今回は IELTS コンピューター版の受け方、メリット・デメリット、筆者が実際に受けた感想、スコアにどれほど影響があるかなどを紹介していきます。コンピュータ版を受けるかどうか迷っている方の参考になれば嬉しいです。
結論から言うと、IELTS コンピューター版はとてもオススメです。最大の理由は、
- 集中できる
- ストレスが少ない
- ライティングが楽
- スコアが早くわかる
以上の4つです。これらの理由だけ知りたいという方は、目次から「IELTSコンピューター版のメリット」に飛んでください。
IELTSコンピューター試験の受け方
受けられる団体
ペーパー版同様に、IELTS は以下の団体が運営する公式テストセンターで受けられます。
- JSAF(IDPと共同運営)
- ブリティッシュ・カウンシル
- 英検(ブリティッシュ・カウンシルと共同運営)
- UK PLUS(ブリティッシュ・カウンシルと共同運営)
私は前回のペーパーも今回のコンピュータも、両方 JSAF で受けました。会場もきれいでスタッフさんも感じが良いです。
▼運営団体の違いについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
こんにちは。まじめです。 ようやく2020年7月にIELTSでoverall 6.5を取得しました。 2019年9月に初めてIELTSを受験してから約10ヶ月間で8回受験し、かつIELTSの試験が受けられる3運営団体すべてで受験しました。 […]
受けられる場所
コンピュータ版は以前まで東京・大阪の2拠点でしか受けられなかったのですが、現在(2022年8月)はUK PLUS が運営するテストセンター@名古屋でも受けられそうです。
申し込み方法
団体によって、ペーパー版と多少異なるところもあるみたいです。
私が受けた JSAF は特にペーパー版と変わりなく、公式HPの申し込みフォームから手順に沿って進むだけで問題なく申し込めました。
英検とUK PLUS はブリティッシュ・カウンシルと共同運営なので、申し込みの際はブリティッシュ・カウンシルのサイトに飛ぶようです。ご自身が受けたい団体のHPをチェックしてみてください。
ペーパー版との共通点・違い
試験科目の順番(R,L,W)
仮に午前中にペーパー版を受ける場合、科目の順番は、午前中にライティング→リーディング→リスニングと進み、お昼休憩をはさんで午後にスピーキングという流れになります。
午前中 | ライティング | 60分 |
リーディング | 60分 | |
リスニング | 約30分 | |
お昼休憩 | 1時間ほど(スピーキングの時間によって異なる) | |
午後 | スピーキング | 約20分 |
受付からスピーキングが終わる最後までを合わせると、大体6時間くらいかかります。完全に一日潰れますね…。
一方で私が受けたコンピュータ版は、午前中に スピーキング→お昼休憩→リスニング→リーディング→ライティングという順番です。L→R→Wの流れは、午前だろうと午後だろうと変わりません。
午前中 | スピーキング | 約20分 |
お昼休憩 | 1時間ほど(スピーキングの時間によって異なる) | |
午後 | リスニング | 約20分 |
リーディング | 60分 | |
ライティング | 60分 |
この順番が良いかどうかは、本人がどの科目を得意としているかによって変わるかと思います。私の場合、頭が働いていない状態でいきなりのスピーキングは結構きつかったです。
ライティングという(個人的には)一番重いタスクが最後ということで憂鬱でしたが、思った以上に集中力は続きました。
スピーキング
スピーキングテストは、ペーパー版もコンピュータ版も対面で行います。TOEFLのようにパソコンに直接録音するタイプのテストもありますが、IELTSは対面です。
コンピュータ版は人数が少ないため、会場には私以外の受験者はいませんでした。待ち時間は全くなく、指定時間に到着して受け付けからテストが終わるまで、合計25分でした。
スコアの発行
ペーパー版よりも成績証明書の発行は早いです。大体3~5営業日以内にはオンラインで確認でき、紙の成績証明書も約1週間で届きます。
私の場合は火曜日の午後に受験して、その3日後の金曜日の夕方 16 時頃にはすでにオンラインで確認できました。証明書もその翌日には届きました。
もちろんこの証明書は、IELTSペーパー版と同じように使えます。
パソコン操作
普段からパソコンに慣れていれば、まったく問題ないです。慣れていない人もマウスとキーボードさえ使えれば問題ありません。
とはいえ慣れている人もそうでない人も、運営団体が提供するチュートリアル動画などは事前に見ておきましょう。これを見ると見ないので、当日のパフォーマンスが大きく変わってきます。
IELTSコンピュータ版のメリット
冒頭にもお伝えした通り、IELTS コンピューター版はとてもおすすめです。以下がその理由です。
- 集中できる
- ストレスが少ない
- ライティングが楽
- スコアが早くわかる
集中できる
私が受けたテストセンターでは、個人ごとにブースが区切られていました。この間仕切りがあるおかげで、他の受験生やスタッフの動きなどで集中力が途切れることはありませんでした。
ペーパー版は試験会場も大きく隣の人と長机を共有するケースもあるので、何かと隣や前に座っている人の動作が気になったりします。「あの子、消しゴムでめっちゃ消して書き直してるな…今から間に合う???」など、余計なことを考えずに済みます。
リスニングはヘッドフォンを使用しますが、希望者はリーディングやライティングの間もヘッドフォン装着が許されています。
