IELTS のリーディングでバンドスコア 6.0 を取れるということは、問題文の内容は大体読めているということですね。
安定して6.5 以上のスコアを取るためには、速く正確に読む力と同時に、IELTS 独特の問題形式に慣れ、正解を導く力が求められます。
本記事では、IELTSのリーディングを攻略するために、IELTSリーディングの特徴、問題の解き方、ポイント、勉強法などをご紹介します。詳細についてはそれぞれリンクが貼ってありますので、そちらの記事も参考にしてみてください。
5.5~6.0 あたりでスコアが伸び悩むと、辛くて勉強を投げ出したくなりますよね。
でも大丈夫、着実に英語力はついています!一気に爆発する時が必ず来るよ。
IELTS のリーディング概要と求められる力
まずは「これからIELTSのリーディング勉強を始めるぞ!」という方向けに、概要を簡単にお伝えします。
IELTS リーディングの概要
- 試験時間:60分
- 問題数:大問(Reading Passage)3題、設問数 40 問
- 語数:3題合わせて2,100~2,700 語くらい(1題につき 700~900 語)
- 内容:アカデミック。地理、歴史、生物、心理学、言語学など、大学の一般教養課程にで出てきそうな読みもの。専門的知識がなくても解ける。
- 特徴:すべて記述式。選択肢から選ぶ、正誤判断、穴埋めなど、独特の問題形式をとっている。
IELTSのリーディングで求められる力とは?
IELTS のリーディングで求められる力とは、ずばりイギリスの大学(院)の授業についていける力です。
IELTS は非常によく練られています。というのも、IELTS の勉強をすれば、大学の授業についていく力が自ずとつくように出来ているから。
では一体「大学の授業についていける力」とは何でしょうか。それは、
大量のリーディングから重要な情報を素早く抜き出し、筆者の主張を的確に要約する力
です。
イギリスに限らず欧米の大学では、大量のリーディング・アサイメントが出ます。ノンネイティブの日本人が一から丁寧に読もうとすると、とてもじゃないけど読み切れない。そこで、重要な情報を素早く抜き出す力が求められるのです。
また欧米の大学では「読む」だけではダメで、それに対して自分の意見を求められます。
重要なキーワードだけ素早く抜き出せても、筆者の主張を正しく理解できていなければ、授業中のディスカッションについていけません。その先の期末エッセイを書くことも出来ないでしょう。
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IELTS リーディング攻略に欠かせないポイント
IELTS のリーディングを攻略するためのポイントは、大きく4つあります。
- 独特の問題形式に慣れる
- スキミングとスキャニングを駆使する
- パラフレーズの鬼になる
- 時間配分を決める
どれも重要ですが、特に上の3つは IELTSのリーディングを攻略するには欠かせないポイントです。逆に言うと、この3つさえ意識できていれば、かなり効率的に点数の改善が見込めるのではないでしょうか。
IELTS リーディングの問題形式を知る
IELTSのリーディングは、設問の形式が独特。しかもすべて記述式なので、正しい答えが選べても、スペルミスや解答を書く場所を間違えてしまうと正解になりません。慣れていないと、初めの内はどうやって解くかに時間が割かれてしまい、かなり勿体ないことになってしまいます。
独特の問題形式とは、
- 選択肢問題(筆者の主張、本文の細かい内容)
- 穴埋め問題(短文空所補充、略図・略表完成、2~3語の英作文)
- マッチング問題(段落の見出し付け、細かい内容のマッチング)
- 正誤問題(YES/NO/NOT GIVEN、または TRUE/FALSE/NOT GIVEN)
ざっくり分けると大体こんな感じです。
問題形式こそ違いますが、求められる力はすべて同じ。文章の要点を大まかに理解し、大事なところは詳細も把握し、議論の展開を理解し、筆者の主張を把握する力です。
解く際は問題の指示文をしっかり読み、解答用紙への記入に注意を払うなど、普段から本番を意識して解くことが大切です。
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スキミングとスキャニング
皆さんは Skimming(スキミング)と Scanning(スキャニング)という言葉を聞いたことがありますか。
- スキミング:ざっと読んで全体を大まかに把握するスキル。
- スキャニング:ざっと目を通して、欲しい情報を拾うスキル。
スキミングは一言で言えば要約力。Skim はもともと「液体の表面をすくい取る」という意味ですよね。そのイメージで、まずは本全体をサーっと飛ばし読みしながら、要点や話の展開をつかんでいきます。
日本語で書かれたものも、分厚い本だったらまず最初にサーっと目次や見出しを流し読みしたりしませんか? 目次や見出しから、その著者の言いたいこと、具体例、反論、根拠など話の展開をざっくりつかんでから読む方が効率的ですよね。
一方スキャニングは、一言で言えば情報発見力。欲しい情報やキーワードがどこに書かれているか即座に見つけるスキルです。私はこれを「ウォーリーを探せスキル」と呼んでいます。
極端に言えば、文章なんて読まなくていい。とにかく目的の単語をいかに早く見つけられるか。このスキルが身につくと、問題を解くスピードが格段に速くなります。
この二つ、IELTS 攻略にとって本当に重要なスキルです。
英文を読むスピードが遅い内は、とにかく時間との勝負。少しでも正答率を上げるには、スキミングで大まかに内容を把握し、スキャニングで問題文の根拠を素早く見つけましょう。この二つのスキルが身に付けば、IELTS 試験も楽になるし、その後の大学での授業が相当楽になりますよ!
