TOEIC®Part5対策|時間配分・文法攻略・語彙問題・解き方のコツ全部解説します

こんにちは。大学で TOEIC 対策の授業を担当している Ringo です。

今日は TOEIC® の Part5について、生徒さんからよく頂く質問に答えながら対策解き方のコツについて解説します。

  • Part5の最適な時間配分は?
  • 解く時間を短縮する方法は?
  • 問題は全部読んだ方が良い?それとも空欄の前後だけ見ればいい?
  • 文法が苦手だけど、どのレベルまでカバーすればいい?
  • 語彙だけやっていればPart5対策は大丈夫?

これらの質問にすべて答えていきたいと思います。最後におすすめ参考書と問題集も紹介しています。

この記事を読めば、TOEIC®Part5の効率的かつ効果的な対策法がイメージできると思います。是非最後までお付き合いください。

Part5で最も大切なのはスピードと正確さ

Part5で意識すべきポイントは速く正確に解くこと。特にスピードが重要です。

なぜスピードが大事かというと、最後のPart7を余裕をもって解くため

TOEIC®のリーディングセクションは5~7の3パートで計100問 、75分間。リスニングと違い自分で時間調整が可能です。

リーディングのPart7は全パートのうち最も難しく、量も多い。ほとんどの人が最後まで解ききれずマークシートの塗り絵状態で終わってしまいます。

比較的難易度の低いPart5でいかにスコアと時間を稼げるか。

これが全体スコアに大きく影響してくるのです。

Part5を速く解きPart7に時間をつかう。

まずはこの鉄則をよく肝に銘じておきましょう。

Part5の時間配分の目安は10分

Part5の最適な時間配分は?

Part5に割ける時間は約10分から15分。平均すると一問あたり20~30秒となります。

といっても、これはあくまで平均秒数。Part5は5秒でパッと解ける問題と、30秒かけて正解を選ぶ問題の2パターンにわかれます。

特に簡単な品詞問題であれば5~15秒以内で解き、語彙問題はすこし時間をかけて解く。

 
まじめ
品詞問題って何なん?5秒なんかで問題解けるの?

5秒と聞くと超難しいじゃないかと思いますよね。

でもPart5は英語の基礎を確認するパート。なので本当に基礎的な力があれば、5秒でも確実に正解を選ぶことができます。

ちなみに30秒かけても解けなさそうな問題は、それ以上かけても解けない可能性が高いので、潔く見切る。

全体で600点以上を目指す人は Part5の7割(21問)、730点以上を取りたい人は8割(24問)正解を目指しましょう。

 
Ringo
Part5は対策さえすれば確実にスコアアップが期待できるパートだよ。

Part5攻略のコツは大きく2つ

Part5の対策は大きく2つ。

  1. 文法と語彙の勉強に励む
  2. 問題文を全部読まないパターンと、読んで解くパターンを見極める

まず1つめの対策から解説していきます。

文法問題と語彙問題

Part5の問題は文法問題語彙問題しかありません。

文法問題は品詞見極め、前置詞、接続詞、動詞の時制などいくつかの種類があります。

文法問題はさらに

  1. 問題文を全部読まずに解くパターン
  2. 問題文を読んで解くパターン

の2つに分類することができます。

①問題文を全部読まずに解くパターン

解く時間を短縮する方法は?
問題は全部読んだ方が良い?それとも空欄の前後だけ見ればいい?

冒頭にこのような質問がありましたが、答えは「問題文を読まなくてよい問題を判断し、空欄の前後だけみて時間短縮につなげる」です。

品詞を見極める問題、通称「品詞問題」は問題を全文読まなくても解ける典型です。

品詞問題

Ms. Lee reviews the —– daily to prevent the banquet room from being double-booked.

(A) reservations(名詞)

(B) reserves(名詞の複数形 or 動詞の3単現)

(C) reserving(動名詞)

(D) reserve(動詞の原形)

出典:『公式 TOIEC® Listening & Reading 問題集6』TEST1の Part 5,No.104

このように、選択肢の語尾だけが異なるものが品詞問題。空欄前後の単語を見て、空欄に入る単語の品詞を見極めよ、という問題です。

この場合、Ms. Lee(リーさんは)が主語、reviews(見直します)が動詞、daily(毎日)が副詞です。

review という他動詞のあとに「何を?」見直すか目的語が抜けているので、空欄には目的語が入ります。目的語には名詞がきますので、この時点で(D)は消去、残りの二つも意味として不自然ですので消去します。

したがって(A)「予約」という意味の reservation が正解。全文読まずとも解けましたね。

TOEIC®Part5でカバーすべき文法項目

文法が苦手だけど、どのレベルまでカバーすればいい?
 
まじめ
文法が苦手な人には、全文は読まなくてもさすがに5秒はきつくない?

