グラフや表を見ただけで頭が真っ白になる気持ち、よくわかります。
シンプルな円グラフならまだしも、表と図の組み合わせやダイアグラムなんかが出されると「あ、今日の試験終わったな。」となって、本当に30秒くらい思考が停止します。
一見取っつきにくい Task 1ですが、コツをつかめば何とか書けるようになってきます。
Task 1 を攻略するために、今日はこんなお話をしたいと思います。
- IELTSのライティング “Task 1” と “Task 2” の違い
- Task 1 は4つの図表パターンごとに表現を暗記する
- Task 1 の勉強内容と学習計画の立て方
この記事を読めば、Task 1 のポイントや、学習計画の立て方などが具体的にイメージして頂けると思います。
IELTS ライティング Task 1 とは?
まずは IELTSライティング Task 1 の概要を簡単に確認しましょう。
Task 1の概要
内容 | 表やグラフ、イラストなどが与えられる。その図表を読み解き、自分の言葉で解説する。 |
目的 | データの比較、特徴の抽出、物事の仕組みや手順などから重要な情報を明確かつ客観的に英語で説明できるか測る。 |
語数 | 150語以上 |
時間 | 約20分 |
Task2との違い
ご存知の通りIELTS のライティングは4つの観点から評価されます。
そのうち3つは Task 1、2も同じ評価軸なのですが、「タスク達成度(Task 1)」と「タスク回答度(Task 2)」が異なります。
Task 1の目的は「データの比較、特徴の抽出、物事の仕組みや手順などから重要な情報を明確かつ客観的に英語で説明できるか」になります。
つまり、ここが Task2との大きな違い。Task2はあなたの「意見」を書くことが求められますが、逆にTask1で意見は必要ありません。
ということは、自ずと構成もTask2とは変わってくるということですね。
イントロダクションは共通ですが、論拠を展開するボディパラグラフや自分の意見を再主張するコンクルージョンはありません。
あくまで重要な情報をクリアかつアカデミックに英語で書ける力が求められているのです。
細かい点では、語数も違います。150語に達さないと減点される(?)らしいので、普段から170語くらいを目指して練習しておけば安心でしょう。
つづいて20分の理想的な時間の使い方ですが、
- 問題理解:1分
- 構成案を練る:3分
- 実際に書く:14分
- 見直し:2分
これくらいが理想的でしょうか。もちろん慣れない内は問題を理解するのに1分以上かかると思いますので、あくまで目安として考えてください。
Task 1 取り組み方のポイント
では Task1で 6.0 以上のスコアを取るために必要な、勉強の取り組み方を見ていきましょう。
「何」を書くかが超重要
Task1 のポイントは、なんと言っても何を書くかを最初に見定めることです。
20分間で150語という制限のある中、全部を書こうとしても書けません。何を重要情報として入れて、逆に何を入れないかを見切ることがとても大事になります。
IELTS は基本(※パソコンで受けられるところもあります)手書きのため、一度書き出したら後に戻れません。
「やっぱりこっちの方が重要かな? このグラフの変化も入れといた方がいいかな?」
なんて悩みながら書き進めてしまうと、あっという間に20分が過ぎてしまいます。
Task1に限らず、悩みながら書くという行為はめちゃくちゃ非効率。自分でも何が言いたいか途中からわからなくなってしまったという経験は一度はあると思います。
なので Task1は、問題理解と構成案を練る4分間がとても重要。必要ならば5分取ってもいいです。
構成を練る時は Overall(概要)で何を重要情報として選び、続く detail(詳細)の段落で何を書くかを決めます。
4つの図表パターンに分けて暗記する
Task1の攻略法は、それぞれの問題形式ごとに言い回しを暗記すること。これに尽きます。
【Task1に出題される図表たち】
「暗記する」と強調しましたが、Task1の攻略法は本当にそれだけ。もう本当にそれだけなんです。
まあ大抵の人は暗記って嫌ですよね。暗記=苦しいイメージがあるし、記憶力が低下している私たち大人に暗記しろというのは結構しんどい。
そこで私たち大人は「理解の力」も借りて暗記効率を高めていくのがお勧め。そのためには文法の理解が欠かせません。
それっぽい文章は機械的な印象を与える
逆に一番やっちゃいけないのが、文法もおろそかに「Task1のテンプレート」を活用してそれっぽく書く癖をつけてしまうこと。
