TOEIC®の 全パートの中で、最も受験者を悩ませるのがPart7。難易度もそうですが、まず英文のボリュームに驚く人が多いのではないでしょうか。
そんなボリュームの多い TOEIC®Part7を攻略するには、解くスピードを上げることが欠かせません。
本物の英語力を上げると同時に、今日はTOEIC®対策としてPart7の解くスピード&正解率を上げるコツを解説したいと思います。
具体的にはPart7の頻出文書や設問タイプ、マルチプルパッセージの解き方などを説明します。
この記事を読めば、大量のリーディングに圧倒されることなくPart7の解き方のコツをつかんで頂けるはず。
それでは早速確認していきましょう。
今日はリーディングに関する二大お悩みについてお話ししたいと思います。 TOEFLやIELTSの場合、限られた時間内で大量の英文を読み、さらに問題を解かなければなりません。速く読もうとすれば内容が頭に入らず、ゆっくり読むと時間が足りなくなる…[…]
TOEIC®Part7の解くスピードを上げる対策
TOEIC®Part7の解くスピードを上げるには
- 情報処理力を駆使する
- 頻出文書の読み方に慣れる
- 設問タイプを知る
の3点が重要です。
一つずつ解説する前に、ここで時間配分について確認しておきましょう。
TOEIC®Part7の時間配分
Par7の時間配分の目安は 55分。リーディングセクションは全体で75分なので、Part6までの46問を確実に20分で解かないといけないということになります。
正直、55分残せたとしても、最後まで解き切れる人は少ない。
Part7の問題数は全部で54問。そのうちシングルパッセージが10題、ダブルパッセージとトリプルパッセージが合わせて5題、計15題という構成です。
単純計算だと1問1分で解くことになりますが、中には1分もかからず解ける問題もあります。またその逆もしかりです。
1問を1分で解くというよりも、シングルパッセージ10題を25分、マルチプル(複数)パッセージ5題を20分で解くことを目安にし、55分以内で54問全部を解けるよう練習していきましょう。
対策1:情報処理力を駆使する
先ほどの3つのポイントに話を戻します。
Part7を解くスピードを上げるコツの一つ目が、情報処理力を駆使するです。
情報処理力の話は Part6の記事で解説しましたね。簡単に言うと、持っている背景知識を利用し必要な情報をすぐに見つけられる力のこと。
Part7はパッセージのボリュームも増えるので、情報処理力は必須の力。シングルパッセージでも重要ですが、特にダブルパッセージ、トリプルパッセージを読む時に活躍するでしょう。
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対策2:頻出文書の読み方に慣れる
欲しい情報を素早く見つけるには、予めどこにどんな内容が書かれているか文書の型を知っておく必要があります。
TOEIC®のPart7に頻出の文書には以下のようなものがあります。
メール | web サイト |
チャット | フォーム |
手紙 | 広告 |
アナウンス | 記事 |
ここに挙げた文書については、出来れば一度は解いておきましょう。
チャットやメールは頭から読んでストーリーをつかむ
チャットやメール、手紙はその文書の特性上、頭から順に読まないと流れが理解できないようになっています。
メールの場合は件名(subject)があるので、件名から内容を推測することもできますが、それでも上から読む必要があります。
チャットはさらにその傾向が強く、話者のやり取りの流れを上から追うしかできません。文脈が大事になってきますので、会話の流れに注目しましょう。
またチャットの場合、登場人物は2人とは限りません。2~3人でやり取りする会話も多々あるので、必ず誰がどの発言をしているか確認するようにしましょう。ここは焦らず引っ掛けに引っかからないことが大切です。
見出し(タイトル)を読んで内容をイメージする
チャットやメールと違い、上から順に読まずとも見出し(タイトル)で概要を把握できる文書もあります。
webサイト、フォーム、広告、記事などは文書の始まりか中央にたいてい大きな見出しがあるので、必ず確認するようにしましょう。
表も同じです。記入フォームやサービス・製品の説明、スケジュールなどは一覧表で書かれていることが多いです。
表の場合は全部を精読するのではなく、
- 何についての表か
- 縦軸
- 横軸
これら3点をさっと確認して、設問に対応する部分を精読すれば解けるはずです。
対策3:Part7の設問タイプを知る
