こんにちは。英語オタクです。
前回の記事『英語ができる人はどう使う?電子辞書の使い方【基本編】』では、単語を調べたら絶対に確認すべき5つの項目について解説しました。
今回はさらに辞書を使いこなしたいという上級者向けに、
- ジャンプ機能って何? どうやって使うの?
- 英英辞典はどう使うの?
- 類語辞典ってどのタイミングで使うの?
についてお伝えします。電子辞書の使い方をマスターすると、単語の知識が豊かになり、より多くの単語を覚えられるようになります。
TOEFL 80点以上、IELTS 6.0以上を目指す方にはぜひ身につけて頂きたいスキルです。
知識が深まるジャンプ機能
ジャンプ機能とはある辞書から別の辞書にジャンプできるとても便利な機能。辞書によってはジャンプサーチと呼ぶそうです。
例えば英和で調べた日本語の意味が分からなかった時、英和から広辞苑に飛んで、日本語の意味を調べることが出来ます。辞書から辞書へ飛び、表面的な理解を更に深めることが出来ます。
それでは今回も引き続き “last” を事例に解説します。
基本編で、この場合の “last” は「(自)動詞」の「続く」という意味であることが分かりました。
“last” を英英辞典でも調べたいなあという時は、ジャンプ機能を使ってジャンプします。
英和辞典で last のページを開き、「ジャンプ機能」を押します。すると last が選択され、ハイライトされた「 last 」みたいな感じになります。
そのまま決定ボタンを押すと、辞書の一覧が出ます。ジャンプしたい先の辞書を選びます。今回はコウビルド英英辞典を選択します。
するとこんな画面が出てきました。
相変わらず画質が低くてすみません……。もう My SEIKOちゃんは16年選手なので、画面が強烈に暗いのです。
目を凝らして見てみると
1⃣ DET
You use last in expressions such as last Friday, last night, and last year to refer, for example, to the most recent Friday, night, or year. [EX]
2⃣ ADJ: det ADJ
The last event, person, thing, or period of time is the most recent one. [EX]
◆ PRON Last is also a pronoun(※画面では切れていますが、このように続きます)
と書いてあります。
1⃣を日本語にすると「先週の金曜日、昨夜、昨年のように、最も直近の金曜日、夜、一年を表す表現で使います」という意味です。
もしここで英和辞典の日本語の意味を再確認したい場合は、「戻る」ボタンを押せば英和辞典に戻れます。
英英辞典の使い方
さて、このように last を英英辞典で調べてみると、1⃣、2⃣、3⃣…と、英和辞典と同様にたくさんの意味が載っています。
11個目のところでようやく動詞の last に辿り着きました。
⑪ VERB
If an even, situation, or problem lasts for a particular length of time, it continues to exist or happen for that length of time.
[EX] The marriage had lasted for less than two years.※筆者下線
日本語では「もしある事象や状況、または問題が特定期間 last したら、それはその期間中存在し続ける、または起き続けている」という意味になります。
大事なのは下線を引いた部分。
主語は事象や状況などで、We や You といった人物ではないことがわかります。また~続けるという部分がコアな意味と分かります。
さらに英語オタクな話をすると、last は始まりと終わりのある特定期間続いた場合に使う動詞です。それもバッチリ書かれてますね。
例文は「その結婚は2年続かなかった」という意味で、主語(事象や状況)、続く(コアな意味)、2年以内(特定期間)のすべてを満たしています。
このように、英英辞典の方が、単語の理解が圧倒的に深まります。英語を英語のまま読む訓練にもなります。
と腹がくくれた人は、ぜひ英英辞典も使ってみてください。
ただし、そもそも説明文レベルの英語が理解できない方にはおすすめしません。英和→英英→英和→英英…の無限ジャンプループに突入することになります。
それだとさすがに英語を嫌いになってしまう可能性がありますので、初心者の方は無理せず英和辞典を使ってくださいね。
英英辞典を使う上で知っておくべき略語たち
英英辞典を使いこなすには、知っておくべき略語があります。
そう、1⃣や2⃣の横に書いてある VERB や ADJ という文法表記たちです。全部で60個くらいあるのですが、ここでは代表的な10個だけ紹介します。
表1.品詞の略語一覧
ADJ | adjective | 形容詞 |
ADV | adverb | 副詞 |
AUX | auxiliary verb | 助動詞 |
CONJ | conjunction | 接続詞 |
N-COUNT | count noun | 可算名詞 |
N-UNCOUNT | uncount noun | 不可算名詞 |
PREP | preposition | 前置詞 |
PRON | pronoun | 代名詞 |
V-T | transitive verb | 他動詞 |
V-I | intransitive verb | 自動詞 |
基本編では「他動詞・自動詞・例文を必ず確認せよ!」とお伝えしましたが、応用編では「名詞を調べた時は、可算・不可算名詞を必ず確認せよ!」と強調しておきたいと思います。
同じ名詞でも、数えられるもの(N-COUNT)と数えられないもの(N-UNCOUNT)があります。
例えば work という単語。work は不可算名詞としては「仕事、労働」という意味になりますが、可算名詞では「作品」といった意味になります。
英語は数にうるさいですので、数えられる名詞として使われている場合は、単数の “a” や 複数の “s” を付けなければなりません。
TOEFL ITPの文法問題では、下線部の間違い探し問題でよく狙われますし、ライティングやスピーキングでも細かくチェックされます。
英英辞典には N-COUNT / N-UNCOUNT の標記で説明が載っていますので、両方の意味がある場合は必ず確認するようにしましょう。
品詞は文章の構造を見抜くための必須知識ですので、これくらいは覚えておきましょう。ちなみに私はアメリカの高校か大学の英語の授業で、品詞の略語を習った記憶があります。もしかすると留学先の授業で役立つかもしれません。
※例文の1⃣ DET は “determiner” の略で、限定用法の意味です。ちゃんと説明しようとすると英語オタク領域に入りますので、ここでの解説は控えておきます。
類語辞典の使い方
どうでしょう。だんだん単語を調べるのが好きになってきたところかと思います。
更に余裕があれば類語辞典も使ってみましょう。
ジャンプ機能を使って “last” を調べてみると。形容詞・副詞・名詞が “last 1” として、動詞は “last 2” として載っていました。
adjective 1) hindmost, 2) most recent, 3) final
adverb 4) in or at the end
noun 5) end, 6) at last
verb 7) continue
全部で7つ。この7つをすべて覚えるというよりは、自分の単語の理解が合っているかどうか、確認する感じで使います。
TOEFLやIELTSはやたらとパラフレーズ(言い換え)が多いです。英作文するときも、同じ単語を繰り返すより、別の単語で言い換えた方が高く評価されます。
まぁ、日本語で考えてもそうですよね。同じ単語が何回も出てくるより、多様な表現が使われている文章のほうが、豊かな気がしますもんね。
ライティングで語彙や表現力が極端に乏しいと感じる方は、類語辞典も取り入れて頂くと良いと思います。
まとめ
本日は応用編として、ジャンプ機能、英英辞典、類語辞典の使い方をご紹介しました。
単語は奥が深いです。更に高みを目指したい方は、この先「対義語」「語源」「接頭語・語幹・接尾語」という世界に足を踏み入れるという選択肢もあります。興味がある方は立派な英語オタクです。一緒に足を踏み入れてみましょう。
そうでない方は、基本編と応用編で紹介した内容を抑えていれば十分だと思います。
あくまで個人的な使い方なので、もっと良い(マニアックな?)使い方があるよ!という方がいたら是非教えてください。
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