今日は IELTS(Academic)のリーディングで出題される問題タイプについて、最も出題頻度が高いものを中心に解説したいと思います。
結論から言うと、6.5以上を取るには「要約、メモ、表、フローチャートの穴埋め問題(Summary, note, table, flow-chart completion)」、「情報識別(TRUE/ FALSE/ NOT GIVEN) 問題(Identifying information)」、「選択肢問題(Multiple choice )」、の3タイプを対策することが必須です。
この3タイプだけで問題の約6割を超え、ほぼ必ず出題されます。
問題タイプ別の対策は、すでにリーディング単体で 5.5 以上持っているが 6.0は安定して取れないという方に、ぜひ取り組んでいただきたいポイントです。
IELTSのリーディング問題11タイプ
IELTS 公式団体のホームページによると、リーディングセクションには全部で11の問題タイプがあります。
No. | Task Type | 問題タイプ |
1 | Multiple choice | 選択肢問題 |
2 | Identifying information | 情報の識別問題 |
3 | Identifying writer’s views/claims | 筆者の見解や主張を特定する問題 |
4 | Matching information | 情報マッチング問題 |
5 | Matching headings | 見出しマッチング問題 |
6 | Matching features | 特徴マッチング問題 |
7 | Matching sentence endings | 文末マッチング問題 |
8 | Sentence completion | 文章完成問題 |
9 | Summary, note, table, flow-chart completion | 要約、メモ、表、フローチャートの穴埋め問題 |
10 | Diagram label completion | 図表ラベリング問題 |
11 | Short-answer questions | ショートアンサー問題 |
参考:https://www.ielts.org/for-test-takers/test-format
この中で最も出題頻度が高いのは、
タイプ9「要約、メモ、表、フローチャートの穴埋め問題」
タイプ2「情報の識別問題」
タイプ1「選択肢問題」
それでは一つずつ詳しく見ていきましょう。
空所穴埋め問題
空所穴埋めタイプの問題で最も多いのが、タイプ9の「要約、メモ、表、フローチャートの穴埋め問題」です。
実際に公式問題集(IELTS 15, 16)を分析してみても、160問中、約30~40%を占めています。
空所穴埋めはタイプ8(文章完成問題)やタイプ10(図表ラベリング問題)もありますが、出題頻度は高くありません。
特徴
・事実描写・論説系など、あらゆるタイプの文章で出題される。
・本文内の詳細を特定するだけの比較的簡単なものから、内容をきちんと理解し、具体的な記述がどう抽象的に要約されているかを見抜く難解なものまで、幅広い。
・パッセージの一部に関する要約が与えられ、所々が空欄になっている。要約文やメモを完成させる形式が多く、表やフローチャートを埋めるパターンは稀。
・本文内の単語を抜き出す、または回答リストから選び要約を完成させる2パターンがある。
求められる力
このタイプの問題に求められる力は、大きく
①空欄に入る単語の品詞を認識する力、
② 情報の詳細を特定する力、
③メインアイデアを理解する力の3つ。
③の力を伸ばすには、段落ごとに一番重要な一文(トピック・センテンス)を見つける練習を日ごろから行う。
最も頻度の高い「要約の穴埋め問題」は精読だけでは太刀打ちできません。
普段から段落ごとの要約をしてみたり、メインアイデアに下線を引いて精読してみたり、重要なディスコースマーカー(接続詞などの道しるべ語)をハイライトしてみたり、パラグラフ間の論理展開を意識して読むようにしましょう。
解き方のポイント
・まずは要約文のタイトルを確認。本文のどのパラグラフに書いてあるかアタリをつける。
・要約文を読む。この時、空欄の前後はもちろん、接続詞などディスコースマーカーに気を付けながら読む。
・空欄の前後の単語に注目しながら、空所に入る品詞を特定する。普段から精読(S,V,O,Cなど構文を取る)の練習をしておく。
