自分は「読む人」か「聞く人」か。わかれば仕事の質は驚くほど上がる。

いつものミーティングで、あるメンバーの議事録が目に止まった。

A4半ページくらいに、びっしりと文字が書かれている。私は一応その文章を読んだが、何を言いたいのかさっぱりわからなかった。

この文を書いた人物は有能な若手で、非常に仕事ができる。人の話を熱心に聞き、的確なアドバイスをくれる。

なので今回出てきた文書 ―つまりは彼の意見― を読んだとき、正直、いつものキレキレなコメントとのギャップに違和感を覚えた。

「まあ仕方ないですね。〇〇さんは話す人だから。

先輩が言った。

コミュニケーションの4分類

先輩はよくこの「話す人」「書く人」という言葉を使う。話すと書くのでは、どちらのコミュニケーションがより得意かという意味である。

コミュニケーションは一般的に、読む・聞く・話す・書くの4つに分類される。読む・聞くがいわゆるインプットで、話す・書くがアウトプットだ。

我々は普段、ごく自然にこれら4つを組みあわせてコミュニケーションをとっているので、どのコミュニケーション方法が一番得意かなんて、よほど意識しない限りわからない。

しかし、自分が最も得意とするコミュニケーション方法を知らないことは、自分の仕事の仕方を理解していないということで、つまりは仕事の成果に大きなダメージを与える

私がそのことを明確に意識するようになったのは、先輩に「あなたは絶対に読む人ですよ」と指摘された時からである。

仕事の仕方について初めに知っておくべきこと

ドラッカーいわく、世の中には「読む人」と「聞く人」の二種類が存在する(※1)。どちらが得意かは、仕事の仕方かつ、理解の仕方に直結している。

仕事の仕方について初めに知っておくべきことは、自分が読む人間か、それとも聞く人間かということである。つまり、理解の仕方に関することである。世の中には読み手と聞き手がいること、しかも、その両方であるという人はほとんどいないということは知らない人が多い。


『プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))』ダイヤモンド社

冒頭の「話す人」か「書く人」かという議論はアウトプットの仕方に着目したものであるが、「読む人」か「書く人」かという議論は、インプットの仕方に焦点を置く話だ。

ちなみに私は自分のことをずっと聞く人、話す人だと思っていた。営業として人の話を聞くのが好きだし、セミナー講師として人前で話すのも楽しかった。

ところが先輩は、私の読書量と文章から、「絶対に読む人、書く人です」と言い切った。そこまで断言されると、なんの根拠もないけど、なんとなく自分は読む人・書く人なのかなと思えてくる。

そうして自分を含めた世の中の人を、聞く人/読む人なのか、話す人/書く人なのかと観察していくと、面白いことにハッキリ特徴が見えてくる。

いつも面白い話をしてくれる経営者のブログがめちゃめちゃつまらなかったり、普段は無口な友人が送ってきたメールが不意をつくほど感動的だったり。

「なんでこの社長、話は面白いのにブログがつまんないんだろう」という疑問も、この人は話す人だからか、とすんなり納得がいく。

ちなみにこの社長のように話すのが得意なら、情報発信はセミナーや講演を通して行なったほうがいい。

無理してブログに時間を費やすよりも、よっぽど成果がでるだろう。ドラッカー曰く、これは個性であり、今更矯正しようと思って変わるものではないらしい。

得意なコミュニケーション手段を周囲に伝えておく

また、もしあなたが書くのが得意(あるいは話すのが苦手)なら、日報やメールでの報連相をしっかり行う。

もちろん、対面でのオーラルコミュニケーションを全くなくすべきとは言わないが、自分は「書く人」だと上司に予め認識してもらうことは重要だ

最も得意なコミュニケーション手段を理解しておいてもらうだけで、あなたの弱みばかりみられることはなくなり、強みを生かした仕事が回ってくる。

人は弱みによって成果を出すことはない。いつだって強みに着目すべきだ。

では強みとは何か。それは決して仕事の中身だけではない。仕事の仕方にも得手不得手がある

自分が最も得意とするコミュニケーション方法を知るだけで、あなたの仕事はグッとやりやすくなるだろう。

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