IELTS を初めて受ける方で、これから勉強を頑張りたいけど何をすべきかわからないという疑問に答えていきたいと思います。
この記事を読むことで、IELTS初心者の方が勉強初日から初受験の日までをイメージできるようになると思います。
IELTS の勉強を独学で始めましたが、自分のやり方がこれで正しいか不安です。何かアドバイスを頂けますか? 今日は IELTS 初心者の方がやりがちな残念な勉強法5選についてお伝えいたします。 この記事は IELTS (Academic)[…]
IELTS初心者向けロードマップ【3カ月版】
初めて IELTS を受けるまでの3カ月のステップは次のとおりです。
- STEP 0:事前準備
- STEP1:英語力の把握
- STEP2:目標設定
- STEP3:IELTS 初心者向けの戦略
- STEP4:基礎力の養成
- STEP5:本番力の養成
STEP0:事前準備 そもそもIELTSってどんな試験?
実行日:今日
勉強を始める前に IELTS 初心者の方が知っておくべきがことが3つあります。
- IELTS の試験概要
- IELTS の受け方
- IELTS の勉強法
IELTSの試験概要
IELTSとは International English Language Testing Systemの略で、世界中で受験されている英語の技能試験です。
IELTS にはアカデミック(学問寄り)とジェネラル(日常寄り)というモジュールがあります。留学に必要なのはアカデミックモジュールで、このブログでも IELTS について話す時は、基本的にアカデミックを想定しています。
日本では次の3つの公式団体で受験が可能。
IELTS の概要については公式団体のHPに詳しく書いてあるので、そちらをさっと読んでおきましょう。
IELTS の受け方について
IELTS の申込み方や上記3団体の比較など、すべての団体で受験したまじめ君がこちらの記事でまとめています。
かなり詳しく書いていますので、試験を申し込む前に是非お読みください。
こんにちは。まじめです。 ようやく2020年7月にIELTSでoverall 6.5を取得しました。 2019年9月に初めてIELTSを受験してから約10ヶ月間で8回受験し、かつIELTSの試験が受けられる3運営団体すべてで受験しました。 […]
STEP1:英語力の把握 まずは自分の立ち位置を知る
実行日:IELTSを受けると決めてから2週間以内
まずは今の自分の英語力を知りましょう。
TOEIC や英検などの換算スコアを参考にしても良いですが、やはり理想は IELTSでどれくらいのスコアが取れるかを知っておくべきです。
IELTS は Reading, Listening, Writing, Speaking の4セクションの平均で全体スコア(OA:Overall)が決まります。
ここで大事なのは各セクションのスコアを知ること。自分は何が得意・不得意かを知ることが、後で勉強計画を立てるときに最も重要です。
どうやって英語力を測るの?
お金に余裕があれば本試験を受験しましょう。
模試でも問題ないですが、独特の緊張感は本試験特有のもの。そうした極度のプレッシャーのもとで発揮できる力があなたの今の実力です。
とはいえ IELTS の受験料はかなり高額。本試験が難しければオンラインで無料で受けられる模試を活用しましょう。
オンライン模試のおすすめは公式団体がホームページ上で公開しているものです。
▼無料
>>IELTS無料サンプルテスト | 英語検定・試験のIELTS公式サイト
他にも、無料模試を提供している海外のサイトが結構あります。英語を読むのに抵抗がない人は是非検索してみてください。
ただし、無料の模試はたいていスピーキングやライティングの採点がありません。
IELTS 専門塾や留学エージェントで無料で受けられるところもありますが、もちろん営業の一貫なので、そこは礼儀をもって受けるようにしましょう。
▼有料
もし有料でもきちんと実力を測りたい人はこんなのもあります。
>>IELTSプログレスチェック | 英語検定・試験のIELTS公式サイト
無料でも有料でも、とにかく早い段階で一度全部解いてみることが大事。自分で公式問題集を買ってきて時間を測りながら解いてもOKです。
STEP2:目標設定 頑張れば達成可能な目標を立てよう
実行日:英語力がわかってから3日以内
自分の今の英語力がわかったら、次は適切な目標を決めましょう。
例えば学部留学なら 6.0~6.5、大学院留学なら 6.5~7.0など、あらかじめ目標スコアが決まっている人もいると思います。
「だったら目標なんてわざわざ考える必要ないじゃん?」
いえいえ、違うんです。
ここでは適切な目標を決めることが重要。
仮に今の実力が 5.0だとしたら、いきなり 6.5を目指すのは無謀です。
