本文は読めているのに正解に辿り着けない。バンドスコア 6.5 の壁をなかなか超えられない多くの方が抱くお悩みですね。
バンドスコアを 0.5 点上げるためには、プラス4問以上正解したいところです。では一体どこでどう稼ぐのが効率的かつ確実なのでしょうか。個人的には穴埋め問題を攻略するのが一番効果的かつ確実な戦略と思います。
IELTS には様々な問題形式がありますが、中でも穴埋め問題は比較的簡単。逆にここを落としてしまうと、6.5 以上を目指すのは厳しくなってしまうでしょう。
そこで今日は、IELTS の穴埋め問題の解き方のコツとしてスキャニング、パラフレーズ、品詞の見極め方について解説します。この記事を読めば、穴埋め問題を解くポイントが分かり、解くスピードも各段と上がるはずです。
穴埋め問題とは
さて、穴埋め問題とは一体どのような形式なのか、まずは例を見てみましょう。
以下は IELTS の公式問題集13 TEST 2 のリーディングパッセージ1から一部引用しています。少し長いですが、まず本文を読んでみましょう。
文字が小さくて読みにくいですね…。携帯の方はこちらを参照してください。PCの方はすっ飛ばして問題文をご覧ください。
Bringing cinnamon to Europe
Cinnamon is a sweet, fragrant spice produced from the inner bark of trees of the genus Cinnamomum, which is native to the Indian sub-continent. It was known in biblical times, and is mentioned in several books of the Bible, both as an ingredient that was mixed with oils for anointing people’s bodies, and also as a token indicating friendship among lovers and friends. In ancient Rome, mourners attending funerals burnt cinnamon to create a pleasant scent. Most often, however, the spice found its primary use as an additive to food and drink.
引用:Cambridge University Press . (2018) Cambridge IELTS 13 Academic Student’s Book with Answers with Audio: Authentic Examination Papers (IELTS Practice Tests) ,Cambridge English.
問題文はこちら。
本文を読んで、1~3の空欄を埋めてくださいという問題です。今回は略表になっていますが、要約文や略図のときもあります。
穴埋め問題の解き方のポイント
ではここから実際どのように解いていけば良いのか、ポイントを解説します。
ポイント①:何ワード抜き出すのか、必ず〇印をつける
問題文の最初のところで “Choose ONE WORD ONLY from the passage for each answer” 「本文中から1語以内で抜き出しなさい」など、必ず単語数が指定されています。この指定された語数に、必ず〇印をつけてください。
めちゃくちゃ当たり前のことなのですが、試験中に緊張したり、時間がなくて焦ってくると、ついこの確認を忘れてしまうことがあります。せっかく「3単語までOK」と指示があるのに、無理やり1単語だけ選んで不正解になってしまう。もったいないですよね。
当たり前のことほど、普段から実行する癖をつけましょう。
ポイント②:スキャニング・スキルを使いこなす
スキャニング・スキルについては、皆さんもうマスターしていますか?
