今日は TOEIC® のリスニングスコアを伸ばしたい人向けに、Part2「応答問題」の解き方のコツや難易度、勉強法について解説していきます。
この記事を読むと、TOEIC® Part2の問題がどのような意図で出題され、その意図にどう対応すればスコアが上がるか具体的なコツがわかります。
TOEIC®Part2攻略6つのコツ
それでは早速 TOEIC® Part2の攻略のコツを6つご紹介します。上から大切な順番に書いています。
- 攻略のコツ1:素直な返答を待つな
- 攻略のコツ2:疑問文をマスターせよ
- 攻略のコツ3:ビジネス関連の語彙力を上げる
- 攻略のコツ4:引っ掛けに引っかからない
- 攻略のコツ5:消去法を活用する
- 攻略のコツ6:潔く諦めよう
では一つずつ見ていきましょう。
攻略のコツ1:素直な返答を待つな
まず一つ目のコツは、「素直な返答」を待たないです。
「素直な返答」とは「普通こう質問したらこう返ってくるだろう」と予測できる返答のこと。
例えば
”Who sent the email?”(誰がメールを送ったの?)
”Tom did.”(トムだよ。)
といった会話のように、 Whoから始まる疑問文だったら普通は「誰が~した」という返事を期待しますよね。
ところが TOEIC®の Part2の応答問題では、こうした素直な返しが正解になるケースはごく一部。初級者でも正解できる最初の5問くらいまでしか、このような問題は用意されていません。
これは TOEIC® が初級者から上級者までのスコアを測るテストという性質に由来します。
上級者の英語力を測るにはそんな素直な答えが正解ではダメなので、色々とひねってくるのです。
ではどのような問題が出されるのでしょうか。
示唆の理解が必要なパターン
No.15 What time is the concert?
(A) No, I need a new one.
(B) The tickets were sold out.
(C) The workshop next month.
出典:『公式 TOIEC® Listening & Reading 問題集7』TEST1、Part 2
例えばこの問題。
“What time is the concert?” (コンサートは何時?)と聞かれたら、普通は「○時~始まります」という答えを予測します。
ところが選択肢にそのような返事はありませんね。
この問題の正解は(B)。 「チケットはもう売り切れです」と返して、「もうコンサート行くのは無理だよ」というのを暗に示唆しています。
事前にチケット売り場のやり取りと知っていたら意味が通じますが、友達との会話を想定して聞いていたら、いくら英語自体が聞き取れたとしても「チケットもう売り切れなんだよね」という選択肢は、即座に正解として選べないと思います。
暗に示唆している返答を選ぶ問題は、普通の返答を期待していたら解けないパターンの一つです。
質問への質問返し
二つ目のパターンが、質問への質問返し。
No.17 Should I buy this black jacket or the blue one?
(A) Less than ten miles away.
(B) Because it’s sunny outside.
(C) Which one is warmer?
出典:『公式 TOIEC® Listening & Reading 問題集7』TEST1、Part 2
“Should I buy this black jacket or the blue one?”(黒のジャケット買うべきかな?それとも青かな?)と聞かれたら、普通は「黒(青)の方を買うべきだよ」といった返事が予測できます。
でもみなさん、もうわかりますよね。そんな素直な返しは選択肢にすらありません。
正解は(C)の “Which one is warmer?”(どちらがより暖かいの?)という、質問に対する質問返しパターン。
このように「普通はこういう返事が返ってくるよね」という決まった期待を持ちすぎずに聞くことが高スコアを取るための大事な心構えです。
攻略のコツ2: 疑問文をマスターせよ
2つ目のコツは疑問文の攻略です。
TOEIC®の Part2は8割以上が疑問文。疑問文にも色々な種類がありますが、絶対に抑えておきたいのは WHから始まる疑問文です。
疑問文は他にも様々な種類があります。
- 否定疑問文
- 付加疑問文
- 選択疑問文
- 間接疑問文
- 提案や申し出を表す疑問文
最後の「提案や申し出を表す疑問文」というのは、”Would you like~?”(~はいかがですか?)といった、疑問文の形をしているけど実は提案というタイプの疑問文です。
このタイプの疑問文もよく出ますので、しっかり対策しておきましょう。
問題文の最初の3単語を聞き取る
問題文、特に疑問文は最初の3単語目までが勝負です。ここを聞き逃すとほぼ正解に辿り着けません。
・”How many people ~” (How から始まる疑問文)
・”When should we~?”(When+助動詞+主語)
・”Didn’t you take~”(否定疑問文)
のように、最初の3単語に正解に辿り着くヒントが散りばめられています。