IELTSのスコアは0.5刻みなので「6.0も6.5もあんま変わらなくない?」という印象を受けるかもしれません。
ですが IELTS 0.5=TOEICに換算すると100~150点に相当し、スコアを 0.5 上げるのに平均 200 時間の勉強が必要と言われています。
一日2時間、毎日休まず勉強しても3カ月で 180 時間。0.5 スコアを上げることの大変さがイメージ頂けましたでしょうか。
IELTS初心者はまず 5.5 を目指そう
もしあなたが全くの IELTS 初心者で英語も自信がない、だけど独学で頑張る!というのであれば、まず3カ月で 5.5 を目指しましょう。すでに 5.5が取れている人は 6.0を目指します。
ちなみに日本人のIELTSアカデミックの平均スコアは OA 5.8(L 5.9/ R 6.1/ W 5.5/ S 5.5)。ライティング、スピーキングで苦労しているのがわかりますね。
よくIELTSは 6.5 の壁があると言われます。6.0までは順調に伸ばせても、その先の 6.5 に届かない。数カ月にわたり 6.0 の踊り場で苦しむ…。
最終的には 6.5を目指したいという方は、セクション別のスコア目標の立て方を解説していこちらの記事を参考にしてみてください。
IELTS OA6.5を取るには、具体的にどのようなスコア配分を目指せばよいでしょうか。 この記事では IELTS の OA (オーバーオール)スコア 6.5 を取るための具体的なスコア目標の立て方について解説します。 Ri[…]
STEP3:IELTS初心者向けの戦略 不得意分野をつぶしておく
実行日:最初の3週間
私がおすすめする IELTS 初心者の基本戦略は不得意分野を早めにつぶすことです。
そもそも戦略とは、何をやらないかを決めること。あれもこれもと欲張って勉強計画を立てても、結局全部中途半端に終わってしまった経験はありませんか。
仮に1日2時間しか勉強時間が割けなければ不得意分野に集中しましょう。
人生や仕事では「得意分野、好きなものに集中せよ」と言いますが、英語の試験に限っては逆です。
例えば同じ 1.0スコアを伸ばすのでも、すでにIELTS 7.0の英語上級者が、超上級者の 8.0を目指すのはかなり大変ですが、5.0 の人が 6.0を達成するのはそれほど難しくありません。
スコアが 5.0に届いていないセクションは、ほとんどの場合不得意分野の基礎が足りていないだけ。基礎を見直せばスコアがすぐに上がる可能性が高いです。
でも基礎ってつまらないですよね。だからみんなやりたがらない。
もし全体的に基礎が抜けており、手っ取り早く勉強したいという方は専門塾でグループレッスンを受けるのもありです。体系的に学べます。
そのあと独学に移るのは、ある意味効率的。実際まじめくんは1カ月間フィリピンに語学留学し(授業だけで約220時間勉強)、そのおかげでOAスコアを1.0上げることに成功しました。
こんにちは。まじめです。 今日はフィリピンに1ヶ月間留学した際の学業面のことを書きます。 IELTS の点数が上がらないと「いっそのこと語学留学したほうが早いんじゃないか?」と思う事ってありますよね。出願日までの日数が短くなってくると、早く[…]
STEP4:基礎力の養成 セクション別具体的な勉強内容
実行日:1~2カ月目
毎日の勉強を習慣化
IELTS に限らず英語学習の初心者さんは、まずは毎日勉強できるような体つくりから始めましょう。最初のうちは30分でも良いです。慣れてきたら徐々に長くしてください。
よくある間違った勉強法が、いきなりIELTSの公式問題集から取り組んでしまうこと。
すでに6.0以上の実力を持っている人には良い教材ですが、まだそこに達していない人にとっては、素人がいきなりプロのトレーニングをやるみたいなものです。
背伸びはせず、自分の実力にあったレベルから登り始めましょう。
【セクション別】現時点で5.0~5.5の人がやるべきこと
IELTS 5.0 はTOEIC 500~550、英検2級、日本の高校卒業レベルです。ふわっとした基礎はあるけど、しっかりした土台にまでなっていない状態。
基本単語を覚える
まずは高校までの基本単語を覚える。一日15分は単語勉強にあてる。必ず音声がついていて、正しい発音が学べる単語帳を選ぶ。
リーディングは精読と音読中心に
大学受験レベル(標準)の長文を解く。高校の参考書を片手に、文の構造(5文型)を把握したり、意味が取れない文章の英文解釈を行う。教材はなるべく文法の解説がしっかりされているものを選ぶ。
文法の勉強はリーディングをやりながらカバーする。文法がかなり苦手なら高校生レベルまでの薄い問題集を一冊、一周終わらせることに集中する。難しければ中学生レベルにもどる。マンガでもOK。
IELTS のリーディングは、通読で大体の内容が把握できることを目指す。
リスニングは発音を勉強する
