英語学習に欠かせないツール「電子辞書」。みなさんはどんな辞書を使っていますか? 十分活用できていますか?
- そもそも電子辞書は買った方が良いの?
- どんな辞書を買うべき?
- 英英辞典は使うべき?
- 電子辞書の使い方がよくわからない。
確かに、電子辞書の使い方なんて学校で丁寧に教わらないですもんね。
本記事では、英和辞典を中心に、電子辞書の使い方の『基本』をご紹介します。
あくまで個人的な経験に基づく使い方です。英語オタクモードで書いてますので、もしあなたの勉強スタイルに合いそうでしたら、ぜひ取り入れてみてくださいね。
辞書のメリット2つ
そもそも皆さんは、辞書を引く作業は好きですか。
「あんまり好きじゃない」「面倒くさい」「辞書よりもグー〇ル翻訳の方が楽」という方が大半かと思います。
「その気持ち良くわかります」…と言いたいところなのですが、英語オタク的には「もったいない!辞書引くの超楽しい!」というのが正直なところ。
確かに自動翻訳ツールはとても便利です。私も頻繁に活用しています。
しかし英語学習という点から見れば、辞書を使えるようになることは非常に重要です。
辞書のメリットは2つ。
- 単語を覚えるモチベーションがあがる
- 単語の「訳」以外の知識が得られる
単語を覚えるモチベーションが上がる
私が留学生の頃はまだインターネットがなく、単語やイディオムを調べるには辞書しか頼るものがありませんでした。
化学、歴史、英語、生物学、美術史、心理学、文化人類学…どの授業でも大量のリーディングが課せられる。読むだけじゃなくエッセーも書かされる。
毎日辞書との格闘です。誰かに教わることもなく、独学で辞書を使い倒してきました。
たしかに辞書を引く作業自体は面倒くさいです。わからない単語がありすぎて、一日何十回も辞書を引く。昨日調べた単語のはずなのに、全然意味が思い出せない。また辞書を引く羽目になる。このペースじゃ絶対宿題終わらない……。何度辞書を投げつけたくなったことか。
こんなことを繰り返すうちに「絶対一発で覚えてやる!」という闘志がわいてきます。
「すぐ役立つことは、すぐ役立たなくなる」という好きな言葉があるのですが、単語の暗記にも当てはまると思います。
自動翻訳を使って調べた単語は不思議なことに、すぐ忘れてしまうのですが、辞書を使って苦労して調べた単語は、そう簡単には忘れません。
精神論かもしれませんが、アナログな辞書には「単語を覚える気にさせる」力があるように感じます。
単語の「訳」以外の知識が得られる
真面目な話、2つ目のメリットである「訳」以外の知識が総合的に得られるという点が、記憶の定着を助けてくれます。
電子辞書を引くと、意味以外に、なんだかごちゃごちゃといっぱい書いてありますよね。そのごちゃごちゃと書かれたところに、英語学習に重要な情報がたくさん詰まっています。
訳以外の総合知識が具体的に何を指すかは、辞書の使い方と一緒に解説します。
メインで使う辞書は4種類
まずは私が使っている電子辞書のご紹介。
ひゃー、古くて恥ずかしい。そのシールのセンスと貼り方は何やねん! きっと自分用にカスタムしたかったのでしょう。My 辞書ならではの楽しみ方です。
機種はSEIKO SR-T6500。おそらくもう売ってないと思います。買ったのは2003年頃。16年以上たった今でも立派に使える優れもの。
さすがに新機種に買い換えようか悩みましたが、今も健気に動いてくれるし、何より愛着がわいて乗り換えられませんでした。
しばらく放置していましたが、電池を変えたら普通に使えました。何度も落としたし、むき出しで持ち歩いているのに壊れません。キーボードも打ちやすく、機能が絞られているのが好きです。
入っているのは全部で7種類。広辞苑、リーダーズ英和・リーダーズプラス、新和英中辞典、コウビルド英英、コリンズ類語、漢字源、カタカナ語です。
このうちヘビーに使っているのはリーダーズ英和・リーダーズプラス、新和英中辞典、コウビルド英英、コリンズ類語です。一番使うのは英和と英英。
英和はジーニアスよりリーダーズの方が良いと聞いたことがあったので、購入の決め手となりました。内容も充実していますので、電子辞書自体の古い/新しいはそこまで気にしなくても大丈夫だと思います。
辞書の使い方【基本編】
まずは単語を調べる代表ツール、英和辞典の使い方を解説します。今回は “last” という単語を事例に見てみます。
さて、この文脈の last はどのような意味でしょう。
リーダーズ英和辞典第2版(研究社)で調べると、
「last 1、+Last、last 2、last 3、last 4…」と、last だけでめちゃくちゃ出てきました。