復習ですが、スキャニングとは「必要な情報(キーワード)を素早く見つける」スキルのこと。「ウォーリーを探せ」とほとんど同じスキルです。
問題を解く際は、まずどのパラグラフから語句を抜き出すか5秒以内に見抜きます。
「5秒はさすがに無理でしょ」と思う方もいるかもしれません。しかし、本文を一回読んでいれば5秒以内で該当するパラグラフを見抜くことは十分可能です。実際、留学生向けの英語クラスでは5秒以内で単語そのものを見つけるトレーニングをしています。
問題は「どの単語がスキャンすべきキーワードなのか?」を瞬時に判断できるか。
ここに正解に辿り着けるかどうかがかかっています。
例題は Biblical times と Ancient Rome がスキャンすべきキーワードです。なぜならこの二つの違いや特徴がそれぞれ表にまとめられているからです。
まずはこの二つのキーワードを本文内で5秒以内に見つけましょう。
見つかりましたでしょうか。無事見つけた方は、次にもう一度問題文に目を通します。
例えば一つ目の空欄は “added to~” に続く単語を当てる問題。
added とあるので、cinnamon が主語となる受動態の文と考えるのが自然ですね。「何がシナモンに加えられたのかな~」と考えながら答えのヒントを探っていきましょう。
ポイント③:パラフレーズがにおう箇所を探せ
さて、本来は英語の意味から正解を見つけてほしいのですが、ここでは思いっ切りテクニカルな解き方をご紹介します。
『【IELTS のリーディング攻略法】戦略・解き方・勉強法・ポイントをざっくり解説します』で書いたように、IELTS のリーディングを制覇するのにパラフレーズは欠かせません。パラフレーズは「言い換え」という意味です。
この穴埋め問題も、どこがパラフレーズされているかに気づくことが出来れば、ほぼ 100 %正解できます。
・・・
・・・
答えは “mixed with” です。「加える」と「混ぜる」はほぼ同義ですね。ですので1の空欄には added to oils が入ります。
このような感じで、2問目、3問目も同様に本文でパラフレーズされている箇所を特定します。
2問目は
本文:indicate → 問題文:show
本文:among lovers and friends → 問題文:between people
とパラフレーズされているので、2の空欄には本文中の indicate among lovers and friends の間に挟まれている friendship が入ります。
3問目は
本文:a pleasant scent → 問題文:sweet smell
がパラフレーズされているので、「シナモンの甘い香りは〇〇で使われていた」、すなわち funerals が正解となります。
ポイント④:本文は具体的、問題文は抽象的
さて、上の問題を見て何かお気づきになりましたでしょうか。
実は IELTS の問題って、本文よりも問題文の方が難しい言い回しをしているんですよね。だいたい本文で具体的に書かれていることが、問題文では抽象的に言い換えられています。
抽象的な文だから、こちらとしては自信を持って回答を選びにくい。でも大丈夫です。慣れれば抽象的な言い回しでも、きちんとした根拠をもって正解を選べるようになります。
穴埋め問題はほとんど本文の流れに沿って順番通りに語句が問われます。なので、基本的には本文に沿って語句を探していけばOKです。
ポイント⑤:品詞を見極めてから単語を探す
品詞を見極めるのも大事です。品詞を見極めるには、空欄の前後をきちんと読む。文法をよく理解していれば、品詞はすぐにわかるはずです。
例えば空欄の前に前置詞 in があれば、答えは名詞の可能性が高いですよね。同じように空欄の前に関係代名詞の that があれば、答えは動詞の可能性が高いはず。そうやって候補となる本文中の単語を絞ることが出来ます。
とはいえ、空欄問題は名詞が入ることがほとんどです。
名詞ですので、書き写す際は
- 単数/複数
- 冠詞
- スペル ※固有名詞のつづりとか特に
- 前後の前置詞と意味的に/イディオムとしてつながるか
に注意を払ってください。
たまに形容詞や数字(〇%とか)が入ってくることもあります。品詞の見極めは、精読するときに普段から品詞を意識して読むことで身につきます。そのために文法の勉強も同時進行でしていきましょう!
目的意識をもって解く
最後に筆者たちのおすすめの勉強スタイルをご紹介します。
穴埋めが苦手な方は、ずばり穴埋め問題だけ徹底的に集中して解きまくってみてください。期間は1日とかでも良いです。毎回丁寧に Reading passage 1 から順に解く必要はありません。
練習するときは
「今日はスキャニングを意識して解くぞ」
とか
「今日はパラフレーズを徹底的に探すぞ」
とか、自分なりのゴールや目的を意識して勉強すると効果的だと思います。
問題量をある程度こなすことは大事です。自分が何となく解き方のコツをつかんだな、と思えるまで集中してやってみてください。やっていけば何となくコツはつかめるはずです。そうして苦手な問題形式を、ひとつずつ得意分野にしていきましょう。
まとめ
スキャニングで答えとなる場所を探し当て、パラフレーズで答えの根拠文を確定する。最後に品詞を確認して正解を正しく書き写す。
これらのポイントを意識することで、穴埋め問題の苦手意識が少しでも払拭できたなら幸いです。
穴埋め問題は得点源に出来る分野です。あと0.5点スコアを伸ばしたい方は、ぜひ試してみてくださいね。
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