2020年 コロナウィルス大流行時のイギリス大学院留学の実情と満足度

こんにちは。まじめです。

2020年7月にようやくIELTSのスコアが overall 6.5に達し、ギリギリでイギリス大学院留学に滑り込こむことができました。これからは、現地で感じることを少しずつ書いていきたいと思います。

今回のテーマは、世界的にコロナウィルスが大流行している中での留学の実情と満足度は?です。

  • コロナ禍での留学の費用対効果を知りたい
  • コロナ禍での大学の授業形態や内容を知りたい
  • イギリスの具体的な生活状況がわからない

2021年以降に留学を予定されている方で、今のタイミングで本当に留学すべきか迷っている方にに少しでもお役に立てれば幸いです。

留学の目的を明らかにする

みなさんが留学をされる動機や目的は何でしょうか。

私が留学する前に考えていたのは、次の5つです。

  1. 興味のある分野の勉強がしたい
  2. 英語力を上げたい
  3. 異文化の中で生活し、現地の人々のことを知りたい
  4. イギリスを拠点として欧州旅行したい
  5. 興味のある分野が似ている外国人との横のつながりを作りたい

今日はこの5点について私が満足しているかどうかを基準に、費用対効果を考えていきたいと思います。

 
まじめ
あくまでも私の基準で、かつ大学によっても満足度は変わることはご考慮お願いします。

大学の授業状況と現在の住まい

私の専攻は Tourism です。通っている大学は完全なビジネス寄りではなく、サステナビリティーや気候変動といった環境学も学び「持続可能な観光」が一つのキーワードになっています。

前期(9月〜12月)は完全なオンライン授業でした。図書館も使えず、文献を探すのは全てオンライン。後期(1月〜5月)も少なくとも始まってからの2週間はオンラインが確定。

2021年1月現時点でのイギリスの状況から考えると、対面授業は今後も期待できないのではないかと考えています。

キャンパスは小さな田舎町にあるため日本人に会うことはなく、ロンドンのような大きな町とは日本人ネットワークが全然違います。7人が住める大学院生専用の学生寮ですが、前期は私含めて2名、後期は3名という非常に規模の小さいコミュニティーで生活しています。

ちなみにこれまで海外で生活した経験はフィリピンの1ヶ月語学留学と、カナダの1ヶ月ホームステイしかありません。日本では転勤族だったので、新しい土地に住むのは慣れている方だと思います。

1.興味のある分野の勉強ができているか

オンライン授業のメリット (Zoom使用)

まずメリットの1つ目は、授業の録画が講義日以降に提供されるため、いつでも復習できることです。

録画授業では教授の話している顔の横に英文スクリプトが同時に出るため、これが非常にありがたい。私のような英語レベルだと、まず教授が言っている言葉は理解できませんから、復習の時にようやく意味が理解できるという事がよくあります。

2つ目は、通学がないため時間を有効に使えること

そして3つ目は、提携している大学の教授がゲストとして海外からレクチャーしてくれることです。イギリスにいながら様々な国の授業を受けられるのはオンラインならではの良さだと思います。

オンライン授業のデメリット

一方デメリットの1つ目は集中力を保つのが難しいことです。

学生側の集中力は、授業の質や教授がオンライン講義に慣れているかどうかに依存する部分もあります。例えば、インタラクティブで興味深い内容なのか、講義スライドがわかりやすいか、など。

スライド作りという慣れない作業を頑張ってやってくれている事は理解できるのですが、文字がびっしり敷き詰められており、それをひたすら2時間聞き続けるという地獄のような講義もあります。いつの間にか寝てしまっていました。

2つ目は、クラスメイトとの関係ができていないため、質問や意見が言いづらいという点です。オンライン授業の問題というより、学校に行く事ができない事が理由かもしれません。