・本文から単語を抜き出す場合は、抜き出せる単語の数に注意する。インストラクションに「ONE WORD ONLY」など指示が書かれているので、必ず確認する。ハイフンでつながれた単語は一単語としてカウントされる。
・回答リストから選ぶ場合は、まずは本文内のどの単語が意味的に空欄に当てはまるかを素早く特定する。特定出来たら、その単語の持つ意味が一番近い単語(類語)を回答リストから選ぶ。
・空欄の数より選択肢の数が多いので、ダミーに引っかからないように気を付ける。
IELTS のリーディングが難しくてスコアがなかなか上がりません。本文は読めているのですが、穴埋め問題が苦手で正答率が低いです。何か解き方のコツはありますか? 本文は読めているのに正解に辿り着けない。バンドスコア 6.5 の壁をなかなか超え[…]
情報の識別問題
特徴
・タイプ2の情報の識別問題は、公式問題集では約15~20%を占める。
・公式問題集では Passage 1でよく出題される。今回とりあげた3つのタイプの中で最も難易度が低い。6.5 以上(27問以上正解)を目指すなら得点源にしておきたい。
・問題文が与えられ、それが TRUE(本文の内容と一致), FALSE(本文の内容と矛盾), NOT GIVEN(本文に書かれていない) のどれかを答える。
・タイプ3の「Identifying writer’s views/claims(筆者の見解や主張を特定する問題)」は、タイプ2とほぼ同じ問題形式。単純な「詳細情報」ではなく、「筆者の見解や主張」に一致しているかどうかを問われる。タイプ2よりも深い読解力が求められる。
※タイプ3も含めると20~30%の出題率
求められる力
① 文章内の特定情報のポイントを認識する力
② 選択肢問題と同様、そもそも設問文を正しく精読できることが大前提
解き方のコツ
・設問内のキーワード(固有名詞、年代、研究者の名前など)から解答根拠のあるパラグラフを素早く特定する
・設問文の解答根拠となる一文を精読し、狙われるポイント(形容詞、比較対象、原因と結果の関係)に注目する
・「FALSE」と「NOT GIVEN」の違いを理解するのが最大のポイント
・「FALSE」は、設問文が本文の内容と明らかに矛盾しており、解答根拠の一文を抜き出すことができる
・「NOT GIVEN」は、設問の内容が本文で確認できず、矛盾を指摘することもできない。解答根拠の一文を抜き出すことができない
・あくまで本文の内容と一致しているかどうかを判断する。自分の持っている背景知識や思い込みで解かない
IELTS のリーディングの TRUE(YES) / FALSE(NO) / NOT GIVEN の問題が難しくて、いつも正解率が低いです。どうやって解けば良いのでしょうか? 穴埋め問題に続き、バンドスコア 6.5 にもう少しで届きそうな方[…]
選択肢問題
特徴
・タイプ1の選択肢問題の出題頻度は、公式問題集の割合でみると 約15%
・いくつかの選択肢(A、B、C、Dなど)から最良の回答を選択する。
・設問は本文の情報と同じ順序で出題される。
・インストラクションでは “The first paragraph tells us about” , “”what point does the writer make in the first paragraph?” など、読むパラグラフが指定されている問題もある。
求められる力
① 特定のポイントの詳細な理解
② 本文の主要なポイント、全体的な理解を含む幅広い読解力
③ 選択肢を早く正しく読む力
ついつい本文の理解ばかりに気を取られがちですが、IELTS は設問や選択肢のほうが難しく書かれているケースが多いです。
選択肢の一文を精読できないと正解を選ぶことができません。
解き方のコツ
・まずは設問文のキーワード(固有名詞など)を見つけ、解答根拠があるパラグラフを素早く特定する
・すべての選択肢を精読する
・正解が一発で見抜ける場合は、選択肢がパラフレーズされている根拠文を本文内で見つける
・正解文が一発で見抜けない場合は、消去法を使う。明らかに違うだろう選択肢(本文に書かれていない、極端な表現がある)は×をつけておき、2択まで絞る
・2択で迷った場合、より抽象度の高い記述が正解の確率が高い(必ずしもそうとは限らない)
まとめ
最後にもう一度、出題頻度の高い問題タイプのおさらいです。
-
要約、メモ、表、フローチャートの穴埋め問題
-
選択肢問題
-
情報の識別問題
これら3つの問題タイプは頻出ですので、本記事を参考にぜひ対策してみてください。