▼精読と速読について知りたい方はこちら
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パラフレーズの鬼になる
スキミング、スキャニングと並んで大事なのが「パラフレーズ」。パラフレーズとは、ある語句を他の言葉を用いて表現する「言い換え」という意味です。
例えば “I like blue” という文は “My favorite color is blue” と、別の言葉で言い換えることが出来ます。ライティングで高スコアを取るには必須のスキルです。
ではなぜこのパラフレーズが、 IELTS のリーディングでも大事なのか。
なぜなら、パラフレーズに気づけるようになると、問題が超簡単に解けるようになるからです。私自身、パラフレーズを意識しただけで、面白いほど答えが浮かんで見えてくるようになりました。
IELTSのリーディングでは、本文で具体的に描写されている内容が、正解の選択肢では抽象的な表現にパラフレーズされています。
逆に言えば、本文で使われている語句がそっくりそのまま選択肢に書かれていたら、その選択肢は正解の可能性が低いということ。
全体の英語読解力が低いうちは「よくわからないけど、本文で見かけた単語が入っているから、これかな!」みたいなノリで、選択肢を選んでしまう時があります。でもそれは引っ掛けです。これはリスニングも同様ですね。
問題は、パラフレーズに気づけるかどうか。
普段から「どこがパラフレーズされているか」を意識して読む癖を是非つけてください。また余裕がある方は、単語を覚える時に類語も一緒に覚えると、パラフレーズの箇所が見つけやすくなりますよ。
時間配分を守る
最後に、時間配分についてです。
IELTSのリーディングは3題を60分で解くことになります。単純に3で割ると一題にかけられる時間は20分。
IELTSのリーディングは、それぞれのパッセージごとに難易度が異なります。ですので簡単な問題の場合は15分、普通で20分、難しい問題で25分が目安になるかと思います。
とはいえ、実際に試験を受けているとどれが簡単でどれが難しいかはわかりません。
ですので、気持ち的には15分くらいで解こうと前のめりで読みつつ、実際は20分で解き終えられれば十分かなと思います。
逆に絶対やって欲しくないのは、一題に時間をかけすぎること。仮に一題に30分かけてしまうと、大問は2題、問題数でいうと26問しか解けないことになります。
リーディングで 6.5 以上取るためには、最低でも27問以上正解する必要があります。ですので2題(26問)しか解いていない時点で、6.5以上は取れないということになります。
大事なのはメリハリをつけて20分で解き切ると決めること。そして普段から時間内で解き切れるよう練習することです。
バンドスコア5.5→6.5を目指すには
IELTSで苦しんでいる方は、リーディングに限らず、バンドスコア5.5~6.0 辺りで伸び悩んでいる人が多いです。
教える側からすれば、点数にこそ現れないものの、着実に英語が伸びているのがわかります。ですが本人からすると、数字として結果に表れないので焦ってしまう。そこで勉強を諦めてしまうのは非常にもったいないです。
下の表は目標のバンドスコアを取るのに必要なリーディングの素点目安です。
バンドスコア | 素点 |
5.5 | 19~22点 |
6.0 | 23~26点 |
6.5 | 27~29点 |
リーディングで 0.5 上げるには、大体4問くらい正解数を増やさなければなりません。1.0なら単純に2倍して8問は正解を増やす必要があります。
4問というと少なく感じるかもしれませんが、漠然と増やすのは簡単ではない。じゃあどこで確実に4問正解を増やすべきか。
みなさんは戦略をもって勉強していますか???
6.0オーバーを狙うなら、上で書いた通りPassage1の(大体)13問中、10問(77%)くらいは正解しておきたいところです。
もし10問正解できれば、残りは2パッセージで、計15問正解すれば確実に6.0は取れると思います。内訳としては、パッセージ2で 8/13問(61.5%)、7/14問(50%)くらい取れるのが理想でしょうか。
といっても、これもあくまで例です。
むやみやたらに過去問を解きまくるのではなく「目標まであと何問正解すればいいのか」「そのために何をどう強化するのか」「自分が得意/苦手な問題形式は何か」を考えながら勉強に取り組む。
時間に追われているのならばなおさら、戦略的に行きましょう!
▼あなたの弱点はどこ?
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IELTS は合理的な試験
IELTSのリーディングは決して簡単ではありません。しかし、かなり合理性のある試験だと思います。
今日お伝えした IELTS が求める本質的な力をよく理解し、4つのポイントを意識して勉強を進めてみてください。あとは量をこなせば必ずスコアは伸びるはず。