テンプレートは楽なので多くの人が “Firstly”、“to begin with”とか、“in addition” とか “as you can see from the chart” とか、副詞(句)から変に使いこなすようになります。
それはそれで重要なテクニックなのですが、“to begin with”とかカッコよく始めといて、その後に続く文章が中1レベルだと、かなりアンバランス。
というか、「あんたテンプレートで何となくつなげて150語稼ごうとしているだけでしょ!」という感じが採点者にバレてしまいます。
IELTS Task1の Descriptors – Coherence and cohesion (バンドスコア 6.0) に
uses cohesive devices effectively, but cohesion within and/or between sentences may be faulty or mechanical
(接続詞を効果的に使用しているが、文書中や文章間(またはその両方)の接続詞が機能していなかったり、機械的であったりする)
参照:IELTS TASK 1 Writing band descriptors (public version)
と記載されているように、つなぎ語のアンバランスな乱用は読み手に機械的な印象を与えてしまいます。
表現を暗記することが大事と言いましたが、それはなんでもかんでもテンプレートに頼るという意味ではありません。
それぞれの表現のニュアンスや、動詞の微妙な使い分けなどを理解しながら覚えていくことが必要です。
しっかりと文法の理解も深め、自力で英作が出来るよう目指しましょう。
※上の descriptors はPDFとしてダウンロードできるので、自分の目で原文(英語)の評価基準を確認したことがない人は一度目を通しておくことをお勧めします。
勉強スケジュール
次に最も大事な勉強スケジュールについて。
個人的に、受験勉強を乗り切る肝は、このスケジュール決めにあると強く思っています。
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仕事でもそうですよね。まずはゴールを明確にし、そこに辿り着くまでのステップを洗い出す。それを具体的な to do まで落とし込み、デッドラインを引いて後は着実にこなすだけ。
毎日何をやるべきか明確ならば、あとは実行するだけでいいのですごく楽です。
逆に毎日「今日は何を勉強しよう?」と考えるのはストレスですし、そこに余計な労力は使いたくない。そーゆー意味では、スティーブ・ジョブズが毎日同じ洋服を着ていた理論と一緒(?)だと思っています。
ただ残念ながら、勉強計画って一般論だと無駄になりがち。その人の現時点のレベルと課題がわからなければ、有益な学習計画にはなりません。
とりあえずざっくりとしたステップは、下の図のように、まずは基礎的な文法をかため、単文が正確に書けるのを目指してください。同時並行でアカデミック・ライティングの型を学び、その先は表現や語彙をブラッシュアップしていきましょう。
具体的な計画の立て方
例えば全くの英語初心者の場合、ライティングで 6.0 以上のスコアを安定して取れるようになるには一体どれくらい時間がかかるのでしょうか。
文法が苦手な人は、まず中1レベルの基礎から固める必要があります。
文法項目(時制、文型、助動詞、不定詞…とか)って、少なく見積もって20個くらい。一日一時間、一項目進めれば単純計算で20日かかります。
復習も必要だから、単純に2倍して40日。あくまで文法のインプットの時期だけで1カ月半~2カ月はかかるということです。
次にアウトプットとして、仮に毎日1エッセー書くとします。
問題形式は Task1だけで4種類なのですが…
それぞれ2回解いたとして8種類×2回=16日。土日お休みしたとして、 Task1の実践だけで3週間かかります。2回だと心もとない場合は3回解いたとして、8種類×3回=24日…普通に1カ月ですね。
まあこれはあくまで「実践」だけを考えたスケジュール。それ以外に語彙を覚える時間、表現の復習、文法の更なる理解の時間も必要です。
そんなこんなで色々積み重なって、Task1だけでも最低4~5カ月は見積もっておくと安心なんじゃないかと思います。
まとめ
では最後にもう一度おさらいです。
Task 1 攻略のポイント
- 重要な情報をクリアかつアカデミックに英語で書ける力が求められる(Task 2とは違う!)
- 4種類の問題形式ごとの表現や語彙を学び、何も見ずに紙の上で再現できるまで暗記する
- Task 1 だけでも最低4~5カ月は見積もって勉強計画を立てる
まずはスタートラインとして、上の3つを意識してみてくださいね。
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