この記事は
「勉強量はこなしているのに、IELTSのスコアがいまいち伸びない」
と悩む方に
- スコアが伸び悩む根本原因は「文法力」
- IELTSで求められる文法力とは
- レベル別文法力を上げる勉強法
についてお話しています。
この記事を読むと、なぜ文法をおろそかにするとスコアが伸びないのか、IELTS対策に必要な文法力とは何かをイメージして頂けると思います。
英語に苦手意識を持つ人は大抵「文法のルールが多すぎて英語が嫌になった」とこぼします。
しかし、IELTSでスコアを伸ばすために文法を理解することは必須です。残念ながらやみくもに量をこなすだけでスコアは伸びません。
この記事を読んで、まずは文法の必要性に気づき、一緒に苦手意識を克服していきましょう!
スコアが伸び悩む原因は文法にあり
「文法セクションがないから勉強する必要はない」は大きな間違い
IELTSを受験したことがある方はご存知と思いますが、IELTSの試験に文法単独のセクションはありません。
それはつまり、私たちに文法の知識は求めれない、ということなのでしょうか。
答えはもちろんノーです。
文法セクションがないのは文法を軽視しているからではなく、リーディングやライティングなど他のセクションで文法力をしっかり判断しているからです。
つまり、文法が出来なければリーディングやライティングのセクションも必然的にスコアが伸びないように設計されている、ということです。
スピーキングやリスニングのスコアを伸ばすためには、発音や音声知覚など、文法以外の要素も関連してきます。しかしライティングとなるとそうはいかない。
例えばライティングのタスク1では「次のグラフを説明しなさいという」問題が出されます。
ここでは、過去から現在までの伸び率、量や質的変化などを英語で要約する力が問われます。
- 過去や現在を表す時制を正しく使い分けられるか
- 二つの要素を比較する場合の表現は正しいか
実はこんな風にして私たちの文法力はチェックされているんですね。紙の上でごまかすことはできません。
リーディングも同じです。問題量をこなし、単語の意味がとれることは大事です。しかし、単語の意味をなんとなくつなげてノリで文章を読んでいるうちは、スコアを大幅に伸ばすことは難しいでしょう。
IELTSで求められる文法力とは
それでは一体、IELTSの試験にはどれくらいの文法力が求められるのでしょうか。
英文の構造を見抜く
まずリーディングやリスニングに関する文法力の目安は「英文の構造が見抜けるようになること」です。決して文法の細かいルールを暗記することではありません。この違いを意識することはとても重要ですので、もう一度言いますね。
文法ルールの暗記が目的ではなく、英文構造を見抜けるようになる。
英文の構造が見抜けるとは、簡単に言えば中学校で習った5文型-S(主語)、V(動詞)、C(補語)、O(目的語)-に当てはめることが出来るということです。
もっと極端に言えば、主語と動詞を正しく見つけられること。
「主語と動詞くらい簡単にわかるんじゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、シンプルなことほど難しいもの。
例えば以下の例文を読んでください。10秒以内に主語と動詞を見つけられますか?
Whenever the Swiss glaciers retreat a little, the rocks in the bed of the valley they have passed over are found to be rounded, grooved, and striated.
鈴木順一(2016) 『一気に攻略 TOEFL ITP®テスト文法』テイエス企画株式会社
ちなみに答えは主語が “the rocks”、動詞が “are found”。
どうでしょう。皆さんは10秒以内に見抜くことが出来たでしょうか。IELTSのリーディング問題を解き切るには、これくらいの文の構造を見抜くのに10秒以上かけることはできません。
この文章を読み解くには、接続詞、受動態、関係代名詞などの文法知識が必要となります。
とはいえ「これは関係代名詞の主格用法ですか?それとも目的格ですか?」とか、「先行詞(※修飾される単語)はどれですか?人ですか?それともモノですか?」とか、そんな細かい文法用語を使った説明までは求められません。
大事なのは「メインの主語と動詞はこれだから、それ以外は全部飾りなんだ」という構造を見抜くこと。
日本の大学受験のように、〇×がはっきり分かれる文法理解は不要ですが、構造を正しく見抜けなければ、筆者の主張を正しく読み取ることができません。
それでは留学しても、授業についていけずに困ってしまいますよね。だから出題者は受験者の本当の英語力を知るために、文法を理解していないと意味が取れないような複雑な一文を入れてくるわけです。
6.0 以上のスコアを目指す人は高校範囲が必須
「一般的な英会話であれば、中学3年生までの文法範囲でカバーできる」とよく言われます。確かにそうだと思います。
しかし残念ながら IELTS は、一般的な英会話のレベルをはるかに超えた英語力が求められます。
「英語力」というと語弊があるかもしれません。IELTS はアカデミックな英語力をはかるための試験なので、日常使いしないような難しい単語や文法力も見せつけなければいけないのです。
その見せつける場がライティングやスピーキング。
ライティングでは、どんなに中3レベルまでの文法を正確に使いこなしていても、それ以上の文法の幅があることをアピールしなければスコアが上がりません。
▼ライティング Task 1 に必要な文法項目について
こんにちは、まじめです。 今日は私の IELTS ライティング奮闘記【後編】を書きたいと思います。 前編では私がいかにライティングに苦しんできたか、半年にわたる勉強の記録を公開させていただきました。 ネットには「3カ月でIELTS 7.0ま[…]
文法力を上げる勉強法とオススメ書籍
ここまでで文法を学ぶ必要性は納得いただけたかと思います。
残念ながらこの記事の中で文法のポイントについて全部お伝えすることは難しいので、文法に関する他の記事も参考にして頂ければと思います。
IELTS レベルの文法を特化して勉強するなら、TOEFL IPT の文法本を一冊解くことをお勧めしています。
文法が本当に苦手で全然覚えていない
出来ればマンガやイラストがふんだんに使われていて、文法用語が少ないものを選んでください。
文法を専門用語を使って説明されると更に混乱する可能性があるので、それよりも文法の本質的役割(例:助動詞の役割は「話し手の気持ちや感情を伝えるのを助けるものなんだよ!」)を教えてくれるような本が良いです。
高校生で授業についていけなくなってしまった
高校レベルまで理解しているがもっと極めたい
TOEFLはTOEICよりも難易度が高く、またアカデミックな英語なのでIELTSとの親和性も高いです。
TOEFL ITP ではStructure and Written Expressionという、文法に特化した問題が出題されます。まさに英文構造を見抜けるかどうかを問う問題ばかりです。
いずれのレベルにせよ、必ず問題を解きながら文法の知識を蓄えるように心がけましょう。