今日は IELTS 初心者の方がやりがちな残念な勉強法5選についてお伝えいたします。
この記事は
- IELTS (Academic) をこれから勉強しようと考えている人
- IELTS の勉強を始めたけれど自分のやり方は合ってるのか?と疑問に思っている人
- ある程度勉強してきたけど、OA 5.5ぐらいで伸び悩んでいる人
に向けて、間違った勉強法による回り道を避け、正しい勉強に向かうための方向性を示せたらと思っています。
この記事を読めば、これからIELTSの勉強を始める方もすでに始めている方も、残念な勉強法に走るのを防ぐことができます。ぜひ最後までご一読ください。
1.英語ができる人のアドバイスを参考にしてしまう
残念な勉強法の一つ目は、「英語ができる人のアドバイスを参考にしてしまう」です。
勉強計画を立てるとき、多くの方が IELTS 経験者のブログや YouTube を参考にしていると思います。
もちろんそれは間違いではないのですが、注意すべき点があります。
それは、「たった3ヵ月の独学で 8.0達成しました!」的な体験談を鵜呑みにすることです。
こうした記事はモチベーションもあげてくれるし、「もしかしたら自分も 3か月で 8.0達成できるかも!?」という期待を抱かせてくれます。
しかし、3か月で OA 8.0 という数字は偉人レベルの数値。
もしそれが本当であれば、おそらく
- もともと英語がかなり得意
- もともと受験勉強や資格勉強が得意
- 圧倒的な努力が出来る
- IELTS最優先のスケジュールが組める
のどれか、または複数に当てはまる人だと思います。いわゆる凡人には真似できないレベルの人たちです。
なのでこうしたサクセスストーリーは参考にせず、経験者をまねする場合は
- 自分と同じくらいの英語力から始めた人
- 自分と似た立場で勉強している人(会社員、学生、自営業など)
- さんざんしくじり、失敗経験を語っている人
- 自分が得意な勉強法と似ている人
を参考にしてみてください。
わたしたちも次のようなブログを書いていますが、実際には「2.5カ月の前に地獄の伸び悩みの半年間」があったことを明記して、みなさんになるべく赤裸々な事実をお伝えするよう気を付けています。
ネットで情報収集するときは、記事を書いている人のバックグラウンドに注意したうえで参考にしてみてくださいね。
みなさんこんにちは。2020年秋からイギリスの大学院留学を目指しているまじめです。 この記事を書いているのは2020年6月なので、残りあと3か月。 [caption id="attachment_2347" align="alignno[…]
2.いきなりIELTSの公式問題集に取り組む
残念な勉強法の2つ目は、「いきなりIELTSの公式問題集に取り組む」です。
一つ目のポイントに関係しますが、勉強する際は「何をどの順番で勉強するか」と、「自分のレベルに合った教材を使うこと」がとても大事。
結論から言うと、現時点で英語力が OA 5.5以下の人には、大学受験用の問題集(長文読解)がオススメです。
IELTS の公式問題集は一体どのレベルの人が使う教材かというと、こんな感じだと思います。
あくまで私がこれまで教えてきた感覚値によりますが、IELTS の Reading で 6.0くらいの実力がついてくると、一人でも公式問題集に取り掛かれるくらいになります。
英検でいうと1級、受験英語でいうと難関私大の問題に取り組めるレベルの人ということです。
なので受験勉強はあまりしてこなかった、高校英語で知識が止まっているという方(大半の方がここに当てはまります)は、IELTS の公式問題集にいきなり取り組むのはお勧めしません。
一つ目の理由は、そもそもの問題レベルが高すぎるから。二つ目は日本語の解説がついていないから。
大学受験用の問題集では、個人的には安河内哲也先生の『英語長文ハイパートレーニング』(桐原書店)から始めるのをお勧めします。細かくS, V, O, C がふってあるので、精読力を高めるのにはもってこいです。音声 CD やチャンクリーディング(音読ページ)があるのも便利です。
3.とりあえずオンライン英会話に申し込む
残念な勉強法の3つ目は「とりあえずオンライン英会話に申し込む」です。
そもそも英会話は身近で簡単?と思われがちですが、実は相当レベルの高いことが求められています。
相手の言うことを瞬時に聞けて(①音声知覚+②意味理解)、自分の言いたいことを考え(③思考)、英語に直し(④英作文)、それを発話(⑤発音)する。
たった数秒間の間に、5つのことを同時に行わなければいけないのです。これはかなり難易度の高いことをやっているということです。
たとえネイティブと話せたと感じても、それは講師のほうがあなたの言っていることを組みとり、わかりやすい英語で返してくれているだけのこと。
