本記事は IELTS ライティング・スコア 6.5 を目指す人のために、Task 2 の攻略ポイントについてまとめています。
Task2のテスト形式
まずは IELTSライティング Task2のテスト形式を簡単に確認しておきましょう。
所要時間 | 約 40分 |
書くべき語数 |
250語以上 |
求められる力 |
自分の意見をいかにロジカルに主張し、説得力のある文章が書けるか |
特に大事なのが3番目の「自分の論をいかにロジカルに主張し、説得力ある文章が書けるか」です。
ここがTask1とは大きく違うところですね。
Task1では自分の意見を書くことは求められず、主要な情報を要約し、あくまで客観的な数字に基づいた事実を述べる力が測られます。
一方 Task2では、問に対し自分の意見を述べることが求められます。意見といっても「こちの方が良いと思う」とか「私はあっちの方が好きだ」とか単なる感想ではありません。
主観と客観を行き来しながら、意見をサポートする根拠を述べて論を発展させていく力が求められます。まさに論文そのものです。
▼Task1との違いを確認したい方はこちら
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Task2の問題タイプ
IELTS ライティング Task2では、次のような3種類の問題が出ます。
- 原因と解決策(cause and solution):問題の原因と解決策を求める問題
- 意見(agree or disagree):ある考えに対して、どれくらい賛成 or 反対を問う問題
- 議論(discuss both views):ある2つの異なる意見に対して、両サイドを考察し、自分の考えを述べる問題
問題のタイプによって書くべき内容や構成が変わります。
Task1同様、問題のタイプによって得意、不得意が出てくると思います。
①の「原因と解決策」が得意な一方、②や③の意見や主張を展開するのが苦手という人もいますし、またその反対という人もいます。
早い内に全タイプの問題を解き、自分の得意、不得意な問題を特定しましょう。苦手な問題は多めに解き、最終的にはどのタイプが出ても大丈夫なように、意識して練習に取り組むと良いと思います。
Task2の評価基準4つ
次に IELTS ライティング Task2の採点基準を確認します。大項目は全部で4つあります。
- 課題への回答度
- 一貫性とまとまり
- 語彙力
- 文法知識と正確さ
今日はこれらの項目に沿って攻略のポイントをご紹介していきます。
IELTSライティング Task2の攻略法
課題への回答度
課題への回答度とは、簡単に言えば「質問にきちんと答えられているか」ということです。
例えばバンドスコア 7.0 に求められるタスク回答度の詳細は、こんな内容です。
・課題の全ての部分に取り組んでいる
・ 回答全体を通じ終始明確な見解を示すことができている
・ 主旨を示し、詳細と理由を提示できるが、一般化しすぎたり理由の論旨が明快ではなかったりする(またはその両方である)
<引用元:https://ieltsjp.com/wp-content/uploads/sites/3/2019/07/JP-Writing-2-rotated.pdf>
タスク回答度でハイスコアを取るために何より重要なのは、設問をよく読み、質問に的確に回答すること。当たり前と言えば当たり前なのですが、これが難しいんですよね。
タスク回答度攻略のポイントは以下の3つ。
- Task2でよく問われる頻出トピックを知っておく
- それらのトピックに対して情報収集し、意見を形成しておく(日本語でもOK)
- 出来るだけ多くのサンプルアンサーに触れる
「IELTSは英語の試験なんだから、英語の言い回しや語彙を優先すべきで、中身についてそこまでこだわる必要はない」という人もたまに見かけます。
ですが、その先の留学を見据えれば内容を無視して良いわけないことは明白。中身こそが重要なのです。
自分の意見は、一朝一夕で形成されるものではありません。
普段から社会、ビジネス、教育、テクノロジーなど幅広い分野について意識的に考え、インプットとアウトプットを繰り返さなければならない領域です。
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一貫性とまとまり
次に「一貫性とまとまり」について見てみましょう。
先ほどと同様にバンドスコア 7.0 の採点基準を乗せておきます。
・情報や意見を論理的に整理しており、全体を通じ明確な連続性がある