そうなんです。簡単と言われている品詞問題でも、前提として品詞そのものの役割やルールを知らないと5秒で正解を導くことはできません

例えば

副詞:動詞を修飾するだけでなく、形容詞やほかの副詞も修飾し、さらに名詞、代名詞、副詞句・節、そして文全体を修飾するなどの働きもする。

形容詞:直接名詞の前についたり、補語の位置に置かれて名詞や代名詞を間接的に修飾する語で、比較変化をしたり、veryで修飾されるものが多い。

引用:『ロイヤル英文法改定新版』

といった基本的な理解です。

そしてもう一つ、基本的な文型(文の構造)を知っていることも大前提。SV、SVC、SVOとかいうやつです。

例えば上の解説も、「他動詞なのに目的語が見当たらない?目的語だから名詞が入る…?」という状態では、自信を持って正解は選べないでしょう。

品詞問題からつまづいてしまう人は、ざっくりでいいので品詞基本文型をセットで勉強しておきましょう

▼品詞の理解におすすめのマンガ。当ブログで何度も登場。

②問題全文を読んで解くパターン

次に、問題の全文を読んで解くパターンを見ていきましょう。

前置詞と接続詞問題

Part5では、前置詞と接続詞をごちゃ混ぜにした問題がよく出ます。

接続詞は2つの節(S+V)を結ぶ役割があります。例えば because なら前と後ろの節の因果関係(なぜなら~)を表し、although なら譲歩(~だけれども)を表す。

このように節同士の関係性を判断するためには、どうしても全文を読む必要があります

なので、もし接続詞が選択肢にあったら必ず文章全体を読むようにしましょう。

選択肢の中に due to、despite などの前置詞が混ざっていたら、空欄の後ろに注目する。S+Vがあれば接続詞、名詞だけで終わっていれば前置詞。

前置詞と接続詞ごちゃ混ぜ問題は、品詞の判別意味の両面から正解を導き出しましょう。

動詞問題

動詞の活用は頻繁に出題されます。

項目 狙われる内容

主語と動詞の一致

主語が単数か複数、三人称
時制 現在形、現在進行形、現在完了形、過去形、未来形
能動態、受動態
分詞 現在分詞、過去分詞
動名詞、不定詞 動名詞、不定詞

表1.動詞まわりで狙われる項目

上の表に挙げた基本内容をおさえておけば動詞に関しては十分。

そもそも空欄箇所に本動詞が入る(S+VのVが抜けている)かどうかを最初に確認します。

もしすでに本動詞が文中にあれば、空欄に入る動詞の活用は分詞動名詞不定詞の可能性が高い。もしなければ本動詞を選ぶ。その際は時制に気を付けましょう。

時制については文のどこかに時を表す副詞(since~、yesterday、tomorrowなど)が必ず書かれています。むしろそのヒント以外で判断することは出来ません。必ず文全体を読んで、意味として一番自然な時制を選ぶようにしましょう。

その他の文法項目

その他の文法項目としては、比較級関係代名詞なども出ます。ただしそこまで頻度は高くありません。30問の内、大体1~2問です。

「もし満点も狙っていないしそれ以外の文法項目で手一杯!」ということであれば、上に挙げた頻出の文法項目から対策をしましょう。

語彙問題の対策

語彙だけやっていればPart5対策は大丈夫?

Part5を攻略するには語彙対策は必須です。純粋な語彙問題だけでも確実に10問は出ます。前置詞や接続詞まで含むと半分は語彙問題

割合だけとっても語彙問題の重要性が伝わってきますね。

この語彙問題は基本的にすべて②全文を読んで解くパターンに当てはまります。

単純に全文を読んで、文意から意味が一番適している単語を選びます。この時のポイントは、意味が一番適しているものを選ぶこと

 
Ringo
コロケーションって言葉は聞いたことある?
 
まじめ
自然な語と語のつながりって意味でしょうか…?

その通り。日本語もそうですが、言葉には単語同士の自然なつながりというものがあります。

例えば「辞書を引く」とか「注意を払う」とか。辞書を「押す」とか、注意を「買う」なんて言わないですよね。

それと同じで、英語にもこの動詞はこの名詞とセットでつかわれるよというものがたくさんあります。そうした自然な語のつながりをコロケーションと言います。

語彙問題に関しては一番自然な単語のつながりを選ぶという感覚で問題を解きましょう。

▼語彙問題だけに特化した問題集なんてものあります。

Part5対策おすすめの参考書と問題集

最後にTOEIC®Part5対策のおすすめ参考書と問題集をご紹介します。

まず手元に必ず用意してもらいたいのが次の3つ。

  1. 文法解説書
  2. 参考書&問題集
  3. 単語帳

文法解説書

英語をきちんと学んでいきたいなら、文法の解説書は必須です。私のおすすめは高校の参考書『Evergreen』。ほかには『Next Stage』もおすすめ。

TOEIC®対策の参考書は、残念ながら体系的に文法を学ぶのは難しいつくりになっています。大学受験用の参考書は日々進化していますし、わかりやすさ、カバー範囲、体系的理解の面でダントツです。


参考書&問題集

TOEIC®Part5&6の対策としておすすめはこちら。タイトルに「出るとこだけ!」と書いてあるように、TOEIC®に特化した文法の鉄則が書かれています。

完全独学向けに作られている『究極のゼミ』シリーズ。受講生と講師の対話で進むという形式は、好き嫌いがわかれるタイプの参考書だと思います。個人的にはヒロ前田さんが著者という時点で信頼できます。

単語帳

大定番の一冊をご紹介しておきます。著者はTEX加藤さんで、こちらも著名なTOEIC®講師の方です。TOEIC®対策という意味ではこちらの単語本一冊で十分。

もちろん「単語本は不要、単語帳をオリジナルで作る派だー!」という人もいると思います。私も以前まではそちら派でした。自分のモチベーションが上がる方法を選ぶのが良いと思います。

まとめ

それでは TOEIC®Part5対策のまとめです。

  • Part5はスピードが命。Part7に時間を回す
  • 語彙と文法の勉強に集中する
  • 文法問題は問題文を読まずに解く or 読んで解くの見極めがポイント
  • 語彙問題は半分を占める。地道に単語を覚える

これらのポイントを踏まえて、Part5は満点を目指していきましょう。みなさんのTOEIC®のスコアが目標スコアに届きますように!

▼リスニング対策はこちらから

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