TOEIC®リスニング対策Part3|会話問題の設問タイプと解き方のコツを解説します

TOEIC® Part3の会話が全然聞き取れません。具体的な対策やコツを教えてください。

今日は TOEIC®のリスニング対策をしたい人向けに、Part3「会話問題」の対策法、解き方のコツ、勉強法、お勧めの参考書を紹介していきます。

この記事を読むと、Part3の会話をただぼーっと聞くのではなく、何をどのような心構えで聞けばいいのか分かるようになります。

 
Ringo
正直 Part3や4になると試験対策だけでは太刀打ちできず、リスニング力を地道に上げていく努力が不可欠です。

それでもTOEIC®対策としていくつかのポイントがあるのも事実。今日はその具体的な対策方法をご紹介します。

TOEIC®Part3の対策は大きく2つ

TOEIC®Part3の対策として出来ることは大きく2つあります。

一つ目は設問タイプを知ること。そしてもう一つは会話の流れに慣れることです。

TOEIC®Part3の設問タイプ

TOEIC®Part3の設問には、いくつかのタイプがあります。

  1. 概要を問う【基本】
  2. 詳細を問う【基本】
  3. 未来の行動を問う【応用】
  4. 意図を推定する【応用】
  5. グラフィックを読み解く【基本】

なかでも【基本】と書いた概要を問う問題と詳細を問う問題はなるべく正解しておきたいところ。

概要を問う問題への対策

概要を問う問題とは、その会話が起きている場所職業、またなぜこの会話が行われているかという理由を問う問題です。

場所や職業(難易度:易)

例えばこんな感じ。

・”Where is the conversation taking place?”(この会話が起きている場所はどこですか?)

・”Where does the man most likely work?”(この男性はどこで働いていますか?)

場所や職業を問う問題は、「今ホテルにいます」「私は車の整備士です」など、会話内で直接答えが言及されるケースは稀です

しかし会話内で「カードキーが壊れている」、「パンクしたタイヤのスペアは明日届く」など、関連キーワードが必ず与えられます。そこから答えを導き出しましょう。

▼Part3でよく出題される場所と職業

場所 職業
オフィス マネージャー、従業員、オペレーター
会社の受付 受付
ホテル マネージャー、スタッフ
チケット売り場

チケット売り場の人、係員

店頭 店員、店長

理由(難易度:やや難)

Part3の会話では一人目の話者が話しかけた理由を最初のほうに打ち明けるので、出だしを聞き逃さないようにしましょう。

Why is the man calling?(なぜ男性は電話をかけているのですか)

このような理由を問う問題は、場所や職業に比べると難易度が上がります。選択肢の書き方一つ上の概念にまとめられているケースがあるからです。

 
まじめ
一つ上の概念にまとめられている…?

例えば会話の中で男性が「パスワードが間違っていてログインできない」という具体的な話をしていたとします。

その場合、選択肢が ” To report a computer problem.”(パソコンの問題を報告している)という抽象的な内容に言い換えられていることがあります。「パスワードが間違っていてログインできない」という具体的な問題一つ上の概念にまとめられているのです。

とはいえ、これくらいの具体↔抽象の書き換えであれば難しくないので安心してください。

詳細を問う問題への対策

詳細を問う問題は、文字通り具体的な詳細について聞きとれているかパラフレーズできるかなどが問われます。

・”What will the woman receive ?”(女性は何を受け取りますか?)

・”What does the men offer to do ?” (男性は何を申し出ていますか?)

こんな感じでピンポイントの詳細が質問されます。11題中ほぼ全部の問題(3問中1~2問)で出題されるので、高スコアを取るには避けて通れないタイプの設問です。

語彙のパラフレーズ(難易度:易~やや難)

パラフレーズは「言い換え」という意味。厳密に言うともっと深いのですが、TOEIC®の場合は他の単語に置き換える力と理解して問題ありません。

例えば会話内で “a loaner car”(代車)と出てきたものが、選択肢では “another vehicle”(別の車)と置き換えてくる。

私たちの語彙力を測るための問題です。これはもう特別な方法はなく、地道に語彙力を上げていくしかありません。

 
Ringo
知らない単語や言い換えに出会ったら、必ず覚えるようにしていきましょう。

未来の行動を問う問題 への対策

未来の行動を問う問題も毎回出ます。

・”What will take place at noon ?”(正午に何が起きますか?)

・”Where will the woman probably go next ?”(女性はおそらく次にどこに行きますか?)

この会話が終わった後に何が起きるかどのような行動を取るかが理解できているか問われています。これも頻出パターンなので予測しながら聞くことが出来ますね。

未来の行動は大体会話の最後の方に出てきますので、最後を意識して聞くのがコツです。

意図を問う問題 への対策 (難易度高め)

意図を問う問題は Part3・4両方で出題されます。最も難しいタイプの設問です。

What does the woman mean when she says, “~” ?(女性が~と言っている意味は何か)

そもそも意図を問う問題は英語力というより国語力の話。会話の背景を理解して状況を読んだり、決まり文句の意味を正しく知っていないと正解が選べません。

答えのヒントは、問題となっているセリフの前後にあります。国語の読解問題と一緒ですね。

M:(中略) And just you know,  I’m presenting at a meeting in 30 minutes.

W: OK. In that case, let me give you a temporary password.(中略)


Q. Why does the man say, “I’m presenting at a meeting in 30 minutes” ?(男性はなぜ “I’m presenting at a meeting in 30 minutes” と言っていますか?)