クラスで発言するって相当勇気いりますよね?日本語でも勇気がいるのに、私のような英語力が低く引っ込み思案な学生は、この行動がとてつもなく緊張するんです。

しかし日々コミュニケーションする中である程度クラスメイトの性格や行動がわかってくれば、この緊張は徐々に緩和されていきます。

完全オンライン授業の場合、日々のコミュニケーションがないため、発言する時は永遠に緊張するという事がおきるのだと私は感じています。

また日本の大学でも経験あると思いますが、いくら授業のテーマが面白そうに見えても、実際に受けたら全然面白くなかったということはよくあります。これはオンライン、対面は関係ないため、結局受講してみないとわからずコントロールできないことだと思います。

オンラインでの文献探し

こちらで驚いた事の1つが、図書館にある蔵書の多くが電子書籍化されていること。文献は基本的にオンライン上で読む事ができます

とにかく机の前に座り電子機器と向き合う時間が増えるため、電子機器環境は整える方が良いと思います。

例えば、PCが壊れそう、スペックが低すぎるなら買い換えておく、目の疲れを軽減するためPC専用メガネを買う、目薬を多めに買っておく、肩凝り解消のストレッチ方法を身につけておくなどですね。

コロナ対策で大学の授業は流動的に変化する

政府のコロナ対策の方針に「学校の授業に関して」という項目があり、その方針によって留学状況はかなり左右されます。

私の場合、入学前に大学スタッフから「前期は完全オンライン、後期は対面で調整している」と言われました。しかし感染拡大の中、政府の方針に沿う形で後期もオンライン中心になりそうです。

入学前に大学側に確認すべきことは、オンライン授業か対面かという情報を聞き、それを聞いた上で自分の留学目的と照らし合わせ、進学する大学を判断するのが大切かもしれません。

2.コロナ禍の留学で英語力は上がるのか

英語の4技能のうち、読む・聞く・書く環境はコロナ禍であっても充実していると思います。一方話す機会は、置かれている環境によって変わります。

コロナ大流行の中では、英語を話す機会はほぼ授業内、学生寮内に限定されます。そのため、もしそこであまり話す機会がなければ、スピーキング力が向上しないばかりか低下します。

 
まじめ
私の場合、話す機会があまりない状況なので結果的にオンライン英会話を始めました…(せっかくイギリスに来ているのにほんと意味がわからないですよね)。

ただ、このような環境でも現地に来た意味はあります。それは英語力を伸ばさないと生活がずっと不自由なままという状況に置かれること

私は渡英3ヶ月でも、まだ現地の人の言葉が聞き取れません。電話を突然かけてこられても、何を言っているか全然わかりません。学生寮のメンテナンス業者が定期的に来るのですが、この人たちが言っている事も聞き取れません。もし業者を装って悪意のある人達が来ても私は判別できないと思います。

このように、現地にいるとコミュニケーションが取れないことによる不自由さをずっと味わい続けます。

この不自由さを早く解消して普通の生活がしたい!」と本気で思う状況があるからこそ、英語力向上に真剣に取り組むことになり、現地に実際に来ることの大きなメリットだと感じています。

3.現地の生活・人々のことを知ることはできるのか

イギリスの一部分は理解できていますが、人々のことは全く理解できていません。

イギリスに住むことで日本との違いを感じることはよくあります。例えば、家の作り方やサービスの違い、生活コストや物価の違い、または医療制度や国民性等。旅行ではなく住んでいるからこそ比較できる良い点と悪い点というのは、住んで良かったなーと感じる点です。

ただし、現地の人と交流できる機会がなく、イギリス人のことを理解できず、さらに日本の情報に簡単に触れることができるため、どこに住んでいるのかわからないという感覚に陥ることもしばしば。

今のままでは帰国後、「イギリス良かった?」と聞かれても「わからない」と回答することになると思っています。

4.欧州旅行はできるのか

これはコロナ感染者数が欧州全体として急増していることから実施できず、とても残念な点です。

イギリスの場合は感染状況を見て、地域毎にレベル (Tier1〜) を設定し、禁止することを決めていきます。美容室を例に取るとTier1〜Tier3なら営業可能、Tier4になると営業停止。