そもそも IELTS のスピーキングは「英会話」ではないので、日常会話を練習してもスコアはある一定以上上がりません。
スピーキングの評価基準(Band descriptor)にもあるように、
- ある一定のボリュームでスラスラと話すことができ、
- 様々なトピックに対応した語彙や表現を使用することができ、
- 幅広い文法を正しく使うことができ、
- 母国語の影響が少なく、英語の特徴を抑えた発音で話すことができる
ための訓練をしていかなければならないのです。
もしこれらを意識した英会話レッスンであれば意味がありますので、そのまま続けてOK。
オンライン英会話は、タイミングによってはものすごく良いツールです。基礎固めが終わりある程度の量をインプットしていれば、アウトプットの練習場所として最適です。本番で緊張しないよう場数を踏むためにも、手頃なオンライン英会話はうまく活用していきましょう。
4.とりあえずIELTSの単語帳だけやる
残念な勉強法の4つ目は「とりあえず IELTS の単語帳だけやる」です。
自分の現時点での単語力は考えずに、みんなが使っているからという理由で IELTS の単語帳(本)を買う人が多いです。
いずれにせよ IELTS の単語帳は必要になるので買っておいても良いのですが、もし高校までに習う基礎単語 3,000語が定着していなければ、高校の単語帳からやり直すことをおすすめします。
『英単語ターゲット1900』や『システム英単語』以外でも、メジャーな単語本であればほとんど大差ありません。自分が何となく好きで使いたいと思えるものを選んでください。
「とりあえず勉強時間はこなした」という安心感に浸らないこと
単語勉強をする際に気を付けたいことがあります。
それは「とりあえず勉強時間はこなした」という安心感に浸ること。
忙しくて時間が取れないと、つい「単語だけやって今日の勉強は終わり!」としてしまいたくなります。
もちろん単語は英語4技能全ての土台なので、絶対にやるべきです。でも、単語だけやっていても英語力はつきません。
リーディングやリスニングの中でどう使われているか?文脈が変わるとどう意味が変化するか?など、実際にその単語を使わなければ、単独で覚えても効果は薄いでしょう。
5.いきなりライティングに走る
残念な勉強法の最後は「いきなりライティングに走る」です。
もう少し正確に言うと、ライティングの表現に走るのはやめましょう、ということ。
「見よう見まねでライティングを勉強してきたけど 5.5で頭打ちになってしまった…」 という相談をよくされますが、そうした方のライティングを見ると、たいてい基本的な文法がめちゃくちゃです。何とか文字数は超えているものの、
“Today, ~ is a highly controversial issue in many countries.”
“Different people have different ideas about ~.”
などの決まり文句で語数を稼いでいることが多く、高尚な表現がある一方で基本的な文法のミスもあり、とてもアンバランス。
イントロダクションはやたら上手に書けているのに、肝心のボディ・パラグラフが乏しいと逆に印象が悪くなってしまいます。
Twitter やブログなどでは「こうした表現が使えますよ!」という発信が多いですが、そのような応用表現は基本的な英作文ができるようになってから広げていけばOK。
IELTS のライティングの評価基準を見てみても、
- タスク達成度、回答度(25%)
- 一貫性、論理性(25%)
- 語彙や表現(25%)
- 文法の正確性と幅広さ(25%)
の4つに分かれています。比重はそれぞれ均等に 25%。
つまり語彙や表現力だけ磨いても、他の項目の評価が低ければ高スコアは出ない設計になっているのです。
なので勉強の正しい順番としては、
①文法(単文の英作文)
↓
②リーディング(文章構成を学ぶ)
↓
③ライティング
が良いと思います。
①の文法は全セクションで必要な知識です。数式のように応用が利くので非常にコスパが高いです。目安としては、高校基礎までの英作文問題集を3周する。単文を正確に書けることを目指しましょう。
つづいて②のリーディングですが、やはり良質なインプットなしに良質なアウトプットは生まれません。たくさん良い文章を読んで、説得力のある文とは何か?を量を通して学びます。
ライティングに本格的に取り組むのはそれからでも十分間に合います。むしろこうした基礎をしっかりやった人のほうが、ライティングで 6.5以上を取得しています。
まとめ
今日はこれから IELTS を勉強する方むけにやりがちな残念な勉強法5選という内容でお伝えしました。
- 英語ができる人のアドバイスを参考にしてしまう
- いきなりIELTSの公式問題集に取り組む
- とりあえずオンライン英会話に申し込む
- とりあえず IELTS の単語帳だけやる
- いきなりライティングに走る