IELTS を勉強しているけれど 、
- 「OA5.0〜5.5以上スコアが上がらない」
- 「文法の重要性は理解しているがどの教材を使えば良いかわからない」
と困っている方に向けておすすめの高校英文法教材をご紹介します。
この記事を読むとOA5.5を突破するための文法教材を知ることができます。
おすすめの文法教材と使い方
文法書は大きく2つに分類することができます。一つ目は参考書。二つ目は問題集です。
参考書は英文法を解説している本で、問題集は問題演習が載っている本です。
それぞれ目的が異なり、参考書は文法の理解を深めるため、問題集は理解した内容が実際に解けるようになるためのものです。
ですから文法力を伸ばすには、参考書で理解する⇒問題集を解くという2段階プロセスを踏む必要があります。
問題集は少なくとも3周(3回)解き、1周目は6割、2周目は8割、3周目は全問正解を目安に、徐々に正答率を上げていきましょう。
おすすめ参考書①『Evergreen』
おすすめ参考書:Evergreen
このブログでは何度もご紹介している『Evergreen』(いいずな書店)。まずはメリットとデメリットを見ていきます。
メリット:IELTSのリーディングに出てくる文法項目が網羅されている
例えば、IELTSの公式問題集の Reading Passage 冒頭のこの一文。
この一文は、少なくとも10個以上の文法項目から成り立っています。
例えば多くの人があまり気にしない「コロン」の役割や、形容詞と副詞の役割を担う「前置詞句」など、『Evergreen』ではここに挙げたすべての項目が丁寧に解説されています。
IELTS の Reeading 問題を解いていてわからない文法項目が出てきても、『Evergreen』を引けばほぼ解決できます。
デメリット:独学だと、途中で挫折する可能性がある
『Evergreen』は情報量がかなり多いです。この本を自力で前から順番に進めていこうとすると、挫折する可能性が高いです。
前から順番に読むスタイルではなく、わからない文法項目が出てきた時に、都度確認するという辞書的な使い方がおすすめです。
▼参考
おすすめ参考書②『高校英文法をひとつひとつわかりやすく。』
『Evergreen』が合わない、まだ自分には難しすぎると感じる方は、もう少しとっつきやすくコンパクトな参考書から入ってみましょう。
おすすめは『高校英文法をひとつひとつわかりやすく。改訂版』(学研プラス)。
こちらの教材はイラストが多く、非常にわかりやすくまとまっています。ただ IELTS レベルの文法項目を全て網羅しているわけではありませんので、この教材を一通り理解できたら『Evergreen』に戻りましょう。
IELTSにおすすめの英文法問題集
次に、おすすめの問題集を2冊ご紹介します。
英文法基礎10題ドリル(駿台文庫)※表紙にネコのイラスト
英作文基礎10題ドリル(駿台文庫)※表紙にカメのイラスト
どちらの問題集も「基礎」と書いてありますが、若干難易度が異なります。
『英文法基礎10題ドリル』の方が易しめ(入門者レベル)になっています。英文法に自信がない方は、こちらから始めることをおすすめします。
メリット
これらの問題集をおすすめする理由は、「英作文」を中心とした演習になっているから。これは後の IELTS ライティング対策として、とても重要なポイントです。
文法の問題集には、4択から正しい答えを選ぶような選択問題が多いものがありますね。
このような選択式の問題集は文法の理解を促すには有用ですが、IELTS対策という観点からするとやや非効率。文法を勉強する際にもライティング対策を見据え、一文を正確に書けるようになるまで繰り返し解きましょう。
デメリット
こちらは問題集なので、解説は少なめです。
問題集はある程度の文法知識を持っている人が、それを定着させるために練習量を増やすことが目的です。
こちらの問題集を解く際には、事前に参考書や授業(動画)などで文法項目の概要をおさえた上で、取り組みましょう。
そもそもなぜ文法がIELTS対策に必要か
OA 5.0~5.5 でスコアが頭打ちになる方の特徴
相談にいらっしゃる方の多くが「独学で勉強してきたけれど OA 5.0~5.5 でスコアが頭打ちになっている」と悩んでいます。
