着いて質問に答えることを優先しましょう。

Fluency =速くしゃべることではない。自然なスピードで話すほうが堂々と見える。

勉強の仕方の問題

4.インプットが少ない

次に勉強法についてです。

「英語が話せない」と悩む方に「そもそもリーディングやリスニングの絶対量は足りていますか?単語や文法はバッチリですか?」と聞くと「うっ…」と口ごもってしまう方がいます。

スピーキングはアウトプットですので、そもそものインプット量が足りなければそれ以上のものは出てきません。

またスピーキングは暗記試験ではありません。予想もしていなかった質問に対し、その場で自分の意見を組み立てる力が求められます。英会話本に載っているフレーズ集を丸暗記したから話せるようになる、という問題ではないのです。

そもそも材料がなければ話せない。日ごろからアウトプットを意識したインプットを行おう。

5.目が中心の勉強法

ではそのインプットですが、皆さんは普段どのようにインプットしていますか?

英語を学ぶ際のインプット方法は、大きく「読む」と「聴く」の二つに分かれます。普段あまり意識することはないと思いますが、自分はどちらの方法がより better に学ぶのか、知っておくのはとても重要です。勉強の効果に大きな影響を与えます。

一般的に日本人は「読む」、つまり目から学ぶ人の方が多いですね。「英文を読めば(見れば)わかるけれど聴くだけではわからない」という方は目に頼っている可能性が高いです。

一方日本語の会話を思い出してみれば、耳から情報を得る機会のほうが多いはず。リスニングとスピーキングはセットです。勉強時間の中で、英語を聴く時間を是非増やしてみてください。

目に頼らずに、耳の力だけで英語を理解する時間を増やそう。

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心構えの問題

 
Ringo
最後に一番直すのが難しい心構えのお話です。

6.日本語でも意見を言うのが苦手

日本語でも意見を言うのが苦手という人が多いです。でもこれ、普通だと思います。

自己紹介とか身の回りのことをペラペラ話す機会って普段ないですもんね。就職活動の面接さえ赤本が用意される時代です。日本語でも自分の意見を伝えるって難しいことだから仕方ないと思います。

だからこそ日頃の心掛けが重要。

ただぼーっと生きていては、いざ意見を求められたときに何も考えが思い浮かばない!という状況に陥ってしまいます。

積極的に本を読んでみる、世の中を観察してみる、誰かと議論をしてみる、日記を付けてみる。今日からでもやれることは沢山あります。

じっくり考えるのはエネルギーが要るから、面倒くさいと逃げてしまいたくなる気持ちはわかります。

大切なのはふと思い浮かんだ疑問考えるきっかけを見過ごさないこと。世界情勢や経済問題など大きく構える必要はなく、身近な疑問で大丈夫。簡単な話題だからといって考えること自体が簡単とは限らないです。

自分にインタビューをするような気持ちで、日ごろから身近な話題について考えてみよう。

7.ネイティブらしさにこだわる

一番厄介なこだわりがコレ。

英語がまだ初級レベルの方は、表現が自然かどうか、ネイティブっぽい言い回しかどうかなんて気にしないでください。こんなのは中~上級者が悩むレベルです。

逆に初心者の段階でネイティブらしさや自然さにこだわってしまうと、英語の基礎が固まりません。

“It’s a piece of cake.”「そんなの簡単だよ」という口語表現を一つ覚えるよりも、 “It is easy to do~”「~するのは簡単です」という構文を覚える方がはるかに重要。 easy を他の形容詞に、do を別の動詞に置き換えれば何千通りもの文章が作れるからです。

表現は暗記。暗記は容量が限られているから、覚えているものしか発することが出来ない。一方文法は理解。応用が利きます。文法の基礎が固まっていれば、多少不自然でも言いたいことしっかり組み立てることが出来るでしょう。

初心者は「ネイティブらしさ」への憧れを捨てる。表現の丸暗記よりも文法の理解を優先しましょう。

まとめ

スピーキングに苦手意識を持つ人は沢山います。

苦手分野に立ち向かうのは難しいしストレスも溜まる。でもその先に待望の留学が待っていること、そして留学の先にはあらゆる可能性が広がっていることをぜひ思い出してください。

苦手なことに立ち向かったという事実だけでも、自信につながると思います。

 
Ringo
これからも一緒に英語の勉強頑張っていきましょう。
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