A. To express urgency(緊急性を表すため)

出典:『公式 TOIEC® Listening & Reading 問題集7』TEST1、Part 3、No.43

この場合、問題のセリフ(下線)直後の女性の返答 “In that case, let me give you a temporary password”(そういうことなら、あなたに臨時パスワードを発行しましょう)に答えのヒントがあります。

「30分後にプレゼンがある」という言葉から、男性が時間がなくて焦っていることが伝わってきたので、それなら臨時パスワードで乗り切りましょうと提案しています。

ちなみに男性の “And just you know“(念のためお伝えしておきますと)も、緊迫感を表す表現です。こうしたニュアンスが聞けるようになってくれば意図問題も怖くありません。

それでもわからなければ、さっさと次の設問へ進むのが意図問題の対策ポイント。

TOEIC®のリスニング全体を通して言えることですが、一つの問題に引っかかり次の問題を聞き逃すのが一番もったいないです。

TOEIC®の一問自体の重み(配点)はすべて同じ。取れる問題は確実に取り、難しいものは諦める勇気も大事です。

グラフィック問題への対策

最後の設問タイプが、グラフィック問題です。

TOEIC®は情報処理能力を上げるのも重要な対策の一つ

情報処理能力とは、英語で書かれた地図や表を見て、自分の欲しい情報を素早く見つけられる力のこと。

例えばこんな設問が出ます。

・”Look at the graphic. Where will a delivery be made ?”(図を見てください。どこに配達されますか?)

グラフィック問題は内容自体はそんなに難しくありません。しかし図を見ながら解くというマルチタスクが発生するので、苦手な人は多めに練習しておきましょう。

ちなみにグラフィック問題は、音声を聞きながら解くのが解き方のコツです。

TOEIC®は書き込み禁止ですので、答えがわかった時点でマークシートを塗りつぶすかチェックを入れておきましょう。

会話の流れに慣れる

 
Ringo
長くなりましたが、ここからようやく2つ目の対策ポイントです。

TOEIC®Part3対策の2つ目は、会話の流れに慣れることです。

リスニングのPart3、4、リーディングの Part6、7にも共通するのですが、TOEIC®は大体テーマが決まっています。そしてテーマごとに会話の流れがあります。

例えばPart3の二人の会話では、次のような展開を取ることが多いです。

第1話者 話しかける or 何らかの質問をする
第2話者 質問に答える
第1話者 の回答に不満を抱く or 問題が発生する
第2話者 詳細を説明する or 解決策を提案をする
第1話者 納得する or 条件を付けたりする
第2話者 更なる提案をする or 次の行動を示す

大きくまとめると、何かしらの問題が起こって、解決策を提案するというのが基本の流れ。

設問はその問題(概要や詳細、意図など)解決策(未来の行動)が聞き取れているかどうか、という作りになっているわけです。

何度か解いている内に、この流れは見えてくると思います。

そのうち設問で問われそうな箇所も予測できるようになりますので、まずはこのような会話の流れがあることを抑えておきましょう。

TOEIC®Part3の勉強方法

英語脳を鍛える

TOEIC®Part3の勉強方法ですが、このパートからは本格的に英語脳(英語を英語のまま、かたまりごとに頭から理解する力)を鍛えていくことが必須です。

英語脳の鍛え方についてはこちらの記事で詳しく書いていますので、併せてご一読ください。

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TOEIC®Part3の普段の勉強方法

難易度については、実は Part 2よりも簡単と感じる人も多いです。なぜなら情報量が増え、内容を推測する技術が使えるから。

TOEIC®Part3の普段の勉強方法としては、問題を解かずにまずは全文を聞く。基本は全体を聞いて詳細を理解するというスタンスで聞きます。

ポイントは

  • 会話の出だしに集中して場面設定を把握する
  • 場面からどのような会話が展開されるのか予想しながら聞く
  • 慣れない内はキーワードの拾い聞きでOK

TOEIC®のリスニングテストは45分間ですが、45分間ずっと集中して聞くのは難しいです。メリハリを付けながら聞いていきましょう。

全体と詳細が何となく理解できるようになってきたら、本記事で説明した問題の解き方にも慣れていきましょう。

各国の発音に慣れておく

最後に発音について少しだけ触れておきます。

TOEIC®のリスニングでは、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアの4ヵ国語の発音が採用されています。

アメリカとカナダはほぼ同じ発音で、日本人にとって一番馴染みがある発音だと思います。

一方イギリス英語は意外に少ないので、BBC(イギリス国営放送)を聞くのもオススメ。You Tubeで見られます。

 
Ringo
個人的にはオーストラリアの発音が一番苦手。聞き取れずにパニックになることも。

TOEIC®の問題集を解く際には、自分の苦手な発音がどこの国のものなのか、きちんと把握して対策をするようにしましょう。

Part3のオススメ参考書&問題集

最後にお勧めの参考書をご紹介します。

TOEIC®L&RテストPart3&4鬼の変速リスニングシリーズ

関西弁炸裂のユニークな参考書。変速と書いてある通り、音声のスピードを変えながら音読が出来ます。自分で計画を立てるのが面倒という人にもおすすめ。

英語 徹底耳練!

TOEIC®対策という本ではないですが、実際はTOEIC®対策にめちゃくちゃ役立ちます。リスニング力を上げるために必須の音声変化などが予め書き込まれています。発音も米・英・カナダ・豪の4ヵ国語対応です。

この記事で紹介している公式問題集

対策本も大事ですが、やはり公式問題集は一度は解いておきたいところ。

今日ご紹介した対策を実践して、本物のリスニング力を磨いていってくださいね。

みなさんの頑張りが TOEIC®の目標スコアに届きますように!

TOEIC リスニング対策Part3
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