今回は、IELTS を勉強しているけれど「公式問題集は難しすぎて全然解けない!」、「リーディングスコアに伸び悩んでいる!」と困っている方に向けて、大学受験用の人気教材『英語長文ハイパートレーニング』を活用する方法を解説しています。
この記事を読むと、自分のレベルに合ったリーディング用の問題集がわかり、独学や自習のやり方をイメージすることができます。
同じ内容を動画でも解説していますので、併せてご活用ください。
ポイント①自分のレベルに合った教材を選ぶ
『英語長文ハイパートレーニング』には、超基礎編・標準編・難関編の3つのレベルがあります。
IELTSのスコアに当てはめると、各教材毎の目安はこんな感じです。
- 超基礎編:4.5→5.0を目指す人
- 標準編:5.0→5.5を目指す人
- 難関編:5.5→6.0〜6.5を目指す人
IELTSをまだ受験したことがなく、自分のスコアレベルがよくわからないという人は、以下の基準を参考にして下さい。
- 中高の英語(文法)はしっかり勉強した自信がある、大学受験の際に英文解釈をやった⇨標準編
- 中学まではまだしも、高校の英語は自信がない、受験勉強をしたことがない⇨超基礎編
重要なのはカッコつけずに、自分のレベルに合ったものを選ぶことです。
「6.0を目指しているから難関編」 ではなく、「6.0を目指しているけど、 高校英語は自信がないから超基礎編から取り組もう」という、目指しているスコアから考えるのではなく、現時点での自分の実力に合わせるのが大事なポイントです。
ポイント②リスニング教材として活用する
この教材はリーディング教材としても優秀ですが、リスニング教材としても使えます。
リーディングの練習を行う前に、まずは付属のCDを使用し、リスニングとして活用することをオススメします。
ポイント③「本書の利用方法」に着実に沿って実践する
『英語長文ハイパートレーニング』は、以下のステップで取り組みましょう!
STEP 1. 問題を見ずにリスニングする
STEP 2. 問題を解く
STEP 3. 設問解法を学ぶ
STEP 4. 精読とテーマ解法を学ぶ
STEP 5. 音読で速く読む訓練をする
STEP 6. 白文の問題英文を音読する
それでは、それぞれのStep毎にみていきます。
Step 1. 問題を見ずにリスニングする
まずは付属のCDを使用してリスニングを行います。
CDは「リピートトレーニング」と「スピード聴解トレーニング」の2種類が収納されています。リスニングとして使うのはネイティブの標準スピードで読まれる「スピード聴解トレーニング」の方となります。
使い方は次の通りです。
- CDをまずは自分の耳の力だけでどれだけ理解できるかにチャレンジ。
- 自分の耳で聞き取った内容を目で(リーディング)で確認する。
Step 2. 問題を解く
次に問題を解きましょう。問題用紙は別冊になっているので、まずは取り外します。そしてここで重要なポイントは、「問題の解答は必ずノートに書く」ということです。
問題集は基本的に3周(3回繰り返して)解きます。問題用紙に答えを書き込んでしまうと1回しか解くことができないため、解答は必ずノートに書くようにしましょう。
問題用紙とノートの準備が整ったら、問題ページの冒頭に書いてある回答時間を目標として、問題を解きましょう。
Step 3. 設問解法を学ぶ
Step 3では問題の解法を学びます。
ここで大事なポイントは、解答を分析すること。
もし間違えた問題があれば、なぜ間違えたのかを理解する必要があります。例えば、間違えた原因が単語がわからなかった、英文の構造が理解できなかった、もしくは文法を知らなかったからなのか。不正解の理由を分析しましょう。
この分析は不正解の問題だけではなく、正解した設問に対しても行います。本文の解答方法を読み、自分が正解に至ったプロセスが正しいか、間違えていたかを理解し、間違えていたならプロセス自体を修正する必要があります。
Step 4. 精読とテーマ解法を学ぶ
Step 4は精読です。
精読とは、文章を一文ずつ正確に読んでいくこと。各英文の主語(S)や動詞(V)などの文構造を記入しながら読む方法です。
- 精読したいユニットの英文のみの文章(白文)を用意する、もしくはノートに書き写す(テキストの最後にある「問題英文と全訳」からコピーすると楽です)。
- 白文に自分で主語(S)、動詞(V)などを書き込み、構造分析を行う。
- 自分の構造分析が正しいか、テキスト内の各パート解説欄にある「徹底精読」で確認する
- 分からなかった単語や文法項目を調べる
分からなかった文法項目は、文法の参考書などを使いながら都度確認し、理解を深めます。
このStep 4. を行うことが一番時間がかかります。
しかし、この精読が次のステップの音読をより効果的にします。徹底的に精読するようにしましょう。
Step. 5 音読で速く読む訓練をする
Step 5は音読です。
音読の絶大な効果は著者の安河内先生ご自身が力説されています。教材のp.10-11を読んだ上で「なぜ音読を行うのか」を理解した上で取り組みましょう。
まずはテキストの各ユニットに記載されている「速読トレーニング」ページを開きます。
音読は次のどちらかの手順で行います。
- オーバーラッピング:スクリプトを見ながら、CDに少し遅れて被すように読み上げる
- リピーティング:スラッシュの間に入るポーズ(一時停止)の間に聞こえてきた英文を読み上げる。通常はスクリプトを見ずに行う。
リピーティングは英語の塊を一時的に暗記しないといけないので、負荷の高い練習方法になります。まずはオーバーラッピングでネイティブのスピードに慣れましょう。
慣れてきたら、更に負荷を上げるために、発声と同時に塊ごとの「意味」も頭に思い浮かべるように読みます。
音読は、最低でも10回は実施しましょう。最初の5回は「速読トレーニング」のページで、日本語訳を見ながら行います。残りの5回は日本語訳を赤い下敷きなどで隠して、英文のみを見ながら同時に日本語で意味を取っていきましょう。
Step 6. 白文の問題英文を音読する
最後のステップでは、白文の問題英文を音読し、ネイティブレベルにチャレンジしていきます。
まずは巻末の「問題英文と全訳」のページから、自分が音読したいユニットを開き、次に右側ページにある日本語を隠します。これで準備完了です。
ここから音読がスタートです。左側の英文のみが書かれた白文を頭から読んでいきます。この音読のゴールは、「返り読みせず、英語の語順のまま自然なスピードで読みながらも意味が取れること」です。このゴールを達成できるまで、何度も音読を繰り返しましょう。
まとめ
今回は、IELTS対策にも役立つ、英語長文ハイパートレーニングの活用方法について解説してきました。以下3点がポイントです。
- 自分のレベルに合った教材を選ぶ
- リスニング教材としても活用する
- 「本書の利用法」に着実に沿って実践する
日本の大学受験用の教材は、安価で非常にクオリティの高いものがたくさんあります。
IELTS学習を続けているが、オーバーオールのスコアが4.5や5.0レベルでつまづいてしまっている方は、IELTSの教材に手を出すことは少し早いかもしれません。
IELTS教材を使用する前に、本日ご紹介したような大学受験用の教材や、高校文法などの教材を使いながら、基礎英語力を上げることをおすすめします。