私は耳栓替わりに使用しましたが、かなり快適でした。周りのタイピングの音なども気にならず、終始静かな環境でテストに向きあえるという感じでした。
ストレスが少ない
IELTS コンピュータ版はペーパー版に比べて一度に収容できる人数が少ないみたいです。実際、私が受験した時も私を含め受験者は7人でした。
少人数なので受付はかなりスムーズで、5分もかからず試験の説明が始まりました。ペーパー版は人数が多いので、全員が席に着くのを待つ時間も長く、その待ち時間に緊張感がどんどん高まってきます。
一方コンピュータ版は問題用紙を配ったり回収する時間がないので、待ち時間のようなものがありません。午後の部(L,R,W)は最初のガイダンスを含めて3時間ピッタリで終わりました。
皆さん最大の(?)懸念事項であるトイレの心配もありません(ちなみにトイレルールはペーパー版と一緒です)。スピーキングも同日実施のため、全教科併せて5時間弱で終了しました。
待ち時間が少ないことや、トイレの心配がないことで小さなストレスが減り、ペーパー版よりも疲れが少なかったように感じます。
ライティングが楽
ライティングについては紙に書くよりも、キーボードでタイピングするほうが圧倒的に速く多く書けます(普段からタイピングに慣れている方に限りますが)。
Task 1,Task 2ともに文字数が自動カウントされますし、コピペ機能も使えます。
IELTSのTask 2 では論理展開が重視されますので、文の順番が大切。「この一文は前に持ってきたほうがいいかな?」なんて思ったときに、コンピュータ版ならカット&ペーストを使って1秒で書き換えられます。
ただ一点注意して欲しいのは、ついつ書きすぎてしまうこと。書きすぎによって、無駄な一文(unrelevant)を入れてしまったり、スペルミスや文法ミスが発生する可能性があります。そのせいで逆にスコアが下がってしまうことも。
このミスは実力がすでに OA 6.5 ~ 7.0くらいの人に発生しそうな気がします。IELTSの Task 2 は、長い文章=良い文章ではありません。短くて筋肉質な文章を目指しましょう。
スコアが早くわかる
ペーパー版の場合、スコアがわかるまでに約2週間かかります。2週間って結構長く感じませんか? 特に切羽詰まっている状況では、なるべく早く結果を知りたいですよね。
UtoGo Academyの生徒さんも、その2週間は結果が気になって勉強に集中できないという人が多いです。特に手応えを感じた時ほど要注意。変な余裕が生まれてしまって、これまでの勉強習慣が崩れる可能性があります。
コンピュータ版ならスコアが早くわかるので、結果を見てすぐに勉強内容を反省・改善することができます。
IELTSコンピュータ版のデメリット
リーディング
PCの画面上で英文を読むのに慣れていない人は抵抗があるかもしれません。右側に設問が並び、左側に問題文が表示されています。
また紙のように自由に線を引いたり、印をつけたりできません。本文中にハイライトやメモは取る機能はありますが、実際そのノートを開いて見返す時間はないと思います。私も試しに使ってみましたがあまり意味はなかったです(むしろ数秒ですが、時間をロスしたかも?)。
文字の大きさは最初に選べます。私は何のためらいもなくXLを選びましたが、ちょうど読みやすいサイズでした。
リスニング
ペーパー版のように、最後にゆっくり書き写す時間はありません。見直す時間は2分しかなく、とにかく一瞬一瞬が勝負という感じで答えを選んでいきます。
またペーパー版と違って設問文の並びが横のものがあるので、注意が必要です。zの文字を描くように、目をジグザグ動かしながら問題を聞きます。
もう一つ気を付けたいのが、表にチェックボックスを入れるタイプの問題です。表に直接チェックマークを入れるのですが、その表の理解が一瞬でできないとパニックを起こします。
実際に私も事前にサンプル問題を解いていたけれども、当日パニックを起こしました。設問文と表の理解を一瞬で行い、同時に問題を聴くというのはかなり難しい。Part 2 または Part 3 で出題可能性がありますので、しっかり対策して臨みましょう。
問題の先読みですが、これはコンピュータ版でも可能です。画面下にずっと問題 No. が振られたバーが出ているので、番号を押せば先のパートに飛んで問題を見ることができます。
コンピュータ版はスコアにどんな影響があるか?
結局コンピュータ版のほうがスコアが上がりやすいのか?というのが皆さんの知りたいところですよね。
結論、そんなことはないと思います。
でもこれは明らかに勉強不足が要因であり、コンピュータ版だから下がったというわけではありません。
この記事で紹介したコンピュータ版ならではの快適さはありますが、スコアへの影響度を考えると微差程度なのではと思います。
まぁふつうに考えて、形式が違ったらスコアに大きな差がつくような試験じゃダメですよね。IELTSは良い意味で奇跡が起こらない、実力しか反映されない試験だと痛感しました(ライティングの採点は厳しすぎると思うけど!)。
まとめ
今回の記事では、IELTSコンピューター版試験の受け方、メリット・デメリット、実際に受験した感想などをお伝えいたしました。
ペーパー版とコンピュータ版の両方を受けましたが、いずれにしろ IELTS は手ごわい試験だな~というのが感想です。英語がある程度できる人でもちゃんと試験対策をしなければスコアは伸びないし、逆に試験対策に偏っていてもスコアは伸びません。
試験を受けること自体は憂鬱ですが、自分の実力を直視するには最善の方法だと思います。ぜひこの記事を参考に、皆さんもコンピュータ版 IELTS を試してみてくださいね。