この記事では IELTS の OA (オーバーオール)スコア 6.5 を取るための具体的なスコア目標の立て方について解説します。
- セクション別に目指すべき目標スコアを知る
- ライティング単独で 6.0 を取るための戦略を知る
本記事で紹介するこれらのポイントを参考に、ご自身の目標スコア達成に役立てていただければ幸いです。
OAの目標を明確にする
IELTS 6.5を目指す方の多くは留学やビザといった目的で勉強されていると思います。
一般的には大学進学が 6.0~6.5、大学院で 6.5~7.0 を求められることが多いです。入学にどれくらいのスコアが必要かはめちゃくちゃ重要な点ですので、必ず出願先の大学に確認するようにしましょう。
あまりにも自分の現状と目指すスコアがかけ離れている(例えば4.0の人が1年で8.0を目指す)場合は、一旦目標スコアを落として、段階的にスコアを上げていく方が現実的です。
IELTS 6.5は TOEFL iBT 79~93、英検は1級~準1級、TOEIC L&R は820~870点に相当する(※)と言われています。
TOEIC®L&R はリスニングとリーディングのみの試験ですし、870点を持っている人でも IELTS 6.5を取るのは難しいと思います。
これらはあくまで目安ですので、まだ IELTS を受けたことがない方は模試などで自分の実力を把握しておきましょう。
※参考:http://ieltsnavi.com/score_conversion.html
IELTS OAスコアの仕組みを知る
ご存知の方も多いと思いますが、IELTSの OA スコアは4セクションの平均値となります。0.5 刻みで評価されますが、平均値が 0.25 や 0.75 の場合は繰り上げされます。
OA6.5を達成するスコアの組み合わせ
OA6.5を取るためには、最低限平均値が 6.25以上、つまり4セクションの合計で 25点以上取らないといけません。
合計 25点を取るには、次のようなパターンが考えられます。
注力ポイント | L | R | W | S | 合計 | 平均 |
①リーディングとリスニングで稼ぐ | 7.0 | 7.0 | 5.0 | 6.0 | 25 | 6.25 |
②バランス良く取る | 6.5 | 6.5 | 6.0 | 6.0 | 25 | 6.25 |
③ライティングを結構頑張る |
6.0 or 6.5 |
6.0 or 6.5 | 6.5 | 6.0 | 25 | 6.25 |
※L&Rは合計して 12.5 を取るという計算
表1.IELTS OA 6.5 を取るためのセクション別スコア目標
①はリーディングとリスニング(インプット科目)で稼ぐパターン。②はバランス良く全セクション6.0以上を取る。③は②をベースとしつつも、特にライティングを頑張るパターンです。
何も考えずに合計 25点を目指すのであれば、一般的に日本人が得意と言われるパターン①が最良の戦略に見えます。
しかし結論から言うと、あなたがもし留学のために 6.5 以上のスコアが必要ならば、パターン②か③の戦略を取るのが正しい戦略です。
理由は2つあります。
- 多くの大学・大学院が、入学の足切りライティング・スコアを 6.0以上としている
- 留学生活が始まった後も高度なライティング力が求められる
実際、3つの大学院(イギリス)に出願したまじめくんの場合も、全ての大学院でライティング必須スコア 6.0 ~ 6.5 が求められました。また 5.5 以下のスコアが一つもないことを条件としている大学もありました。
欧米の大学は日本の大学に比べてリーディングとエッセイの課題量が半端ないです。厳しいことを言うようですが、 IELTS 6.5 レベルでは授業についていくのがやっとでしょう。
アメリカの大学に10カ月間、留学予定です。授業についていけるか心配です。何を準備すればいいですか? 大学の授業についていけるのか。 これから留学する人にとって、最大の心配事ですよね。特にリスニングに自信がないうちは「こんな英語力で授業が理解[…]
ライティングが苦手なのは日本人だけ?