・ 様々な接続詞を適切に使用しているが、使用の仕方に過不足がみられる
・ 各段落には明確な中心主題が存在している
タスク回答度のところで説明したように、そもそも設問に的確に答える必要があります。
もし “Discuss both views” と書かれていたら、両サイドの考えを検討する必要があります。自分の信じる意見のみをいくら論理的に論じたとしても、高く評価されません。
3つ目の明確な中心主題とは、トピックセンテンスのことです。
各ボディパラグラフのトピックセンテンスが明確で、パラグラフ同士のつながりは自然か。言い換えればアカデミック・ライティング、パラグラフ・ライティングがきちんと出来ているかということですね。
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一貫性とまとまりのハイスコアを目指すには、
- 構成の型を知る
- 第3者に添削してもらい、構成・論理性・説得性を磨く
- プルーフリーディング・リスト(proofreading list)を作る
プルーフリーディング・リストとは、構成チェックリストのことです。
1. |
一パラグラフ一アイデアになっているか? |
2. |
論理が飛躍していないか? |
3. | 設問に全て答えているか? |
4. | 理由と具体例が合っているか? |
5・ | アイデアが重複していないか? |
こんな風に自分で確認するためのリストです。このプルーフリーディング・リストを使い、第三者になったつもりで自分の回答を添削すると良いと思います。
語彙力
続いて語彙力ですが…これはもうひたすら単語を覚えるしかないです。
ただ、やみくもに語彙を覚えるのではなく、
- 頻出トピックに関する語彙を覚える
- 論文を展開させるつなぎ表現を覚える
- 動詞の類語を覚える
- パラフレーズをする際はコロケーションに注意する
こんなところに気を付けると良いと思います。
特に3・4番目の「動詞の類語を覚える」と「パラフレーズする際はコロケーションに注意する」は、ライティングスコア 6.5 以上を目指す人は是非とも意識してもらいたいところです。
IELTS とパラフレーズが切っても切れないのはご存知ですよね。でも、パラフレーズだからと言って、単純に単語を置き換えれば良いという問題ではありません。
コロケーションとは、語と語の自然な結びつきのことを指します。
例えば「こどもを育てる」と言いたい時、 “raise a child” はOKですが、 “grow a child” とは言いません。
raise と grow は確かに類義語ですが、grow は通常“植物”などを育てる時に使い、人間がくることはありません。
このように、パラフレーズしようとして不自然なコロケーションになってしまえば、逆にスコアが下がってしまいます。
文法知識と正確さ
最後は文法知識と正確さについてです。と言っても、こちらも残念ながら簡単な攻略法は無いのが正直なところ…。
念のため採点基準を確認してみましょう。
・様々な複雑な構文を使用できる
・ 間違いの全くない文章を書けることが多い
・ 文法と句読点をうまく使いこなすが、エラーは依然として存在する
つまり「文法のミスゼロを目指さなくても大丈夫。少しくらい細かなミスがあっても、複雑な構文が使えて、間違いのない文章も結構書けていれば良いよ」ということですね。
攻略ポイントとしては、
- 間違いの全くない単文を書く練習をする
- 構文を暗記して、意識的に英作文してみる
この二つしかないんじゃないかと思います。攻略法でもなんでもない、地道な努力です。
文法におススメの参考書と問題集
ここで、ライティングに必要な文法の力を磨くのにお勧めしたいのが大学受験用の参考書。
「え?日本の受験英語なんて使えるの?」と思う方もいるかもしれません。
実は大学受験用のテキストはかなり進化しており、普通にIELTS レベル対策にも使えます。特に英作文と構文については、IELTS専用のものより体系的に学べて良書と思います。
ちなみに構文とは、“It is ~ for XX to …” とか、“so ~ that S V…” みたいなやつです。重要構文だけが羅列する参考書を買っても良いですが、通常、重要な構文は文法書に載っているので、文法書だけでも十分。
英作文の方は、こちらの記事で紹介している2冊が激しくおススメです。大学受験用の参考書に加えて、英検準一級のライティング本もかなり使えます。こうした問題集を何度も解いて、文法力に磨きをかけてください。
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