Part7の設問タイプは主題、語彙、文挿入位置、内容一致、NOT問題など多岐にわたります。
設問から読む
速読によほどの自信がない限り、まずは設問に目を通してから本文を読むようにましょう。設問を見て、本文のどの部分を精読しなければいけないか見当をつけるためです。
全体の文脈から解くタイプの問題
主題や目的、語彙問題は、全体を理解し文脈がつかめれば解きやすい問題です。
逆にこれらの設問は、英文全体を読んで複数のキーワードから内容を読み込まないと判断できない問題も多くあります。
文の挿入問位置問題は、ある一文を本文のどこに入れるのがベストかを考えなければなりません。
空欄直後に接続副詞(Therefore~など)が来ていれば前後関係が判断しやすいですが、そこまで分かりやすい問題ばかりではありません。
Part6で説明したように、前後の自然なつながりをTOEIC®は重視します。
挿入される文自体に必ずヒントがありますので、まずはパラフレーズ(言い換え)や代名詞、副詞などに着目しましょう。
it が何を指しているか、that がどの文(またはパラグラフ)全体を受けているかなどを考えながらベストな位置を選びます。
選択肢を一つひとつ見ていくタイプの問題
いっぽう内容一致問題や NOT 問題は、選択肢を一つひとつ潰しながら解くタイプの問題。解くのに時間がかかる設問です。
内容一致問題は、複数の文書を照合して正しい内容を選ぶ必要があります。もちろんシングルパッセージでも出題されます。
引っ掛けの選択肢が用意されていることが多いので、詳細をしっかり理解して読み進めるようにしましょう。
また NOT 問題(何が含まれていないかを見つける問題)も、地道に選択肢を一つずつ消していく必要があります。時間がかかるのは仕方ないので、焦らず確実に正解を選ぶようにしましょう。
NOT 問題の場合も選択肢が本文とは違う言葉に言い換えられていることが多いので、日頃からパラフレーズを意識して解くようにしてみてください。
ダブルパッセージ&トリプルパッセージの解き方
Part7の最後の5題は、ダブルパッセージとトリプルパッセージになります。
文書が2つから3つに増えますが、そこまで怖がる必要はありません。
シングルパッセージよりもトリプルパッセージの方が量が多いので難しいと思うかもしれませんが、設問の難易度でいうとシングルパッセージ後半のほうが難しいケースもあります。
ダブルパッセージ、トリプルパッセージになると情報量が増えるので逆に解きやすいことも。
いずれにせよ、どこに何の情報があるかパッと見つけられる情報処理力がここでもカギとなりますね。
トリプルパッセージの場合は図1にあるように、次の手順で解いてみてください。
- 各パッセージの種類を見る(指示文に書いてある)
- 1つ目と2つ目のパッセージをざっと読む
- パッセージ同士がどんな関係か理解する
- 設問を読む
- 該当箇所を精読する
メールとその他の情報照合問題
ダブルパッセージ、トリプルパッセージで一番多いパターンは、メールと組み合わせる問題です。
商品チラシ、案内、webサイト、履歴書などが一つのパッセージとしてあり、もう一つがそのパッセージに関連する問い合わせ、クレーム、挨拶、変更点などを記したメールになっているケースがほとんど。
メールは頻出です。差出人、宛名、件名を確認し、あいさつ文、本文、締めくくりの流れに注意して読み進めていきましょう。
メールの差出人と宛名を逆にした引っ掛け問題に引っかからないよう注意してくださいね。
TOEIC®Part7対策おすすめ参考書
TOEIC®Part7対策ですが、基本的には公式問題集でカバーできると思います。公式問題集はテストが2つ分、全部で30題、計108問載っています。
まずは公式問題集の精読→速読を2~3回繰り返すことをおすすめします。
TOEIC®Part7対策のまとめ
それでは最後にまとめです。
TOEIC®のPart7はとにかく解くスピードを上げるのが大事。そのためには
- 情報処理力を駆使する
- 頻出文書の読み方に慣れる
- 設問タイプを知る
の3点がポイントでした。
しかし何より重要なのは
この一言に尽きます。本質的な速読・精読力の向上です。
スピードと正確さはトレードオフのように見えますが、地道な精読と速読を繰り返していけば誰でも身につけることが可能です。
ただしそこに辿り着くまでに、果てしない努力と時間が必要なのも事実。
みなさんがTOEIC®のスコアを上げたい目的は何ですか???
決してスコアを上げることがゴールではなく、その先に目的があるはずです。