短い文章でいいので正確に聞き取る(精聴)。ある程度音が聞き取れないとその先に進めない。リスニングの基礎である発音のルールを学ぶ。
精聴は TOEIC 教材等も活用。パート2レベル(短い会話)から始める。音がつながる、変化するなど、細かい部分まで確認する。
IELTS のリスニングでは、 Part1, Part2を何回か聞いて大体の内容が把握できることを目指す。
ライティングは単文を正確に書けるように
単文の英作トレーニングに集中する。こちらも高校レベルの問題集を活用。
徐々にエッセイを書けるようになれたら理想。最初は 30分で80~100語、徐々に120語、150語くらいまで書けるように上げていく。
英語でのエッセイ(アカデミック・ライティング)の書き方の基本を知る。基本の型がわかったら IELTS の Task1から実際解いていく。
スピーキングは英語で話すことへの抵抗をなくす
文法や語彙は気にせず、とにかくネイティブを目の前に緊張せず英語で話せることを目指す。
質問されたら一言(単語)で返すのではなく、短くても文章で返す特訓をする。瞬間英作文などの独り言英会話もおすすめ。
IELTSではPart1、身の回りの自己紹介をできるように。いきなり話せない場合は一旦書く。書いたものを見ないでスラスラ言えるまで練習する。
STEP5:本番力の養成 試験の環境に慣れよう
実行日:3か月目
本番形式に慣れる
最初の1~2か月で英語の基礎体力がついてきたら、最後の1カ月はいよいよ本番に向けて実践を積んでいきましょう。
IELTS の公式問題集を時間を測って解きましょう。ペーパーで受験をする方は、IELTSの公式サイトから解答用紙をダウンロードして、その用紙に解答を書き込みます。
リスニングも普段はイヤホンで問題ないですが、実際のテストはスピーカーから流れてきます。聞こえ方が微妙に違うので、スピーカーがあれば利用しましょう。
リーディングとリスニング
最初は時間内に解けなくても大丈夫です。特にリーディングは時間がなくてPassage3の最後まで解ききれないと思います。
リーディングとリスニングの取るべき具体的な配点は以下の通り。両方とも40点満点中です。
リスニング | リーディング(Academic) | |
5.5 |
18~22問正解を目指す | 19~22問正解を目指す |
6.0 | 23~25問正解を目指す | 23~26問正解を目指す |
参考:https://ieltsjp.com/get-ielts-results/ielts-bandscores/
リスニングはできるだけ Part 1と2を間違えないように。
リーディングは比較的易しめの穴埋め問題でミスをなくし、難しい正誤(TRUE/FALSE/NOT GIVEN)問題は3割当たれば良いくらいの気持ちで良いと思います。
ライティング
ライティングは実際に問題を解き、誰かに添削してもらうのが理想的。
Task2まで手が回らない場合はTask1だけで良いので、問題パターンごとの言い回しを書きながら覚えていきましょう。
添削を外部に依頼する際に気を付けるべき点は、IELTSに精通している人に添削してもらうということ。ネイティブであっても IELTSの評価基準に詳しくない人だとスコアが上がりません。
スピーキング
スピーキングは独り言方式で練習はできますが、当日の緊張感に慣れるという意味ではネイティブスピーカーと一回は実践をしておくことをお勧めします。オンライン英会話の無料体験などを活用しましょう。
ちなみに留学経験のある私でも、初受験の時は緊張しすぎてパニックになり、3回質問を聞き直しました。
オンライン英会話は普通に入会しても月5千円~1万円程度。お財布にも優しいです。
私たちが使った Best Teacher や Native Camp は非ネイティブでもIELTSに精通した先生が何人かいるので、「Mock Test やりたいです」と言えば本番さながらで練習できます。
まとめ
今日は IELTSをこれから初めて受験するよ!という初心者の方向けに、3カ月間のロードマップをご紹介しました。
もちろんこれが唯一の正解というわけではないですが、3カ月の間に何をすればよいかの目安にはなると思います。今日書ききれなかった個別の勉強法については他の記事も参考にしてくださいね。
そして最後にIELTSの勉強をこれから始める方にメッセージ。
私も IELTSの勉強中、何度も参考書を投げたくなりました。それでもいつか報われることを信じて勉強を続けるうちに、ランナーズハイみたいなゾーンに入ってきます。そこまでいけば IELTS の勉強も楽しくなってきます。
是非楽しみながら英語の勉強を続けていってくださいね。どうかみなさんが目標スコアを達成できますように!
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