「日本は居心地がいいのに何で海外に行くの?」と聞かれた時のお話。
<前編>はこちらから。
先日、日本に暮らす中華系マレーシア人の友達に、こんな質問をされました。 「なんで海外に行こうと思ったの?」 え?それは結構長い話になっちゃうけど…何でイキナリそんなこと聞くの? 「マレーシアでは、特に中華系は海外に行きたいという人が多[…]
若い頃の留学で感じたことと、大人になって働いてみて感じたことのちがい
たった1年という短い期間でしたが、得るものはとても多かったし、あのタイミングで海外で働いて本当に良かったと思います。高校留学と海外就職は、フィールドは同じ海外でも、全く異なる体験となりました。
高校留学では「ちがい」に興奮しました。アメリカに憧れ、アメリカ人になろうと努力する日々。アイデンティティクライシスが毎日訪れる感じです。
でも大人になって働いてみたら「ちがい」よりも「共通点」に目がいくようになってました。シンガポールという多様性に富む土地柄もあったと思います。違うことが当然な生活の中で、共通項も結構多いな、と。
今のアジアの若者って、似たような文化を共有しているじゃないですか。
みんなiPhone持って、自撮り棒で写真撮って、それをFacebookやインスタにアップして、スタバでコーヒー飲んで、H&Mの洋服着て、K-popにはまって…
もはや国籍とかじゃないですよね。
そしたらもう、「お父さん、お母さん、私は海を渡ります!!」とか気負うんじゃなくて、「次の転職先がたまたまマレーシアだったわ」くらいカジュアルな感じでもいいんじゃないかと思うんです。
大企業の人がベンチャーへ転職してみたり、自分で起業してみたり、そんな感覚で海外に就職してみるのもアリなんじゃないかと。
世界を知ると自分の事がわかるようになる
私の場合、自分の理想像に少しでも近づくために高校留学・海外就職をしてきました。
日本を代表する経営コンサルタントの大前研一は、人間が変わる方法は3つしかないと言っています。
人間が変わる方法は3つしかない。
ひとつ目は時間配分を変えること。
ふたつ目は住む場所を変えること。
みっつ目は付き合う人を変えること。
どれかひとつだけ選ぶとしたら、時間配分を変えることが最も効果的なのだ。
(名言DB http://systemincome.com/20220)
別に海外じゃなくてもいいんです。全然違う文化の会社や、いろんな人が集まる国内のコミュニティでもいい。新しい場所に行くと様々な情報が入ってきて、色々考えるようになります。
シンガポールで働いて初めて「日本企業はシンガポール人に人気が無い」という事実を知りました。欧米系の多国籍企業に比べて、日系企業は給与が20%くらい低いことを知りました。
日本人は日本語ばかり喋って、何かと本社の決済が下りないと仕事ができず、残業が多くて、その上激しい飲み会を強要される、と思われていることを知りました。
日本人として、結構ショックでした。
ここで何が良いか悪いかを語るつもりはありません。ましてや歴史とか国際関係の中で日本を語ることもできませんが、個人としてはリアルな焦りを感じました。
そう思われてたら優秀な人材なんて採用できない。人が集まらなければ日本企業はどうなるのだろう・・・。
私の中で、”先進国日本が発展途上国のアジアを支援する”という思い込みは、もう時代遅れなんじゃないかと新しい認識が生まれました。
場所を変えて新しい情報をインプットすることで、新たなアウトプットが生まれたのです。
私たち世代からボトムアップのグローバル化をしていきたい
だからと言って、私一人の力で世界を変えられるわけでもないし、変えたいわけでもないです。
ただ、少しでもいいから、私たち若い世代がもっと外の世界に目を向けられたらいいのになー、と思います。
いや、別に若者じゃなくても全然いいんで、身近なところから違いに触れ、受け入れ、楽しむ訓練をしていけたら良くないですか?
今はテクノロジーが発達していて、海外に行く壁がめちゃめちゃ低い。15年前なんて国際電話は高いし、LCCなんてないし、スマホもLINEもない時代でした。
最近は訪日外国人も増えて、外国の人と触れ合う機会も増えています。とても良いことだと思います。
グローバル人材って、交渉力が高いとか、アメリカでMBA取ったとか、何か国語も喋れる、ということではないんだと大人になって気付きました。
もっと大事なのは、新しい文化やそこに暮らす人々への飽くなき興味・関心なんじゃないでしょうか。
まとめ
長くなりましたが、冒頭の「なんで海外に行こうと思ったの?」という質問への回答は、
「単なる好奇心からです」という感じです。そんな答えですみません。
結局は新たな出会いとか、違うアイデアに触れるのが好きなんです。それだけです。
「なぜ日本人が海外に出なければいけないのか」という問いに対しては、
日本がヤバイという危機感も多少あるけれど、それ以上に海外に行くの楽しいよ、新鮮な驚きと感動に出会ってぐるぐる考えて、自分に関して新たな発見があって、また行動へと繋がっていく。そんな人生素敵じゃない?というのが、現段階での私の答えです。
こんな風に名もなき一個人の体験談を共有して、一人でも多くの人が新しいものに触れ合う楽しさと、自分を発見する喜びを感じられる世の中になることを願い、これからも発信していきたいと思います!
その日はいつも通り、透き通るような青空が眩しい朝だった。 家を出ると、朝露に濡れた芝生が輝いている。青と緑のコントラストがコロラドの美しさを象徴しているようだ。 クリームチーズがべったり塗られたベーグルを頬張りながら、ホストパパの車に乗[…]