これまで何人もスコアが OA 5.5から伸び悩む方をマンツーマンで見てきましたが、皆さん次のような共通点があります。
- 文法の基礎が固まっていない
- IELTS対策に偏っている
まず文法の基礎が固まっていない方は、リーディングで正確に一文を読むことができず、ライティングでも正確に一文を書くことができません。その状態では、OA5.5以上を取るのは厳しいでしょう。
もう一つの特徴は、基礎力を向上させるのではなく、IELTS対策(解法テクニック)に偏っている点です。使っている教材は IELTS の公式問題集が中心という人が多いですが、公式問題集はそもそも6.0以上の実力がないと、自力で解くのはかなり難しいと思います。
余談:まじめの失敗談
私の場合、IELTS 対策で文法が重要だと理解はしていたので、中学英語の文法書を一冊だけ完了させました。しかし終わった時点で、一文を正確に読むことも書くこともできず、さらに正確に話すこともできませんでした。
その理由は2つあります。一つは取り組んだ文法書が簡単すぎたこと。
IELTS に必須の高校英文法の範囲は勉強せず、中学英文法の範囲だけを勉強して文法を理解した気になっていました。
そして二つ目は、問題集を1周しか解いていないこと。
英語の教材は何でもそうですが、1周だけでは不十分です。何周もして100点を取れるまで徹底反復すること。これが英語を勉強する姿勢として大事だと今なら断言することができます。
これはぜひ覚えて頂ければと思います。
また IELTSの公式問題集は、最終的には必ず取り組むべき教材ではありますが、スコアが5.0~5.5で頭打ちの方が取り組むにはまだ早いと思います。
それよりはまず、基礎力を向上させることを優先しましょう!
OA 5.0~5.5 で頭打ちになる人の科目ごとの特徴
リーディング
リーディングで伸び悩む方の特徴は、ノリで何となく読んでいる、です。
知っている単語だけを繋ぎ合わせて読む単語の拾い読み。当然、ノリで読むだけでは意味を正しく取ることができません。
例えば、IELTSで必ず出題される True or False、Not Given 問題は「詳細の情報を正しく速くつかめるか」が問われています。
これは「正しく」と「速く」を両立させないと正解することはできません。
ノリで読んでいると「速く」読むことはできても(本当は読んだつもりになっているだけなのですが)、「正しく」読めません。結局不正解を乱発し、スコアが伸び悩んでしまいます。
もしご自身が「ノリ読み」をしているのなら、文法の基礎をしっかり固めて、精読力をつけて正しく読む勉強法に努力の方向を切り替えましょう。
ライティング
ライティングで頭打ちになる人の特徴は、一文を正しい文法で書くことができず、使っている文法項目も少ない傾向があります。
ライティングには Band descriptorというIELTS 側が設定した評価基準があります。
そこに「Grammatical Range and Accuracy」という項目がありますが、「Grammatical Range」は文法の種類や幅の広さ、「Accuracy」は正確さという意味で、この両方をクリアできないとスコアは上がりません。
例えば正確に一文を作ることができても、使っている文法が中学1~2年生で習う簡単なものであったり、文の構造がワンパターンの場合、スコアは伸びていかないのです。
これが、文法を学ぶ際は英作文の問題集を使うのをオススメする理由です。
まとめ:OA5.0~5.5で頭打ちを突破するためのポイント3つ
OA 5.0~5.5 で頭打ちを突破するためのポイントは3つです。
- 中学はもちろん、高校範囲の英文法を基礎からやり直す
- 文法をやり直す際は、高校英文法の参考書と問題集など、IELTS以外の市販教材を活用する
- 参考書は『Evergreen』を片手に、問題集は『基礎英文法10題ドリル』と『基礎英作文10題ドリル』を最低3周する
文法力を上げるには、英作文の問題集を解きながら参考書を引いて復習するというサイクルを繰り返すことが重要です。
ぜひ目的意識をもって、文法の勉強も頑張っていきましょう!