このような時はとりあえず「last 1」を見ます。なぜなら、一番上に出てきた意味が、その単語のコア・ミーニング(核となる意味)である可能性が高いから。
「last 1」を調べてみると、こんな画面が表示されます。
絶対確認すべき項目5つ
見るべきポイントは全部で5つ。
- 発音記号
- 品詞
- 意味
- 例文
- 解説
通常辞書を引く時、③の意味「最後の」だけ確認して終わっていることはありませんか。それでは非常に勿体ないです。上の5つは最低限確認すべき項目。英語初心者でも上級者でも、関係なくチェックするようにしましょう。
生徒さんの使い方を見ていて特に見落とされているのが、①発音記号、②品詞、④例文、⑤解説です。つまり「意味」以外全部。
正しい発音を覚えなければリスニングで苦労しますし、品詞がわからなければ文法やリーディングでつまづきます。例文を確認すればその単語のリアルな使われ方がわかります。解説を読めば文法の知識につながります。
こんなに使える情報なのに、見落としている人があまりに多すぎる。もったいなさすぎます。
とりあえず発音記号は確認したとして、品詞と意味を見てみましょう。
品詞は a=形容詞。
意味は(最初の画面だけで)「1. 最後の」「2. すぐ」「3. 最も~しそうにない」「4. 決定的な」と4つ載っています。
そもそも例文で使われる last は、語順的にも、 -edがついていることからも「形容詞」ではないことがわかります。細かく見なくても、品詞を確認した時点で last 1が探している意味ではないと判断できます。
品詞から正しい意味を見つける
終わりまでスクロールして、他の品詞の意味が載っていないかを確認し、もう一度検索画面に戻ります。
今度は last 2 の意味を調べてみます。
―vi, vt
1 続く;持続[存続]する;耐える、そこなわれない、衰えない、持ちこたえる
2 <人の>必要を満たす、間に合う
―n 持続力、耐久力、根気.
発音は last 1 と同じなので、ここでは省略されています。
品詞を見てみると「vi, vt」とあります。vi は自動詞、vt は他動詞を指します。
つまり品詞は動詞、vi と先に示されているので主な使われ方は自動詞ということがわかります。意味も「続く」ですので、先ほどの例文にしっくりきますね。
辞書の例文を確認してみると、
The lecture lasted (for) two hours [until five o’clock]. 講演は2時間[5時まで]続いた。
とあります。まさに事例と同じような例文です。
両方とも主語は the debate、the lecture で無生物主語が使われています。We や You など「人物が何かを続ける」という文脈では使われないんだな、ということが推測できます。
他動詞・自動詞・例文はセットで確認
英語中級者 or それ以上の方は、動詞を調べた際に必ず他動詞か自動詞か確認する癖を付けましょう。
他動詞か自動詞かは、文章の「態(能動態、受動態)」を見抜くのに必要な知識です。文構造の見極めにも必須です。
特に今回の last のように、モノが主語の自動詞は日本語と異なる感覚を持っています。
例文にはその単語の代表的な使われ方が載っていますので、必ず確認しましょう。
例えばある野菜の栄養価を調べていたら、その野菜を実際どうやって使うかって気になりませんか。レシピとか盛り付け方の例が載ってたら、使い方のイメージがわきますよね。
そんな感じで「実際にこうやって使うんだ」を知るのが大事です。
単語を丁寧に調べることで、文法の知識ともつながってきます。態や構造の話が良くわからないという方は、文法関連の記事も併せて読んでみてください。
おさらい
もう一度確認すべき5つの項目を振り返ります。
- 発音記号
- 品詞
- 意味
- 例文
- 解説
以上が電子辞書の使い方【基本編】です。
項目数だけ見ると多く感じますが、面積で言うと画面の半分程度の情報量。どうせ同じ画面を見るのだったら、意味以外の4つも一緒に確認してみてください。単語の理解度がぐっと深まるはずです。理解度が深まれば記憶にも定着します。
ぜひ今日から試してみてください。
【応用編】ではジャンプ機能や英英辞典、類語辞典について解説します。
電子辞書をさらに使いこなす方法は?ジャンプ機能って?英英や類語辞典はいつ使う? こんにちは。英語オタクです。 前回の記事『英語ができる人はどう使う?電子辞書の使い方【基本編】』では、単語を調べたら絶対に確認すべき5つの項目について解説しまし[…]