英語を英語のまま理解し、読むスピードを上げるために必要なこと

この記事は

  • 長文のリーディングが苦手で、わからない単語でつまづいてしまう
  • 読むのが遅く、リーディングは時間内に解ききれない
  • 英語が出来る人に「日本語に訳さないで英語のまま理解するんだよ」と言われて、「そんなこと出来たら苦労しないわ!」と憤っている

人向けに、

  • 「英語を英語のまま理解する」とはどういうことか
  • なぜ日本語に訳さず、英語のまま理解することが大事なのか
  • 単語認識を自働化するための前提条件とは

について書いています。

この記事を読むと、英語を英語のまま理解し読むスピードを上げるために、どんな訓練をすることが大切かを理解して頂けると思います。

英語を英語のまま理解するとは

まじめ
英語の長文を読むのが遅くて、時間内に問題を解ききれません。どうしたらいいですか?
Ringo
色んな原因が考えられるけど、一文ずつ日本語に訳しているからじゃないかな? 英文は英語のまま理解すると速く読めるようになるよ。
その「英文を英語のまま理解する」ってよく言われますが、どーゆーことですか? 絶対に日本語に訳さないと理解できないですよね???

みなさんも一度はこのセリフを聞いたことがあるのではないでしょうか。

英語を英語のまま理解する。そんなことが初めから出来たら苦労しないですよね。そもそも「英語を英語のまま理解する」とは、一体どのようなことを指すのでしょうか。図を使って説明したいと思います。


例えば「Banana」という文字を見た時、皆さんの頭の中には何が浮かびますか?

おそらくほとんどの日本人は「黄色くて甘い南国のフルーツ」を思い浮かべるでしょう。

この、英語の文字を見た時に、何らかの単語としてすぐにイメージが思い浮かぶ状態が「英語を英語のまま理解する」ということです。

単語を見てすぐにイメージが浮かぶ
単語を見てすぐにイメージが浮かぶ

“Banana”の文字を見た時、いちいちバナナの日本語名を思い浮かべないですよね? むしろバナナの日本語名ってご存知ですか? 「実芭蕉(みばしょう)」というそうです。

バナナという単語はすでに日本人に浸透しているので、「“Banana”は「バナナ」だから実芭蕉のことを指していて……あ、黄色い美味しいフルーツね!」とはならないわけです。

つまり、単語によっては普段から英語を英語のまま理解しているということになります。

単語を認識するまでのメカニズム

バナナやコーヒー、スマートフォンなど、私たちの生活に身近なものは、比較的英語のまま理解できます。

一方難しい学術用語や、動詞、形容詞といった単語は、私たちの生活に身近ではありません。文字を見てすぐにイメージを思い浮かべることは困難です。

人が文章を理解するとき、私たちの頭の中では一体何が起きているのでしょうか。心理言語学の研究によると、人が文章を読む際、次のようなプロセスを踏んでいるそうです。

 

  1. 文字を認識する
  2. 頭(心)の中で発音する
  3. 長期記憶から検索する
  4. その文字と発音に合致するものを照合する
  5. 意味を思い出す
  6. 単語を認識する

例えば “Watermelon” という文字を見た時、頭の中ではこのようなことが起きています。

 

文字を見て頭の中で発音する
文字を見て頭の中で発音する
長期記憶の中から検索・照合して意味を思い出す
長期記憶の中から検索・照合して意味を思い出す
イメージが思い浮かび、単語を認識する
イメージが思い浮かび、単語を認識する

なぜ単語認識の自働化が大事なのか

ここで、”Banana”と”Watermelon” の例を比べてみましょう。

“Banana”を認識するのに必要なプロセスは2つ。”Watermelon” の場合は、全部で6つのプロセスを踏んでいます。つまり4つも段階が多い。

すでに日本語として定着しているバナナは文字認識からイメージが浮かぶまで、一連の流れが自働化されています。

一方慣れない英単語だと、これら一連の流れが自働化されていません。一つひとつのプロセスを、いちいち処理しなければならないのです。自働化されていないので、処理に時間がかかります。読むスピードが遅くなる原因です。

これは脳にとっても負担がかかる作業ですね。処理するたびに脳のメモリを消化しているわけですから。

長文を正確に理解するためには、単語認識以外に、前後の意味を統合したり、文法の知識を使って構文を読み解いたりしなければなりません。これは脳のメモリをかなり必要とする作業です。

しかし、単語認識ですでにメモリが消化されているので、頭がうまく働きません。正確に文章を読めなくなってしまいます。

知らない単語が多いということは、文章の意味をつかめないだけでなく、脳を余計に疲れさせてしまっていたのです。

単語を認識するための前提条件

もう少しプロセスを詳細に見ていくと、②~⑥の現象が起きるためには、一定の前提条件が揃わなければならないということに気づきます。

その前提条件とは、

文字を見た時、どうにか発音ができる
長期記憶の中に、もともとその単語のイメージが存在する

当たり前といえば当たり前ですが、人は覚えていないことを思い出すことはできません。発音すらできないものを覚えるのも難しい。

ということは、結局新しい単語をインプットする時がとても重要ということになります。

ひとつは正しい発音で覚えること。もう一つは和訳ではなく単語が持つイメージで覚えること。イメージで覚えるとは、つまり “Banana” を「実芭蕉」と覚えるのではなく、「黄色くて甘い南国のフルーツ」として画像で覚えるということです。

どうやって単語認識を自働化するか

単語認識を自働化するためには、結局、意図的に訓練するしかないと思います。

よく自転車の例で説明するのですが、自転車って、最初は誰もがうまく乗れないですよね。はじめは頭で考えながらハンドルを操作したり、ペダルをこぐわけです。

でも練習を重ねるうちに、ある時ふと乗れるようになる。ハンドルを握り、ペダルに足を乗せた瞬間に体が勝手に動き出す。考えたり思い出したりしなくても、自動的に反応する。

単語認識の自働化も似たようなものです。何度も触れる単語は勝手に覚えますし、めったに見ない単語は忘れてしまう。普段の生活で英語に触れない人は、やはり意識的に触れる回数を増やしていく必要があるのです。

自働化が進むと、リスニングにも活きてきます。

リスニングはリーディングと違って、立ち止まって単語の意味を考えることが出来きません。だから、聞こえたままの後順で理解しなければならない。

リスニングが苦手な人は「途中でわからない単語が出てくると、意味を思い出すのに時間がかかり、考えている内に音声がどんどん先に流れていってしまう」と言います。

これも単語認識が自働化されていれば、立ち止まらずに音声についていけるようになります。

自働化するためには音読が効果的と言われていますが、なぜ効果的なのかは、また別の記事で紹介しますね。

道のりは遠いけど、脳のメモリを効率的に使って少しでも楽に英文を読めるようになるため、一緒に頑張りましょう!

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