本記事ではそれぞれの疑問文について詳しく解説はしません。ここに挙げているような問題集を解いて色々な疑問文のパターンに慣れておきましょう。
▼オススメ問題集
Part1と2に特化した「特急」シリーズ。お手頃な価格で初心者向け。
全パートを網羅した「試験対策の技術」に特化した一冊。スコアが上がりやすい順に解説されているのが特徴で、Part2は一番最初に学ぶパート。
攻略のコツ3:ビジネス関連の語彙力を上げる
3つ目のコツはビジネス関連の語彙力を上げることです。
Part1では「主語と動詞の聞き取りに集中」とお伝えしましたが、Part2からは主語と動詞以外の単語も聞き取れる必要があります。特にTOEIC®頻出のビジネス用語や決まり文句などはなるべく覚えておきましょう。
ビジネス用語の例
supplier | 納入業者 |
real estate agent | 不動産業者 |
luncheon | 昼食会 |
shipment | 積み荷、発送品 |
firm | 企業、会社 |
mechanic | 整備工 |
human resources | 人事部 |
語彙力アップは焦りを減らす
ちなみにこれらの語彙が必ずしも直接正解に結びつくというわけではありません。
本当は簡単な問題も、知らない単語が出てくるだけで焦ってしまうことってありますよね。Part2は答えを選ぶ時間は5秒しかありませんから、焦りは禁物。
知らない単語に気を取られずに「一体何を質問されていて、どの答えが最も自然な返答なのか」内容全体をくみ取れるようにしていきましょう。
また新しい単語を覚える時は必ず正しい発音で覚えるようにしてください。次の4つ目のポイントに繋がってきます。
攻略のコツ4: 引っ掛けに引っかからない
4つ目の攻略のコツはPart1同様、引っ掛けに引っかからないこと。特に聞こえてきたそのままのキーワードは避けるようにしましょう。
似た音で引っかからない
Part2はリスニング問題なので、当たり前ですが「似た音」で引っ掛けようとしてきます。
例えば
・temporary(一時的な) と contemporary(現代の)
・able(できる)と table(テーブル)
・note(メモを取る)と notebook(ノート)
など。この「似た音」の引っ掛けさえ引っかからなければ、Part2のほとんどの問題で消去法が使えます。
攻略のコツ5:消去法を活用する
5つ目の攻略のコツが消去法です。
TOEIC®では、Part2だけが3択問題になっています。つまり、一つ選択肢が消せれば50%の確率で正解が選べるのです。
自信をもって正しいものが選べなくても、他の2つが確実に間違いなら正解にたどり着けるのです。消去法を使わない手はないですね。
消去法が特に使えるのは、さきほど解説した
- 示唆の理解が必要な問題
- 質問への質問返し
- 似た音で引っ掛けてくる問題
です。特に1番と2番は消去法を使わなければ正解を選びにくいので、ぜひとも消去法を使っていきましょう。
攻略のコツ6:潔くあきらめる
6つ目の攻略のコツは、わからなかったら潔く諦めるです。
攻略のコツ2でも書きましたが、Part2は出だしの3単語がとにかく重要。ここを聞き逃すとアウトです。
Part2は答えを考える時間が約5秒しかありません。わからなかった問題にいつまでも固執してると、あっという間に次の問題が始まってしまいます。
わからなかったらさっさと諦めて、次の問題の出だしに集中する。この切り替えがとても大事です。
Part2は精聴力をあげれば満点を取れる
さて、ここまでは試験対策としての攻略のコツをご紹介してきました。
最後にPart2の難易度と本質的な勉強法について少しだけ触れたいと思います。
Part2の難易度
Part2はリスニングの中で12.5%を占めており、高スコアを取るにはできるだけ正解したいパートです。
一見簡単そうに見えますが、意外と難しいのがPart2。
なぜなら情報量が少ないため推測が効かず、精聴力と集中力が必要だから。
Part3や4は長い会話やスピーチになるので、少し聞き取れなかったとしても内容を推測する事ができます。
しかしPart2ではこの技術が使えません。一言一句、ほぼ正確に聞き取る力が求められます。
本質的なリスニングの勉強を
ということで今日ご紹介した攻略のコツと併せて、リスニング力を上げるための練習も同時に行っていきましょう。
リスニングを練習する際は、必ず耳を使うことを意識してください。
例えば音が似ている When と Where の聞き分けが苦手な人は、聞き取れるようになるまで何度も繰り返し音声を聞きましょう。出来れば自分も声に出してみます。
リスニング力は耳と口を使ってでしか向上しません。
たくさん聞く多聴、一言一句聞き取る精聴、そして何度も声に出して読む音読の3つを組み合わせて、英語を英語のまま理解する英語脳を鍛えていきましょう。
詳しくはこれらの記事で書いてますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
みなさんの頑張りが TOEIC®の目標スコアに届きますように!
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