話は少しそれますが、IELTSのライティングは高スコアを取るのが難しいと言われています。
ネイティブのIELTS 講師でも 7.5以上を取るのに何度も試験を受けたと言っていましたし、TOEFL iBT と比較してもライティングについては IELTS の方が難しいと言う人もいます。
ちなみに IELTS の公式サイトには様々な統計値が載っていて、最もスコアの高いドイツの平均値を取ってもライティングは 6.3 と、他のセクションに比べて低いことがわかります(参考までにお隣の韓国やオンライン英会話の先生が沢山いるフィリピンも載せておきます)。
国 | L | R | W | S | OA |
ドイツ | 7.9 | 7.7 | 6.3 | 7.4 | 7.4 |
日本 | 5.9 | 6.1 | 5.5 | 5.5 | 5.8 |
韓国 | 6.3 | 6.3 | 5.6 | 5.8 | 6.0 |
フィリピン | 7.3 | 6.8 | 6.1 | 6.8 | 6.8 |
表2.各国のセクション別スコア平均
参考:https://www.ielts.org/research/test-taker-performance
なぜライティングだけ高スコアが出にくいのかはわかりませんが、リーディングやリスニングのように正解が一つではなく、スピーキングにと違い文字でしか勝負出来ない点が影響しているのかもしれません。
ライティングは 6.0 を死守せよ
戦略に話を戻しますと、ライティングとスピーキング両方で最低 6.0を取らないとOA 6.5は見えてきません。
ということで、ここまでの結論。
厳密に言うとスピーキングも6.0を死守しないと到達できないのですが、スピーキングについては別の記事でお話していますので良かったらご一読ください。
みなさんこんにちは。2020年秋からイギリスの大学院留学を目指しているまじめです。 この記事を書いているのは2020年6月なので、残りあと3か月。 [caption id="attachment_2347" align="alignno[…]
ライティング単独で6.0以上取るには
ライティングで 高スコアを取るためには Task2対策が肝になります。
みなさんはライティングのスコアの決まり方、つまり計算方法をご存知でしょうか。
この Lizさんというイギリス人 IELTS 講師のブログによると Task1は約33%、Task2は約66%で、Task2の評価比重が2倍らしいのです。
7+5+5=17÷3=5.66… → 5.5
5+7+7=19÷3=6.33… → 6.5
つまりどんなに Task1がうまく書けても、Task2が足を引っ張ってしまうとスコアが下がるということ。
Task1は比較的試験対策がしやすいパートですので、乱暴な言い方になりますが、 Task1はさっさと終わらせ Task2に集中するのが 6.0を取るために効果的な戦略だと思います。
こんにちは、まじめです。 今日は私の IELTS ライティング奮闘記【前編】を書きたいと思います。 IELTS の試験を初めて受けたのは約半年前。そこから徐々にIELTS の勉強を始め、これほど長いお付き合いになるとは思っていませんでした。[…]
Task2を攻略するには
このブログでは、4セクションの内ライティングに最も力を入れており、Task1,Task2に関する記事をたくさん投稿しています。
まずはこちらのまとめ記事から入っていただき、リンクを貼ってある関連記事に飛んで頂ければと思います。
本記事は IELTS ライティング・スコア 6.5 を目指す人のために、Task 2 の攻略ポイントについてまとめています。 [caption id="attachment_2344" align="alignnone" width="[…]
まとめ
本記事では、IELTS の OA スコア 6.5を目指すにはライティング単独で 6.0 以上を取ることが必須とお伝えしてきました。
とはいえ、強み・弱みは人それぞれ。当たり前ですが、ライティングが得意な人はそれ以外のセクションに時間を割く方が得策でしょうし、すべてバランス良く出来る人もいます。
私は基本的に強みを伸ばす方が好きですが、英語の資格試験やその他の受験系に限っては、経験上弱みを克服する方が総合点数は上がると感じています。
是非みなさんも自分の強み・弱みを棚卸して、具体的なスコア目標を割り出してみてくださいね。
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