旅行についてもレベル毎に記載があり、現段階(20201年1月)のTier4は域外を出る旅行は禁止されています。もしイングランド地域に住んでいるなら、イングランドからスコットランド、ウェールズ、北アイルランド、そしてイギリス以外への旅行は禁止されているという意味です。

季節が春になったり、2020年中にワクチン接種が急速に進めば状況は変わるかもしれませんが、現時点では留学中の旅行は不可と考えた方が良いと思います。

そもそも「勉強が忙しくて留学中に旅行できるの?」と思う人もいるかもしれませんが、それは大丈夫。

大学によってはクリスマス休暇期間に課題を出すところもありますし、予習をしないと後期が大変なことになりそうですが、数日の旅行くらいはできる余裕があります。春にはイースター休暇もあるらしいので、旅行するとすればこの2つの休暇期間ではないかと思います。

5.興味が似ている外国人と横のつながりを作れるか

これは明らかに不満足な点。圧倒的に人と交流する機会が少ないからです。

興味が似ているというのはつまり、同じ分野に関心のあるクラスメイトになるのですが、まず学校に行く機会がないため交流できません。

イギリス名物のパブが開いていない、また開いていたとしても交流するのは感染リスクが上がってしまう。

現地の人々を知ることができないという、まさにこの環境下の一番の悩みです。

私のコースの必須科目には35名学生がいて、国籍は20を超えてるという非常に多様性の高いクラスでした。

しかし完全オンライン授業だったため、対面で会った事があるのはわずか1人という状況。なるべく多くの国の人達が集まる環境を求めて留学し、それは成功したと思ったのですが、コミュニケーション機会がこれほどないとは想定外でした。

環境はコントロールできない。留学の目的を自分と向き合い、考える事が必要

まとめると、

  • 授業や英語力を伸ばすモチベーションがうまれる環境には満足
  • 人との交流機会が少ないことで失っていることは多くある

環境のせいにするなという声があるかもしれません。しかしコロナ禍では自分がいかに努力してもコントロールできないことの方が多く、どうしても環境に従わざるを得ないというのが正直な感想です。

マスクをせず外出する人々、密になる状況を避けない人々、厳しい規制の後は反動で騒ぎまくる人々、抜けが多すぎる政府のコロナ対策、結局ワクチン頼み。自分は自粛しているのになぜ?というどうしてもやり場のない怒りを抱えてしまいます。

とはいえ、プラスの面があることも事実です。それは今まで先延ばししてた自分のやりたいことに多くの時間を使えるということ。

時間を気にせず読書ができる、内省・考え事ができる、英語を勉強できる。

忙しく働いていたらできないけれどこの環境でならできることを実施して、毎日を充実させています。

唯一コントロールできるのは自分自身の行動と心のもちよう。

留学する目的は人それぞれ違うと思いますし、性格もそれぞれ違う。何を留学によって得たいのか、それが高い授業料を支払う価値があるのか、自分自身と真剣に向き合ってじっくり考える必要があるかもしれません。

私の場合、2020年に留学の機会を逃すと、今後留学ができなくなる状況だったので2020年に行くことを決断しました。じっくり考えたので後悔はしていません。

しかしもし人生設計に余裕があり、20代での留学だったならコロナ感染が世界的に治まるまで待ったかもしれません。私は一人の時間を楽しむ事ができ、人と常に会っていたいタイプでは全くありませんが、人と会うことが制限される留学はやはり多くの機会を失っていると感じてしまうからです。

最後までお読みいただきありがとうございました。みなさまの2021年以降の留学に対して少しでもお役に立てれば幸いです。

2020年 コロナウィルス大流行 イギリス大学院留学の実情と満足度
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